春の嵐が最大級の暴風と言われ、今年長持ちしていた桜ももう散ってしまいそうです。
桜の名所は日本各地にあり、3月~5月の日本は日本のあちこちで「桜が満開」と言われています。
今回は桜の種類の1つ、「ソメイヨシノ」について。
ソメイヨシノについて
観賞用の桜の代表種である「ソメイヨシノ(染井吉野)」は江戸彼岸系の桜と大島桜の雑種の交配で生まれた園芸品種です。
テレビなどで「桜が咲いた」と報道される「桜」は、気象庁が定める特定のソメイヨシノの株の花が咲いたこと意味しています。
ソメイヨシノ誕生には諸説ある
① 人工作出
② 王桜起源説(韓国起源説)
③ 自然発生説・伊豆半島説
④ 独立説
これら諸説に対し、遺伝子研究が行われて②~④はほぼ否定されているそうです。
ソメイヨシノは全て1本の木のクローン
ソメイヨシノは日本中にありますが、これら日本中のソメイヨシノは最初に交雑してできた1本の木を始源とするクローンであることが最近の遺伝子研究で分かっているそうです。
クローンだと困る理由がある
ソメイヨシノの生物学的弱点は他の桜全般と同じですが、全個体がクローンであるためソメイヨシノが新しい病気等の耐性を手に入れる可能性は低いです。
その為、ソメイヨシノは他の品種に比べて寿命が短くなる恐れがあるというのが一般論です。
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「ソメイヨシノ60年寿命説」がある
「太くなる木は寿命がない」と考えられていて、実際に山桜や江戸彼岸桜には樹齢数百年になる古木が存在しています。
しかしソメイヨシノには古木が少ない。
誕生が比較的最近な可能性もありますが、それを考慮しても野生種(山桜や江戸彼岸桜)と比べると高齢の木がとても少ないです。
ソメイヨシノの古木が少ない理由として、
・成長が早いので老化も早い
・街路樹として利用される場合は傷みやすい(排気ガスや根本の舗装)
・公園や街路樹など株の周辺の土が踏み荒らされやすい
桜の樹勢の衰えが目立ち始めた
ソメイヨシノは全てがクローンなので、一株だけが病気や環境変化に負けて枯れてしまうことはありません。
そのため植樹された時期が同じならば、同じ頃に老衰することも予測されています。
実際に21世紀に入って桜の樹勢の衰えが目立つようになり、戦後に大量に植樹されたソメイヨシノは寿命を迎えつつあることが危惧されています。
ソメイヨシノを保護する取り組み
青森県の弘前城には樹齢130年を超えるソメイヨシノの古木があり、弘前市ではリンゴの木の剪定技術をソメイヨシノの剪定に応用するなどして樹勢回復に取り組み成功してきました。
他にも東京都の小石川植物園や、神奈川県秦野市の小学校には、樹齢100年を超えるソメイヨシノの古木が存在しているそうです。
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日本人にとって「桜=大切なもの」
日本に国家はありませんが、桜は国家のように扱われています。
外務省では桜を日本の花と強く考えており、その影響か米国は「桜」のことを「sakura」と、「チェリーブロッサム」ではなく日本語名で呼ぶことが多くなっているそうです。
また桜は警察や自衛隊の紋章、貨幣のデザインにも使われます。
東日本大震災でも桜は震災復興のイメージとして東北で被災した人たちを励まし続けました。
これらから、日本では大切なものに桜を登用する傾向がわかります。
桜に対する思い入れは日本人にとってとても深いものです。
「ソメイヨシノの寿命60年説」は日本人の心の支えとなる桜を失うことに危惧さえ抱かれています。
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