たばこ税の増税のように、今年税制改正がありました(平成30年度の税制改正)。自治体の税務関係の課から連絡が来たのでまとめてみました。
この新しい制度が適用されるのは平成33年度(平成32年分)以降の市民税及び県民税、”平成”ではなくなるので西暦2021年度(2020年分)以降の市民税及び県民税が対象となります。
本記事は財務省公式サイトで公表されている「平成30年度税制改正(平成30年4月発行)」を参考にしています。
誰でも適用される基礎控除額がアップ
<働き方の多様化>に伴い、個人所得課税が見直されました。これは働き方改革の後押しを目的としています。
つまりフリーランス、請負、起業などをしている人にとっては控除額が10万円アップするラッキーな改正です(給与所得者などは控除額が総額で変わらない)。
- 給与所得に適用される『給与所得控除』が10万円引き下げ(一律)
- 公的年金等の所得に適用される『公的年金等控除』が10万円引き下げ(一律)
- どのような所得にでも適用される基礎控除の控除額が10万円引き上げ
給与所得と年金所得の両方がある人については、片方に関わる控除のみが減額されます。
子育て世帯以外の高給取りが負担増
「給与所得控除が(諸外国の水準と比べて)高額である」という指摘から、今回の税制改正では給与所得控除の見直しがポイントになっています。
今回の税制改正により、給与所得控除額の上限が220万円から195万円に引き下げられました。これにより、一定の条件を満たす世帯を除く年収850万円以上の会社員(給与所得者)の負担が増えます。
給与所得控除額は今まで65万円から始まり、給与収入に比例して上昇して上限220万円で横ばいになりました。横ばいになるのは大体給与収入(年収)が1,000万円以上の人でした。
今回の改正では給与所得控除額は55万円から始まり、給与収入に比例して上昇して上限195万円で横ばいになります。横ばいになるのは大体給与収入(年収)が850万円以上の人になります。
但し、この制度では次の世帯には適用されません。
- 給与所得と年金所得の両方を持つ人
- 特別障害者に該当する人
- 23歳未満の扶養親族や特別障害者である扶養親族等を有する人
↑
つまり、子育て世帯と60代以降の高齢者の世帯
これらは従来通り給与所得控除額が横ばいになるのは大体給与収入(年収)が1,000万円以上の人になります。
高い年金をもらっている人の負担増
公的年金等控除については今まで給与所得控除のように上限が設定されていませんでした。そのため高所得の年金所得者にとって都合がいいという指摘がされていました。
このたび公正化のため、公的年金等収入金額が1,000万円を超える場合の控除額に195.5万円の上限が設けられました。1,000万円以上もらう人は控除額が減ることになり、納める税金がアップします。
基礎控除が一律ではなくなる
「高所得者に税負担を軽減する必要はない」という考えから、合計所得金額が2,400万円を超える人は次のように段階的に基礎控除が減らされていきます。
- 合計所得金額が2,400万円以下: 43万円
- 〃 2,400万円超えて2,450万円以下: 29万円
- 〃 2,450万円超えて2,500万円以下: 15万円
- 〃 2,500万円超えた場合: 適用なし(0円)
2,500万円を超える場合は調整控除が適用されないこととなりました。
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