[su_label]加筆修正 2022年2月4日[/su_label]
日本の昔話には『鬼』が良く出てきます。
鬼は一般に「人に危害を加え、人を食べてしまう存在」と言われ、男の鬼は「〇〇童子」と名付けられるなどして日本の各地には鬼の伝説がたくさんあります。
伝説の鬼の多くが独りぼっちです。
それは怨念や妄執で人が鬼に変わったからで、鬼の家族というのは絵本の中くらいの設定です。
さらに「他と見た目が異なる」という理由で鬼と呼ばれて迫害され山に隠れ住んでいたこともあったといわれています(白人説がある)。
一説では、村を守った鬼に感謝する伝説の「鬼」は迫害を受けてきた人とも言われているようです。
関東で唯一、鬼を祀る神社『鬼鎮神社』
神社というと「神様を祀る」イメージがありますが、鬼を祀る珍しい神社が日本に4つあります。
・鬼神社(青森県弘前市)
・鬼鎮神社(埼玉県嵐山町)
・天満社鬼神社(大分県大分市)
・鬼神社(福岡県豊前市)
鬼に感謝を示す神社もあれば、鬼に対する畏怖の念から作られた神社もあるようです。
鬼鎮神社は鎌倉時代初期の武将・畠山重忠の館である菅谷館(「菅谷城」ということもある)の鬼門を封じるために創建されたという説があります。
鬼神社の節分
鬼鎮神社の節分祭では「鬼は外、福は内」ではなく、「福は内、鬼は内、悪魔外」というそうです。
「悪魔」というと洋風なイメージがありますが、「鬼は悪いものではなく、悪魔が悪いもの」と区別しているようです。
鬼鎮神社の祈祷には「悪魔除」がありました。
鬼鎮神社の御利益
鬼鎮神社の御利益は勝負運アップ、それも人生を左右するような勝負事に力を授けてくれるようです。
そのため「必勝」「合格」だけでなく、「訴訟勝利」という一風変わった祈願を受け付けていました。
また、鬼絡みで金棒型のお守りが売られていました(700円也)。
鬼鎮神社に残る哀しい伝説
鬼鎮神社には「鬼になってしまった男を祀った」という説もあります。
あるとき、川島にいた鍛冶屋に「刀を作りたい」と訊ねてきた男がいて、男はとても熱心に刀作りに精を出しました。
鍛冶屋には美しい娘がおり、若い男は娘を嫁に欲しいと主である鍛冶屋に願い出ました。
主は「刀を一晩に100本作ったら嫁にやろう」と約束し、若い男は約束の夜に刀を打ち始め、みるみるうちに刀を完成させていったそうです。
夜も更けたころ、若い男の様子を見るためにのぞいた主は、山と積まれた刀と、鋭い目をし頭に角を生やして刀を作る”鬼”に驚きます。
「あの鬼に可愛い娘をくれられるものか」
主は鶏を鳴かせて夜明けだと知らせましたが、鬼になった男はまだ刀を打ち続けます。
やがて空が明るくなり夜が明け、男は刀を打つ鎚を握ったまま死んでいたそうです。
完成した刀は99本。
男を気の毒に思った主は、鬼鎮様という宮に男の亡骸を祀ったそうです。
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鬼とは「恐怖が具現化したもの」
鬼とは民話や郷土信仰に登場する妖怪ですが、鬼鎮神社のように執着や妄執がきっかけに鬼になることがあります。
鬼には男と女がいますが、男の鬼としては酒呑童子のように「大柄な体、乱暴者」というイメージがあります。
一方で、女の鬼は嫉妬や怨念によって女性が鬼女に変った話が多いです。
能の題材になった三人の鬼女
・葵上(源氏物語 葵の巻を題材にしたもの)
・黒塚または安達ケ原 (安達ケ原の鬼婆伝説がもと)
・道成寺 (安珍清姫伝説を題材にしたもの)
どちらかというとそれは”鬼女”の方が多い印象も。
代表的なのが『葵上』の六条御息所、嫉妬に狂って鬼となり葵の上を呪い殺そうとするなど嫉妬や怨念の心に占められた人間が鬼になるという話もあります。
蘆山寺(京都)の鬼踊り
嫉妬、怨念、執着、妄執、「鬼に変わるきっかけ」は誰もが持ち合わせています。
人の負の感情が鬼となる、そんな鬼を祓う節分の神事があります。
式部の邸宅跡として知られる京都の廬山寺(京都市上京区)では節分の時期になると境内に舞台を特設し、邪気を追い払って開運を迎える「鬼おどり」が行われます。
鬼おどりは平安時代に寺を創建した元三大師・良源が、宮中で約300日の護摩供をしていたときに出現した鬼を退治した故事に由来する。
舞台には「貪欲」「怒り」「愚痴」を具現化した赤、青、黒の鬼が姿を現して独特の足踏みのおどりを披露します。
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悪い気を祓って良い気を招く
誰かを妬んだり、何もかもが嫌になったり、負の気(悪い気)が積み重なると、鬼とまではいかなくても、イヤな人間になってしまいます。
そうなる前に気分転換。
悪い気を祓って良い気を招くようにします。
・玄関をきれいにする
・鏡をキレイにする
・窓を開けて空気を入れ替える
・カーテン等を開けて部屋の中に陽の光を入れる
最近運が良くないなど感じる人はぜひ試してみて下さい。
鬼になるのが意外に簡単ならば、リフレッシュする方法も意外に簡単です。
[su_label]ー この記事はここで終わりです -[/su_label]
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