紳士が開いた扉の先には大正モダニズムがあった
これが上田駅(長野県)のすぐそばに建つ、みすゞ飴で有名な株式会社飯島商店の上田本店に対する私の印象です。
駅から延びる石畳風の歩道を登って右手にあるそのお店は、「石目作り」という工法で作られた石造りのように見える木造建築物です。
「モルタルに玉砂利を張りつけたんだって」
「・・・俺にこれをやれと?」
家を買ってDIY好きになった旦那にそう言ったら呆れられました
威風堂々と佇むその建物は大正13年に飯島商店社屋として建築された御年93歳の建物です(文化庁により登録有形文化財として認定)。
養蚕業の絶頂でわきたつ当時の上田においても群を抜いたアールデコ調のハイカラな意匠は目を惹き、それは今も上田駅前のランドマークとして親しまれているようです(飯島商店内リーフレットより)。
店舗は社屋の一角にあります(昭和になって店舗棟として改装)。照明器具や調度品が大正時代のものに統一されていて、店内に招かれると自然と背筋がピンッと伸びます。
ジャムとゼリーの専門店である飯島商店の代表商品は、長野土産の定番「みすゞ飴」です。しかし、「美味しくない」とみすゞ飴はなぜか長野県出身者には不評です
私の予想では「(子ども向けの味ではないのに)子どもにオヤツとしてあげたから」です。
実際に「大人になってから美味しいと思うようになった」という意見もあります。まぁ、『三つ子の魂、百まで』ではありませんが子ども時代の想い出が拭えないと言っていた知人(長野県松本市出身)もいましたが
そんなみすゞ飴の飯島商店(上田本店)によく行く、それも冬に行くのは、みすゞ飴ではなく冬季限定の生ゼリー「三宝柑福居袋」です(オンラインショップでも購入できますが)。
今年も11月17日(月)から販売開始され、先日買いに行った義母がお土産に持って来てくれたので今年も味わうことができました。
三宝柑(サンボウカン・サンポウカン)は柑橘類の1つで和歌山県の特産品です(和歌山県湯浅市栖原地区で主に生産)。合成保存料をしようしていないので賞味期限は短く、製造(発送)されてから3日間でがペロッと食べてしまえます。
三宝柑の実はくり抜かれてゼリーに仕上げられ、皮の容器に入れて固められます。
初めは濃い緑色をしていますが、季節が進むと黄色く熟していきます。味わいも変化し、濃い緑色をしているときは爽やかで瑞々しい味わい、黄色く熟すとコクと旨味がある味わいになります。
【了】
広告
コメント