骨が脆く柔らかくなることで正常に成長しない「 くる病 」になる子どもが近年増加しているそうです。
「 くる病 」とは?
「くる病」とは子どもに発生する骨軟化症のひとつです(男子の場合は17歳以下、女子の場合は15歳以下)。
骨端線が閉鎖する前の子どもの骨の端には「成長軟骨版」という骨があり、「 くる病 」はこの成長軟骨板がギザギザになったり横に広がったりすることで骨が真っ直ぐ伸びなくなる病気です(骨が急成長する乳幼児に発生することが多い)。
骨が真っ直ぐ伸びなくなることで多く見られるのが「O脚」です。
乳幼児はもともとO脚の傾向にありますが、くる病の子どもはより強いO脚になります。他に見らえるのは背骨のわん曲です。
くる病 が国内で再び増加している理由
日本国内で くる病 が流行したのは1970年以前、戦後の栄養状態が悪い時代で果物や野菜が不足する冬に多発したそうです。
1970年以降は栄養状態が改善されたことで「くる病は珍しい病気」となりましたが、1990年以降から徐々に「くる病」は増加傾向にあるそうです(遺伝性の低リン血性くる病は除く)。
1990年代からくる病が増加している原因は、ライフスタイルの変化によるビタミンD不足です。
- 卵を食べない:アレルギーなどを理由に卵の摂取を控える傾向が高まった
- 魚を食べない:ビタミンDを豊富に含む魚をあまり食べなくなった
- 太陽の光を浴びない:シミやそばかすなどの皮膚障害を過度に忌避する傾向が高まった
ビタミンD不足で起きる「 くる病 」、骨との関係
骨は常に「古い骨を壊して新しい骨を作ること」を繰り返しており、骨を作るときの材料がリンとカルシウムとビタミンDです。
ビタミンDはリンとカルシウムが体に吸着されるのをサポートする役割をもち、ビタミンDが不足している吸着がしっかりできずに骨は柔らかく、脆くなってしまいます。
くる病はリンやカルシウムが不足しても発生しますが、原因がビタミンD不足と断定されるのは、
- リンは様々な食材に含まれているので、普通の食事をしていればまずリン不足にならない(それでもリン不足になる場合はリンの過剰排出、遺伝性の低リン血性の可能性があります)
- カルシウムが不足すると痙攣など他の異常が先に起きる(くる病を発生するより先に痙攣が起きることで対策がとられるので、カルシウム不足がくる病の原因にはならない)
普通の食事をすることで1日1グラムのリンを摂取できますが、腸からリンを吸収するにはビタミンDが必要になります(摂取するだけではダメ、吸収されなければ尿などで排出されてしまう)。
くる病 を防ぐためにビタミンD不足を改善する
ビタミンDは魚を食べることで摂取することはできますが、定期的に摂取(毎日定量の摂取)を目指すならばサプリメントがおすすめです。
特に乳幼児のビタミンD不足を防ぐには、信頼性が高く教育機関の斡旋もある「肝油ドロップ」の服用がおすすめです。
肝油ドロップについては「幼稚園経由で案内される「 肝油ドロップ 」、子どもに必要だから斡旋されるの?」を読んでください。
また、ビタミンDは食事で摂取することができますが、皮膚に太陽光があたると腎臓と肝臓が活性化されて体内で生成されます。
近年は紫外線による老化や発ガンリスクなどを過度に気にかける傾向があり、乳幼児の日光浴が不足している傾向にあります。
過度な日光浴は避けるべきですが、朝や夕方など日差しの弱い時間帯にガラス越し、レースカーテン越しに太陽光にあたるだけでビタミンDは生成されます。
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