「ママ、あれ、なにやってるの?」
冬の道で自転車練習中の娘が興味深々に見つめる先は、道路のすみに赤い線で十字が描かれた金属プレートを貼り付ける作業服の2人の男性です。
「境界プレートを埋めているんです」
娘の疑問と返事を窮する私の声に作業員さんの1人が説明してくれました。土地を分筆して、使っていない部分を住宅メーカーに売却するそうです(ご近所さん情報)。
道路を挟んだ向かいは広い庭をもつお宅で、庭に畑を作ったり色々な樹を植えたりしていますが、住民の高齢化により管理が行き届かず荒れて廃れた庭をもて余していたようです。
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こういう家は日本中にあると思います。
現在建築中の分譲地と新築のアパートに接した土地、売れる可能性のある今のうちに分筆して売却するようです。次のことを行うときは一部もしくは全ての境界杭が必要となります。
・土地の売却(譲渡)
・土地の相続
・土地の分筆
(1つの土地を複数の土地に分けること)
・塀などの溝作物を作るとき
土地を購入したときに境界杭の復元が大変だと思い知ったので、我が家ではDIYするときも境界杭には触れないようにしています。我が家の接道(公道)の舗装工事でも境界杭の上は舗装されませんでした。
しかし古い建物はこんなルールが後世できるとは思わず、境界杭の中心線まで攻めて塀を作ったりしています。
先日我が家に隣接するアパートの持ち主の代理人が「アパートを売却するために境界杭を確認させて下さい」とやってきました。自分たちの敷地からでは境界杭の上の十字まで作った塀が邪魔で杭が確認できないというのですなんとも他力本願なやり方です。
土地の分筆では原則として分筆登記を申請する土地全体についての測量が義務づけられています(『全筆求積』)。そのため分筆登記をする前に地積更正登記が必要になるケースもあります(現在登記されている土地の地積と一定以上の差があった場合など)。
土地をどこで分けるかは土地の持ち主が自由に決められますが、分筆後の土地の使い道が限られてしまう可能性があるので注意が必要です。
【了】
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