和菓子屋巡り、川越の「亀屋」と深谷の「菊寿童」

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― 埼玉県内の老舗のお菓子屋さん ―

先日川越で用事があり、川越の老舗和菓子店である「亀屋」で芋を使った菓子や桜カステラを買ってきました。亀屋は創業天明3年(1783年)の老舗。流行りのインスタ映えする商品はなくても気品と風格のあるお菓子の数々が並んでいました。

川越や狭山は新卒当時を過ごした街、昔懐かしい風景を楽しみつつ、思い出の場所に娘たちと行くどこか不思議な感覚を楽しんできました。

そして、今回行ってきたのが深谷市にある「菊寿童」です。周辺地域が再開発されていて迷子になりつつの珍道中、店舗はモダンですが菊寿童は創業文化8年(1811年)です。

道を挟んで向かいには菊寿童直営のカフェ「The Shade Tree」があります。コーヒーが美味しそう(※)な店名に心惹かれますが、1歳児連れでは全くのんびりできないので”いつか”のお楽しみにしました。

※ シェードツリーとは珈琲の樹を直射日光を守るために植える、日陰を作る役割をもった樹木のこと。「日陰樹」ともいう。

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亀屋本店は川越の街に溶け込む蔵造り

川越藩の御用商人で徳川家へ献上した歴史あり

「川越」といえばサツマイモ。初雁は川越城の別名「初雁城」から。

亀屋は川越に本社を置く老舗の和菓子メーカーで、長野県の信州中野出身の山崎嘉七が天明3年に「小江戸」と呼ばれた川越で創業しました。この創業者の名前・嘉七は6代目まで襲名されました。

天明3年といえば1783年、いまから約240年前の江戸時代です。「天明の大飢饉」の天明です。亀屋はこの飢饉の頃に創業しました。他には、松平定信の「寛政の改革」、これもこの時代に行われました。

3代目のときには川越藩の御用商人を仰せつかりました。「御用商人」の中にもレベルがあり、幕末期の4代目は名字帯刀が許されて武士に準じた身分的・経済的特権が与えられる上位クラスに属していました。

亀屋の三ツ亀甲のマークの入った「亀の最中」は川越土産の定番で、徳川家に献上されていた歴史もあります。

「川越といえばサツマイモ」の理由

これも美味しいですが、川越芋100%の亀屋の「郷の芋」はいつか食べてみたい
(新芋が採れる10月上旬~1月上旬の限定販売)

サツマイモの日本での栽培は江戸時代から始まり、関東地方では1730年頃に起きた享保の大飢饉以降に盛んになりました。サツマイモは飢饉のときの主食の代用物(飢饉食)でした。

主食の代用品の扱いだったサツマイモを川越藩主は第10代将軍徳川家治に献上しました。よほど川越のサツマイモに自信があったのか、他に策がなかったのかは不明ですが、結果として将軍はお気に召し「川越いも」の名を賜ることとなりました。その後、「川越いも」の名前は”栗よりうまい十三里”と広まりました。

飢饉食だったサツマイモをスイーツの材料になる「甘くて美味しい野菜」と位置付けたキッカケの1つである「紅赤」も埼玉県木崎村(現在のさいたま市浦和区)で発見されたものです。

当時一般的だったサツマイモよりも遥かに甘くて美味しく、俗称「金時」と呼ばれた紅赤は市場で人気になりました。川越ではいちはやく紅赤をとりいれました。結果、「”川越いも”といえば紅赤」と言われるようになりました。

突然変異で誕生した紅赤は栽培が非常に難しくて生育地を選び、関東ロームの赤土の埼玉県三芳町三富新田しか生産地として残りませんでした(近年、川越市内で紅赤の栽培が復活)。

紅赤は紅あずまと比べると収穫も3差里ほど少なく、紅赤を栽培する農家も限られています。埼玉県三芳町三富新田で生産されている「富の川越いも」は高級ブランド野菜であり、川越いも振興会では優良系統選抜をして品質安定のための努力をしています。

春のお菓子は華やかで女の子が喜ぶ

伊豆松崎桜葉漬入りの「桜かすてら」
地元を出て約20年経っても「伊豆」と見ると嬉しくなります

― 御試食どうぞ ―

亀屋さんに行ったらお店の方がお茶とお菓子を提供してくれました。来店したのは春はすぐそこという2月、お菓子は濃いピンク色のスポンジ生地が可愛らしい「桜かすてら」でした。

大好きなピンク色にテンション上げて食べ始めた長女はとても気に入り、私の分も食べてしまいました。

菊寿童の新店舗は老舗の余裕を感じる

深谷の仲町から国済寺の開発中エリアに移転

開発されて新しくなるだろう街並みに溶け込みそうなモダンなデザイン

菊寿童は亀屋同様に江戸時代、文化8年に創業した老舗です。菊寿童が創業した文化の時代には間宮林蔵が樺太を探検していました。この時代に安政の大獄や桜田門外の変で有名な大老・井伊直弼が生まれたりしていました。

仲町にあった旧店舗は重厚感のある「老舗」って感じの店構えだったようですが、新店舗は200年の超老舗感を特に感じない現代的なデザインです。暖簾をくぐると店内も外観同様にスタイリッシュです。

商品棚はごちゃごちゃしておらず余裕がある配置で、お客さんはのんびりとお菓子を見て回れます。お菓子も和洋折衷なのにどこか統一感があって、ふらふらと歩き回りながら気分に合わせて楽しく選べます。こういう空間を作れるところが老舗という感じです。

わらび餅はコクがあって冬でも食べたくなる味

娘のお気に入りのわらび餅はコクがあってもっちもちです。

わらび餅というと夏のイメージですが、菊寿童のわらび餅は本わらび粉から作られてコクがあり冬でも食べたくなる味です。きな粉も香ばしく、あまると餅を焼いてきな粉餅にして食べています(きな粉も単品も販売しています)。

1パックで十分な量が入っていますが、娘はいつも1.5パック食べています。前に妹が「住吉のくず餅」を買ってきてくれたときも娘は予想以上に食べていました…老舗のお味がお好きなようで。

石窯シフォンケーキはガイドブックに掲載

ぶれて写るフォークは早く食べたい長女と写真を撮りたい私の攻防戦の激しさの証

プレミアワーズ発行の「埼玉のおいしい手みやげ」(ガイドブック)に菊寿童が掲載され、ここで石窯シフォンケーキ(流石)が紹介されています。ここのシフォンケーキはしっとりとしていて卵の素朴な味が好きです。1歳の次女も姉から奪うように食べていました。

一緒にいちご大福「弥生」も紹介されていましたが、いちご大福は個人的には微笑庵(群馬県高崎市)の「ちごもち」が好きです。

直営カフェ「The Shade Tree.」は店舗向かい

2018年9月にオープンした菊寿童直営カフェ「The Shade Tree. 」は店舗向かいにあります。カフェの駐車場は店舗の裏にあり、ふらっと立ち寄りやすい立地になっています。

「The Shade Tree.」のコーヒーはプロパット社(ドイツ)の焙煎機を使用したスペシャルティコーヒーです。 飲み物のみテイクアウトできます。

毎朝焼き上げている食パンやバンズ、コッペパンを使ったサンドイッチやハンバーガー、ホットドッグなどをお召し上がりいただけます。シフォンケーキやロールケーキ、石窯チーズもカフェならではのプレートでご提供いたしております。

インスタグラム、カフェのお知らせ(菊寿童公式ブログ)
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