庭のバラの新芽が出てきました。
今年の冬は極端に雨が少なく水不足を懸念しましたが、特に影響なく新芽を出し始めたバラたち。
バラは本当に強い植物です。
さて、バラの新芽や若葉は赤色が強い緑色で、成長すると深い緑色に変化します。
出てきたばかりの若い茎や葉は『アントシアニン』という赤い色素の影響を受けているからです。
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『クロロフィル』の影響で葉は緑色
葉が緑色なのは緑色の色素『クロロフィル』の影響です。
クロロフィルは葉の細胞の中にある葉緑体にあり、葉緑体は植物が光合成をする重要な場所です。
光合成とは太陽光の力で植物自身が生きるために必要な栄養を作り出す化学反応で(水が必要)、植物が生きるのには太陽光が必要にあたる必要があります。
しかし、葉緑体に必要以上に強い太陽光が当たると葉緑体で活性酸素が生まれてしまいます。
活性酸素は人体においてエイジング(老化)の原因物質と知られているように、植物の中であっても悪い影響があります。
具体的には葉緑体の光合成機能を破壊してしまいます。
植物にとっては命の危険です。
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『アントシアニン』で葉緑体を守る
抗酸化作用のある赤色の色素『アントシアニン』には葉緑体を守る効果があります。
アントシアニンは糖を原料にして植物の体内で作られ、細胞の中の『液胞』に含まれます。
液胞とは細胞膜の内部を満たす液体で(水風船のような感じ)、葉緑体は液胞に包み込まれているため液胞のアントシアニン含有量が増えれば葉緑体がよい守られるようになります。
葉の細胞が成長すると葉緑体の機能も高まり、「活性酸素を生じない」「生じた活性酸素を直ちに消去する」などの太陽光の悪影響を防ぐ機能をもつようになります。
アントシアニンに守ってもらう必要がなくなると液胞のアントシアニンの含有量が減少し、その結果、葉緑体のクロロフィルが目立って緑色になります。
アントシアニンを豊富に含むブルーベリーをもとにしたサプリメントにはアンチエイジング効果があります。
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枯れるとき葉が黄色・赤色になるメカニズム
成長した葉には前述した『クロロフィル』(緑色の色素)の他に、『カロテノイド』という黄色系の色素が含まれています。
基本的に葉の中のクロロフィルの量に比べるとカロテノイドの量は少ないので葉は緑色となります(葉の色の黄味が植物の種類や日当たり等で変わるのはこのふたつの含有量差が原因にないます)。
気温が下がると葉緑体の働きが鈍り、活性酸素によりクロロフィルが破壊され始め、クロロフィルが減ることでカロテノイドが目立って黄色くなります。
また、植物は気温が下がると葉を切り捨てる準備を始めます。
具体的には葉柄の付け根にコルク質の離層(組織)を作り、水や栄養(糖)を葉の方に行かないようにします。
黄色くなっても葉には葉緑体が残っており、離層が作られてしまうと作られた糖が葉に溜まってしまいます。この糖がアントシアニンを作るため葉は赤く見えるようになります。
離層はいわば部分枯死、離層が切り離されて落葉します。
まとめ
バラの新芽や若葉が赤いのは『アントシアニン』の影響で、アントシアニンには抗酸化作用があり、葉緑体を酸化酵素から守ることができます。
このアントシアニンの抗酸化作用はアンチエイジング(老化防止)のためのサプリメントでも利用されています。
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