コロナ禍で子どもの通う幼稚園では園児以外は幼稚園内に入れず、
「子どもが幼稚園でどのように過ごしているのか」
「園内での様子が分からないのは不安」
「コロナ対策は十分なのか」
こんな保護者の声が増えてきたそうです。
そのため幼稚園の始めた試みが『園内の様子を撮影した動画をYouTubeで公開すること』です。
…個人的にはYouTubeで園内の様子を知りたいということはないのですが。
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YouTubeには“URLを知っている人だけが見られる動画の公開方法(限定公開)”があるので、動画をアップしても安全というのが幼稚園の主張。
アップロードする動画のステータスを『限定公開』にすれば、YouTubeやGoogleなどで検索しても表示されません。
そのことから『限定公開』は友人・知人の間だけで共有したい動画をアップロードするときに適した公開方法(ステータス)となっています。
しかし調べてみると、次のような場合は限定公開の動画が第三者に見られてしまうリスクがあることが判明。
- 限定公開の動画をブログやWebサイトに埋め込んでしまった場合
- TwitterなどのSNSで動画URLを共有(シェア)してしまった場合
- 誰でも見られる『公開用再生リスト』にその動画を入れてしまった場合
- 公開者側のミスで動画を公開にしてしまった場合(のちにステータスを限定公開に設定しても検索結果に残る場合がある)
限定公開といっても動画URLそのものに制限がかかっているわけではなく、動画URLを知っている人が限られているというだけです。
動画URLは上の①~③のような普通の行動で制限が解除されてしまいますし、④のような些細なミスでも取返しのつかない事態になる恐れがあります。
過去の被害状況から、公開限定動画のURLが漏れやすいのは②および③です。
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「おじいちゃんたちにLINEで共有して(動画URLを)教えてあげた」
「いつでもすぐに見られるように(公開用)再生リストに入れておいた」
こんな悪意のない行動の結果、動画URLが拡散されて次のようなリスクが生じる可能性があります。
- 第三者に収集・悪用されるリスク
- 性的対象とされて児童ポルノサイトに掲載されてしまう
- 別の写真と組み合わせて悪質なコラージュを作成されてしまう
- 第三者が自分の子どもや孫と騙る(デジタル誘拐)
- 妬みの対象や誹謗中傷されるリスク
- 子どもの自尊心を傷つけたり、将来に影響を及ぼしたりするリスク
幼稚園で撮影された動画のタイトルや中身には幼稚園の名前はもちろん、子どもたちの付けている名札などから個人情報がばんばん流れてしまうリスクがあります。
YouTubeの(公開限定の)機能を使って安全に動画を公開するには、動画を公開する側だけでなく動画を共有する人全員がYouTubeや動画URLの仕組みをしっかりと理解している必要があります。
そのことから、今回幼稚園が園内の動画をYouTubeで配信(公開)するのは大変危険だと私は思うため、幼稚園から配布された動画配信に関する同意書には『同意しない』と回答しました。
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