子どもの虐待、親による子どもへの体罰禁止を法定化

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― 虐待かと思ったら、いち・はや・く(189) ―

「189」は児童相談所全国共通ダイヤルです。110番や119番のように189番に電話をかけると最寄の児童相談所につながります。

私はまだ児童虐待を見かけたことはありませんが、児童虐待だと思っても通報できるかどうかの自信がありません。虐待だという確証はないだろうし、「勘違いだったら…」と思うと躊躇してしまう可能性も高いです。

私にとって通報は「チクる」に似たマイナスイメージがあります。子どもの頃の先生に言いつける的な感じです。

通報を躊躇するのには「しつけ」と「体罰」の線引きが現在は”各家庭や個人によるもの”なこともあります。「通報される側は悪いことをしている」という確証があれば、警察への通報のように自信をもって通報することができる気がします。

現在、児童虐待防止法と児童福祉法の改正が報じられています。

改正に際し、「しつけに際して体罰を加えてはならない」などの文言が盛り込まれる予定です。この法改正で児童虐待だと確証しやすくなり、通報しやすい環境になればいいと思います(通報しやすい環境は虐待の抑止力にもなる)。

児童虐待防止法と児童福祉法の改正案の骨子

政府がまとめた児童虐待防止法と児童福祉法の改正案の骨子(骨組み)には「親権者は、児童のしつけに際して体罰を加えてはならないこととする」と、”体罰を禁止する規定”が明確に盛り込まれました。

また、「学校や教育委員会などが正当な理由なく、その職務上知り得た児童に関する秘密を漏らしてはならない」と明記もされました。千葉女児虐待死※の影響だと思われます。

※2019年1月24日に千葉県野田市在住の栗原心愛さん(当時小4)が衰弱した状態で暴行を受けて死亡した事件。両親が傷害容疑で逮捕(3月6日に父親の罪が傷害致死罪に切り替え)。虐待を訴えた心愛さんの自筆アンケートを実施した学校が父親に渡したなど、学校や児童相談所の対応が問題視された。

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「懲戒権」と「意見表明権」は今後検討される

親が子どもを戒めることを認める民法の『懲戒権』や、虐待を受けた子どもの意向を反映させる『意見表明権』については、改正法施行後5年をめどに具体的な措置が講じられます。

懲戒権があるから体罰をしつけと言い張れる

【懲戒権】
親権を行う者は監護及び教育に必要な範囲内でその子どもを懲戒することができる。親権者は子の利益のため(教育の目的を達成するため)に子どもの身体や精神に苦痛を加えるような懲罰手段をとることができる。

懲戒権で問題とされるのが「懲戒権の濫用」です。

懲戒権で認めている範囲を逸脱した過剰な懲戒を加えた場合は「懲戒権の濫用」となり、傷害罪・暴行罪・逮捕監禁罪などの罪となることもある。

法律は状況に応じてケース・バイ・ケースで適応できるようにふわっとした線引きの表現がされています。懲戒権も「必要に応じた体罰ならば懲戒(しつけ)になる」と表現されていて、”必要”の判断は個人に任せられています。

「子どもの言っていること」を軽んじない

【意見表明権】
年齢および熟練度に従って「自己の意見を形成する能力がある」と判断された児童が自分の関わるあらゆること、司法や行政上の手続きなど、全てのことに対して意見を表明する権利。

虐待事件において被害者である子どもの意見は重要です。

虐待の報告を受けた児童相談所や関係機関が対応するとき、虐待を受けた子どもの意向を反映させる「子供の意見表明権」を保障するアドボケイト制度の構築の検討が始まり、子どもの権利が擁護される方向性にあります。

【アドボケイト制度】
権利表明が困難な子ども、寝たきりの高齢者、障害者など、本来個々人がもつ権利をさまざまな理由で行使できない状況にある人に代わり、その権利を代弁・擁護し、権利実現を支援する代弁者や擁護者のこと(advocate)。

社会福祉の研究者N.ベイトマンは、アドボケイトを具体的に実践するときの原則を次の6項目としています。

  1. 常にクライエントの最善の利益にむけて行動する
  2. クライエントの自己決定を徹底的に尊重する
  3. クライエントに対して逐一正確な情報を提供する
  4. 努力と有能さでクライエントの指示を実行する
  5. クライエントに対して、率直で主体的な助言を行う
  6. クライエントの秘密を厳守する

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児童虐待かと疑ったら189番に通報

「189」は児童相談所全国共通ダイヤルで、110番や119番のように189番に電話をかけると最寄の児童相談所につながります。

通報後48時間以内に安全確認が行われる

通報をうけたら、まず48時間以内に実際に子どもを目視して安全かどうかの確認がされます。全ての通報に対して48時間以内に安全確認することは児童相談所の義務となっています。

通報で住所が特定されている場合は、子どもの氏名・年齢・家族構成を確認し、子どもの年齢、園や学校に通っているか、通っている場合はどこかを調査します。

次に他機関も含めて子どもの安全確認を、実際に園や学校で子どもを目で見て安全性をチェックします。園や学校で安全確認ができない場合は家庭訪問をします。

住所が特定されていない場合は、該当するエリアに対象となる年代の子どもがいる世帯を調べ、ある程度特定したら上と同じように安全確認します。

虐待の通報のうち約8割は「虐待あり」

平成28年度(2016年度)の埼玉県内の児童相談所に寄せられた通告の結果、約8割は「虐待事実があった」という結果でした。

通報数虐待あり虐待なし
H26年度7,0285,583(79%)1,445(21%)
H27年度8,3876,920(83%)1,467(17%)
H28年度11,6399,866(85%)1,773(15%)

参考資料:平成28年度の県内児童相談所の児童虐待通告等の状況について(埼玉県公式資料)

児童相談所のある担当者は「泣き声などの断片的な情報だけから虐待の有無や程度を判断するのはどんな専門家にも困難」といいます。

私たちが虐待かどうかの判断をする必要はありません。判断は児童相談所の担当です。私たちは「かも」で行動して問題ありません。

児童相談所や関係機関には子どもとその親に関する情報がたくさんあります。児童相談所ではこれらの情報に専門家の知見を併せることで虐待かどうかを判断しています。

私たちは虐待かどうか”分からないからこそ”通報することが必要です。

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