小学校に入学する前に「 麻しん風しん 混合ワクチン」の追加接種を忘れない

家族の安心を守る
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 小学校に入学する前の就学時健康診断で、「 麻しん風しん 混合ワクチン(MRワクチン)」の追加接種について案内されます。

 麻しん風しん 混合ワクチンの接種スケジュール

  • 1回目 1歳以上2歳未満
  • 2回目 5歳以上7歳未満で、小学校入学前の1年間

 推奨接種期間内での定期予防接種は無料で受けられますが、期間外の場合は自己負担になります(目安:1回10,000~20,000円)。

麻しん風しん とは?

 「 麻しん風しん 」とひとくくりにされていますが、「麻しん」と「風しん」は違うウイルスで引き起こされる、全く違う感染症です。

「麻しん」とは

 麻しんは「はしか」ともいわれ、麻しんウイルスによって引き起こされる感染症です。

 麻しんウイルスは感染力が高く、空気感染もします。

 免疫を持っていない人が麻しんウイルスに感染すると100%発症し、麻しんは死亡率が高く、先進国でも麻しんの死亡率は0.1%もあります(り患者1000人に対して1人)。

 症状は発熱、咳、鼻水など風邪に似ていて、2~3日ほど経つと39℃以上の高熱と発疹が出ます。

麻しんの死亡率が高いのは合併症が原因

 死亡率が高いのは脳炎や肺炎を合併しやすく、り患者1000人に対して1人の割合で脳炎が発症。

 また、り患者10万人に1人が麻しん発症後に「亜急性硬化性全脳症(SSPE)」(中枢神経疾患の1つ)を合併してしまうことがあるそうです

公式サイト麻しんについて|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

「風しん」とは

 風しんは、風しんウイルスによって引き起こされる感染症です。

 飛沫感染が主で空気感染はしないようですが、感染力が高いため1人の風しん患者から5~7人にうつることがあります(風しん免疫がない集団における例)。

 発症後の症状は様々、無症状(不顕性感染)から入院が必要な重篤な症状まで幅広くみられます(風しんは脳炎や血小板減少性紫斑病を合併することあり)。

 風しんの感染に注意したいのが妊婦です。

 風しんに対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの妊婦が風しんウイルスに感染すると母子感染してしまうことがあります(先天性風しん症候群の子どもが生まれる可能性が高くなる)。

先天性風しん症候群とは

 「先天性風しん症候群(CRS)の子ども」とはいわゆる”障害のある子ども”です。

 障害としては先天性心疾患、難聴、白内障の3つが多く、それ以外では網膜症、肝脾腫、血小板減少、糖尿病、発育遅滞、精神発達遅滞、小眼球など多岐にわたっています。

 風しんの予防接種は先天性風しん症候群を防ぐことも目的としており、さらに妊婦検診には風しん抗体チェックをして胎児を守っています。

公式サイト風しんについて|厚生労働省 (mhlw.go.jp)先天性風疹症候群とは (niid.go.jp)

麻しん風しん 混合ワクチン(MRワクチン)の効果

麻しんの近年の発生状況

 「日本が麻しんは排除状態にあること」が2015年世界保健機関西太平洋地域事務局によって認定されており、現在日本での発症は海外からの輸入例と輸入例からの感染事例のみとなっています。

 麻しんワクチンの効果は有効でした。

 実際に麻しんは2007年・2008年に10~20代を中心に大きな流行がありましたが、2008年から5年間中学1年生および高校3年生相当の年代に麻しんワクチンを接種することで2009年以降の患者は急減しました。

風しんの発生状況

 風しんは麻しんと異なり排除状況になく、2020年度までに風しん排除を目標としている状態です。

 現在では2007年に改訂された「風しんに関する特定感染症予防指針」をもとに定期予防接種の積極的な摂取勧奨・妊娠可能女性とその家族への予防接種の推奨などを行っています。

 国内の風しんの流行は2002年~2004年に局地的に流行し、厚生労働科学研究班により緊急提言で対応が強化され一旦風しんの流行は抑制されました。

 しかし2011年に海外で感染して帰国後発症する輸入例が参詣。

 2013年には累計14,344例の報告があり、風しんの予防接種の目的である先天性風しん症候群の患者は2012年10月~2014年10月の期間中に45例報告されています。

2014年以降風しんの報告数は年間319例、163例、129例、93例と減少していますが、2018年夏には関東地方を中心に報告数が増加しました

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