「一年生を迎える会」で子どもがもらってきた種から育てた朝顔が順調に成長してきたので、鉢を玄関の傍に移動して蔓を絡める格子(メッシュ支柱)を仕立てました。
本葉が二、三枚出てきたら支柱を立てるのが一般的なタイミングなようです。
植物を支柱にらせん状に絡ませて行灯のように仕立てる『行燈仕立て』は実に朝顔らしい姿ですが、我が家の場合は塀に沿ってわさっと咲かせてみたいためメッシュ支柱にしました。
子どもによると小学校でも朝顔を育てているそうです(こっちの朝顔は行燈仕立て)。
朝顔の飼育は私も小学生の頃に経験が…しかし、なぜ昔から朝顔なのか。
他の植物ではだめなの?
今回は朝顔と小学校教育の関係について調べました。
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小学校一年生が朝顔を育てる理由
昔も今も多くの小学校の低学年、主に一年生が「生活」の授業で朝顔を育てています(昔は理科の授業で実施)。
花はたくさんあるのにナゼ朝顔なのか?
まず朝顔は毎日水さえあげれば大きくなっていくためで初心者向け。初めて植物を育てる小学生向けです。
また、朝顔は種から育てやすく、芽が出て、葉っぱが広がり、ツルが伸びて、花が咲くという植物の基本となる育ち方をします。さらに朝に花が開くことから、子どもたちにとって登校するときの楽しみのひとつにもなっているそうです。
朝顔に限らず、植物を育てることは文部科学省の学習指導要領にある”気づき”の学習として学校教育で推奨されています。
そのため小学校の低学年では朝顔を育てる他、中学年以降ではヘチマやヒマワリを育てたりします。
定額ねん向けの朝顔は成長が早く、毎日休まずに世話を続けているとたくさんの”気づき”があり、それが自分の成長にもつながると考えられています。
生活の授業では子どもたちが植物を育てながら、植物の成長と自分の成長を照らし合わせるように行われるようです。
参考:小学1年生がアサガオを育てるのはなぜ? – エキサイトニュース (excite.co.jp)
自宅で朝顔を種から育てる3つのポイント
ポイント① 土に植える前に発芽を促す処置をする
子どもが学校でもらった朝顔の種は、植える前に一晩水に浸けて、カッターやヤスリで皮の一部を削っておく必要があります。
なぜなら朝顔の種は硬実種子だからです。
※市販の種は既に発芽を促す処理がされているものも多いので袋の解説をよく読むこと。
朝顔は耐暑性が高いですが耐寒性は低く、発芽適温が20~25℃なので五月中旬~下旬が撒き時です(早撒き厳禁)。
種をまくと直ぐに芽が出ました(撮影日:2021年5月21日)。
朝顔の種は日光が嫌いなので、1~2cmほどの厚みの土をかぶせるのを忘れないようにします。
ポイント② 誘引する(仕立て)
本葉が2~3枚になったら仕立てます。
仕立てるときは一本のつるを下から見て左巻きに支柱に誘引していきますが、やや水切れ気味で葉茎がしおれているとつるを巻きやすく、葉茎が折れる心配がないです。
誘引しないと雨や風で茎が折れたり、蒸れて病気になったり虫がついてしまうことがあります。
つるが円を描くスピードは一時間に約一回転と言われています。
このときツルが棒やネットに接触すれば、それに刺激を受けた部分は太く短くなるという性質が朝顔にはあるそうです。
朝顔のツルを絡ませる支柱の素材は何でもよく、最近は木の棒や竹を使ったり、100均の素材を使ってオシャレに仕立てる人も増えているそうです。
私は園芸用の簡単な支柱を繋げて大きくできたらいいな、と。
朝顔の草丈は20cmから6mと実に様々なので、成長に合わせて支柱を繋げていく予定です。
ポイント③ 大きな花を咲かせたい場合は摘心
本葉が5~8枚になったら先端の芽を摘み取る「摘心」を行ってわき芽を発生させ、複数発生したわき芽のうち最も元気のよい芽を一本残して他を取り除きます。
但し、摘心が絶対に必要なわけではありません。
摘心を行わず、一本のつるをそのまま伸ばして誘引していく方法もあります。
八月になると子づるがたくさん発生します。
大輪の花を咲かせたい場合は、子づるを取り除く「芽かき」を行うとよいようです。
実は、朝顔って〇〇だった
朝顔は薬用植物として渡来してきた
朝顔は奈良時代に中国から遣唐使が種を持ち帰ったのが始まりで(平安時代に持ち帰った説もある)、当時は薬草植物として扱われたそうです。
「朝顔」は万葉集にも出てくるため観賞用の植物のイメージがありましたが、万葉集の中の朝顔はキキョウやムクゲを指していて本種の朝顔ではなかったと言われています。
ちなみに「朝顔」は夏ではなく秋の季語だそうです。
薬として扱われたのは朝顔の種子です。
朝顔の種子は「牽牛子」と呼ばれる生薬で、医薬品の品質規格書・日本薬局方にも収録されているようです。
粉末にして下剤や利尿剤として利用されますが、毒性も強いので素人が勝手に服用するのは危険でもあります。
朝顔の別名「牽牛」は”牛を牽く”という意味で(七夕の牽牛と同じ)、薬としての朝顔の種は非常に高価だったことから贈られたお返しに牛を牽いたというのが由来だそうです。
朝顔は夏ではなく秋の季語
俳句歳時記によると「朝顔」は秋の季語とされています。
夏休みの自由研究など朝顔=夏のイメージが強いため違和感がありますが、その理由は俳句歳時記は明治初期まで使われた旧暦がベースになっているからです。
朝顔の開花時期は七月中旬~十月上旬。
今は新暦なので夏といえば五月、六月、七月ですが、旧暦の夏は四月、五月、六月でまだ朝顔が開花する前なのです。
参考:【俳句の季語「朝顔」はなぜ秋の季語になる?】簡単にわかりやすく解説します! (haiku-textbook.com)
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