埼玉県内で自転車に乗る人全員を対象に、自転車損害保険またはそれに相当する保険に加入する義務付けられました(埼玉県在住者のみが対象ではない)。
自転車に乗るのが未成年の場合、保護者に自転車損害保険への加入義務が課せられています。
義務化と同時に、条例には学校や会社等に対して保険加入確認の努力義務も規定されました。
自転車損害保険とは?
自転車損害保険とは「自転車の利用によって他人の生命又は身体を害した場合における損害を補填するための保険または共済等」を指します。
今回の埼玉県条例では「個人賠償責任を補償される保険に加入していること」が義務であり、「自転車損害保険そのものへの加入」が義務ではありません。
自転車に乗っているときに起こした事故によって発生した個人賠償責任を補償できるならば、自動車保険に付帯されている補償でも問題ないそうです。
自転車事故補償と個人賠償責任補償
自動車保険に付帯できる特約(補償)として、該当するのは「自転車事故を補償する特約」もしくは「個人賠償責任を補償する特約」のいずれか。
「個人賠償責任を補償する特約」は自転車での事故も補償するとあるのですが、SBI損保の自動車保険には「自転車事故補償特約」が個人賠償責任とは別にあります。
これについて、SBI損保のコールセンターに確認。結果、この2つは補償の対象範囲が違って、ケガをさせてしまった相手に関してはどちらの特約でも補されますが、自分のケガについては「自転車事故補償特約」のみ補償されるそうです。
個人賠償責任を補償する特約について、2023年の保険見直し時に算出した結果では特約をつけることで保険料が年間1,000~3,000円増加しました。
補償が義務化された理由
自転車利用者の交通ルールの徹底
自転車利用者のマナー向上
交通事故被害者の救済および経済的負担軽減
自転車を利用していれば誰でも加害者となる交通事故を起こす可能性はあるため、今回の義務化では年齢など免除を設けていません。
個人賠償責任の補償には細かい条件があるので、補償対象や補償金額を必ず確認します。
補償金額は条例で決められていませんが、保証金額は1億円以上または無制限が推奨されています。自転車乗用中の事故によって相手方に損害を与えた結果、裁判で約9,500万円の賠償命令が出た事例があるからです。
義務化後の加入率は約7割
義務化の条例の施行をキッカケに、義務化された地域では自転車損害保険の加入率は4割から7割近くに増加したそうです(自動車保険への付帯を含め)。
自転車損害保険に加入していなくても罰則はない
自転車損害保険に加入していなくても罰則はありませんが、無保険でも相手にケガをさせた場合の賠償責任は免除されません(未成年でも免除されない)。
「自転車運転者講習制度」とは
急増する自転車事故に対応するため、「自転車運転者講習制度」が全国で始まっています。この制度の対象は「14歳以上の自転車を運転する人全員」で、自転車の道路交通法の改正に伴う罰則の強化です。
規定された危険行為を3年以内に2回以上摘発された自転車運転者は安全講習(有料)を受講しなくてはいけない(従わない場合は5万円以下の罰金)。
安全講習は3時間で、手数料が5,700円です。
公安委員会(=警察)の命令を受けてから3ヶ月以内に受講しなければいけないことになっています。
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