寒くなると温かいうどんが食べたくなります。
冬は野菜の栄養たっぷりでポカポカと体が温まる山梨の郷土料理「ほうとう」がおすすめです(私は山梨県民ではありません)。ほうとうの麺はコシがいらないので、私が手打ちで作ってみました。
一心不乱でこねこね…ごちゃっとした気分もまとまり気分爽快です。
本当の「ほうとう」は野菜だけで作る
ラズウェル細木さんの『酒のほそ道』に「本場のほうとうは野菜だけ」「肉を入れるのは観光用」と書いてあったので、できるだけ本場っぽく野菜のみで作ってみました。
ほうとうの麺を強力粉と薄力粉で作る
ほうとうの麺は中力粉200gに対して水90mlで作ります。
我が家には中力粉が無かったので強力粉と薄力粉のミックスで、うどん好きなので倍の量、強力粉80gと薄力粉320g(水180ml)で作りました。
大きめのボウルに強力粉と薄力粉を入れ、指先で粉を混ぜながら水を加えてまぜていきます。水が全部入ったら、手のひらで押し込むようにして練ります。
表面が滑らかになったら、ラップをかぶせて10分ほど放置します。
生地をねじって4つに分けます(倍量にしてあるので4つ。粉200gの場合は2つに分ける)。
生地を伸ばす板に薄力粉をふり、めん棒で3~4mmの厚みの楕円形になるようにのばします(旦那は「もっと薄い麺が好み」というので、次回はこの半分の厚みにしようと思います)。
のばした生地を屏風だたみで4つ折りにし、約1cm幅にカットします。
すぐにゆでない場合は麺をほぐして、くっつかないように薄力粉をまぶしておきます。
しかし、少し時間が経つとくっついてしまいました。あまり置いておくと寝かせておくのと同じでコシが出てしまうので、麺は茹でる直前に打った方が良いと思います。
参考:ほうとう(麺)(みんなのきょうの料理 NHKエディケーショナル
講師:柳原一成 )
たっぷり野菜を入れて「ほうとう」を作る
『酒のほそ道』を参考にほうとう鍋を作りました。
野菜は、白菜、ニンジン、大根、かぼちゃ、しめじ、(干し)しいたけ、油揚げです。”本場”なので肉はいれません。ダシに昆布とほんだしを入れました。
同じ鍋で自家製ほうとう麺を茹でます。別の鍋で茹で無くていいので手間がかかりません。
最後に味噌を入れます。白みそと赤みそをブレンドすると味に深みが出るようですが、赤みその使い道が我が家にはあまりないので普通の茶色い味噌で妥協しました。
「ほうとう」と「うどん」の違い
麺の太さとか、幅広の麺を山梨県の人がそう呼んでいるのだと思っていましたが、「ほうとう」と「うどん」には決定的な違いが2つありました。
【 「ほうとう」と「うどん」の決定的な違い】
- ほうとうの生地は寝かせないので、グルテンの生成によるコシがない
- 塩を練り込まないため、麺を湯掻いて塩分を抜く手順が無い(生麺の状態から煮込む)
「ほうとう」はバランスの良い郷土料理
ほうとうは野菜類のビタミン類や繊維質に特に富み、小麦粉や芋類によるデンプン質、味噌によるタンパク質などバランスに優れた料理といえる。
ほうとうーWikipedia
「ほうとう」の具は野菜が中心で、夏にはネギ、タマネギ、ジャガイモなど、冬ではカボチャ、里芋、ニンジン、白菜、シイタケやシメジなどのきのこ類を入れます。
基本的に味噌仕立てで、かつては自家製の米麹と麦麹の両方を使って仕込んだ「甲州味噌」を使う家庭が多くありましたが、今は米麹だけ使った信州味噌を使う家庭が多いようです。
養蚕業が盛んな地域の平打ち麺文化
山梨県の「ほうとう」と同様に、近代に養蚕業が発達した関東・中部地方の地域では広範な平打ち麺文化があります。
山梨県に隣接する 長野県、静岡県、埼玉県、群馬県には平打ち麺(幅が広い麺)をしょうゆ味で煮込んだ「おっきりこみ」「煮ぼうとう」「ひもかわ」などの郷土料理があります。
埼玉県深谷市では平打ち麺文化の観光資源化して、2004年から「ほうとう」(山梨県)、「おっきりこみ」(群馬県)、「煮ぼうとう」(埼玉県深谷市)、「ほうとう」(埼玉県秩父地方)の味対決イベントを実施しているようですが…情報元はWikipediaのみで本当のところは不明です。
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