小学校から『水泳指導の案内(参考)』の便りが届きました。
参考なのは今年の水泳指導は小3からで、水泳の学習というより水遊びで児童が密集しがちな小1~小2は新型コロナ感染症の影響で見送られたからです。
一般的に小学校の水泳指導の目標は「25~50m程度をクロールと平泳ぎで泳げるようになること」です。
そのために小1・小2の”水遊び”で水に慣れ、小3・小4は体を浮かせてバタ足やカエル足などの手足の使い方や息継ぎの基本を学ぶようです。
さて水泳は保護者にとっても「できる・できない」の興味関心が高い学習内容。
それは習い事としている児童が多いことから分かります。
そのため、多少体調が悪くても頑張らせてしまう保護者も少なくないとか。
しかし水泳は一歩間違えると命の危険があるものなので、そのため持病があったりケガや風邪などの体調万全でない場合は水泳学習を控えるように保護者に通達されるのが一般的です。
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プールが始まる前に尿検査がありますが、これは健康状態の確認と共に、水泳学習に影響がある心臓や腎臓の病気などを早期に発見する目的も兼ねているようです(つまり尿検査を未受検の場合は水泳指導を受けられない)。
今回小学校が配布した『水泳指導の案内(参考)』にも”水泳ができない人”の事例が列挙されていました。
その中で気になったのが「ぎょう虫検査」と「頭じらみ」です。
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ぎょう虫検査って未だやっているの?
ぎょう虫検査はお尻にペタッと貼ったシール(セロファン)を提出するあの検査です。
あの検査は幼心にも衝撃でまだ何となく覚えています。
そのぎょう虫検査は、ぎょう虫の感染率が全国民で1%以下になったのが理由で、2015年を最後に廃止されたそうです(九州の一部を除く)。
結構最近までやっていたんだなぁ、と調べた結果に驚きました。
ぎょう虫とは?
ぎょう虫はヒトの盲腸に寄生することが多い寄生虫で、お尻(肛門)にシールを貼って検査するのはぎょう虫は肛門周辺で産卵するからです(つまり卵の有無をチェックする)。
肛門付近でぎょう虫が産卵すると粘着性物質によりかゆみが生じ、思わず掻いてしまうことで手などに付着した卵がまき散らされて周りのヒトに感染が広がってしまう可能性があります。
そのため先進国での感染者は乳児・児童とその親というケースが多いようです。
ぎょう虫検査の歴史
日本では1958年から小学校3年生以下の児童はぎょう虫などの寄生虫卵検査が義務付けられていました。
文部科学省によると小学生の寄生虫卵保有率は検査開始時(1958年度)は29.2%だったのに対し、25年後の1983年度の検査では3.2%、さらに30年後の2013年度には0.2%でした。
衛生環境の改善が保有率の低下につながったようです。
保有率が1%を切ったことから、九州の一部地域を除いて2015年度限りでぎょう虫検査は廃止。水泳教育においてぎょう虫検査の結果を問うこともなくなりました。
頭じらみは現代でも決して珍しいものではない
頭じらみ(アタマジラミ)は衛生環境が向上してかなり減少したものの、今でも年間5000~6000人が感染する病気です。
つまり頭じらみは感染症で、ヒトからヒトに感染し、一旦発生すると何度も寄生を繰り返すので、一斉駆除しない限り感染を抑えることはできません。
アタマジラミ(シラミ)とは?
頭髪に棲みつく寄生虫『シラミ』で、通常は白色の虫ですが、エサであるヒトなど動物の血液を吸うと体が赤く変化します。
シラミに血液を吸われるとかゆみがでます。
頭のかゆみがひどい場合は掻いて湿疹が出たり、「とびひ」が出現したり、ひどいと頭を掻くのが止められず頭皮を傷けてしまうこともあるそうです。
アタマジラミ(シラミ)の感染経路
シラミは頭と頭が接触した場合はもちろん、寝具、タオル、クシや髪ゴムなどのヘアアクセサリーなどを経由して感染します。
アタマジラミが確認されるとプールに入れないため水中感染すると勘違いする人もいますが、シラミは水中で感染することはありません。タオルやクシの共用が主な感染原因となります。
アタマジラミ(シラミ)は駆除が必要
シラミの寿命は約1~2ヶ月で、孵化から約2週間で成虫になると1日3~4個の卵を次々と生み続けます。
つまり一度シラミに寄生されると爆発的に増えるため、自然にいなくなることはほとんどなく薬での治療が必要になります。
しかし現行の制度ではシラミ駆除薬は病院で処方されず、アタマジラミと診断されても薬局やドラッグストアで駆除薬を自分で購入しなければいけません。
また、シラミ駆除薬は卵には効果がないので、卵が孵化するまでの1週間~10日間ほど駆除薬を使い続けなくてはいけません。
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