観測史上最大クラスの太陽フレアが発生

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地上から見る限りでは分かりませんが、2017年9月6日に大規模な太陽フレアが二度発生しました。

太陽フレアの影響で太陽風が乱れたことで、9月8日15時頃に通信に影響が出る可能性が示唆されています。

今回は太陽フレアについて。

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太陽フレアとその規模

「太陽フレア」とは

「太陽フレア」は太陽で発生している爆発現象です。

小規模なものは1日3回ほど発生しているようですが、今回のような大規模なフレアは約11年ぶりだそうです。

ちなみに、小規模なフレアでも爆発現象としては太陽系で最大規模です。

太陽フレアの規模とは?

太陽フレアの規模はX線強度による等級で表示されます。

低い方からA、B、C、M、Xの5等級、各等級は1~10未満の強度で区分されます。

1つ等級があがると規模は10倍大きくなります。

今回の太陽フレアの規模は

 1回目(9月6日18時頃発生) X2.2

 2回目(9月6日21時頃発生) X9.3

Xクラスのフレアの強度が9を超えたのは11年ぶりだそうです。

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太陽フレアの「何が」問題なのか

フレアが発生すると多くのX線、γ(ガンマ)線さらに高エネルギー荷電粒子が発生します。

さらに太陽コロナ中の様々な物質が惑星間空間に放出されます(=CME)。

X線およびガンマ線の影響

地球の磁気圏内(高度約6万km以内)にいれば、太陽フレアによって発生したX線やガンマ線を「人体に影響を与えるレベル」で被爆することはありません。

これは地球の磁気などが防御したからであって、地球磁気圏外では人の致死量を超える被爆もあり得ます。

高エネルギー荷電粒子の影響

高エネルギー荷電粒子は、デリンジャー現象(通信障害)、磁気嵐、オーロラが発生する要因となります。

デリンジャー現象が発生すると、衛星や無線通信に悪影響があります。

太陽コロナ質量放出(CME)

太陽フレアはおおきな太陽のあちこちで発生していて、その影響である太陽コロナ質量放出(CME)が全て地球に来るとは限りません。

ただ、今回の太陽フレアのCMEは地球にきます。

予測では、CMEによる太陽風の乱れは9月8日の夜に地球に到達するようです(日本時間)。

太陽風が乱れると、

 ・磁場嵐が起きる

 ・オーロラの活動が活発になる

太陽風の影響で見られるオーロラは、カナダや北欧で見られる「高緯度オーロラ」とは違う「低緯度オーロラ」で日本(北海道)でも見ることができます。

北海道では実際に2014年、2015年に低緯度オーロラが観測されています。

低緯度オーロラは赤いことが多いのが特徴です。

そのため古い史書では「赤気」「紅気」と表現されています(推古天皇、天武天皇の時代に見られた記録あり)。

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太陽コロナ、国民生活に影響はある?

太陽フレアにより太陽嵐(磁気嵐)が起きると、電気系統が混乱する可能性があります。

日本で実際に起きた例では、9時間にもわたる長い停電が起きたころがあるそうです。

全米科学アカデミーの報告書(2008年)によると、強力な誘導電流により高圧変圧器が破壊(融解)された場合は電力網が停止し、完全復旧には4~10年かかってしまう可能性があるそうです。

世界規模で高圧変圧器が破壊された場合は全ての生産が停止、文明が19世紀初頭に戻るとも予想されているそうです。

影響を受けやすいのは、通信ケーブル・放送・携帯電話などの脆弱な電機・電子系統。

宇宙空間にある通信衛星・GPS・気象衛星・偵察衛星などは破壊される可能性が高く、破壊されると衛星からの情報が得られず天気なナビ情報など様々な不便が予想されます。

現在の私たちの生活は衛星からの情報にかなり依存しているので、太陽フレアによる影響はあるといえます。

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