ロタワクチンの予防接種定期化(2020年8月以降生まれた乳児が対象)

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2020年10月からロタワクチンの予防接種を定期化】することを厚生労働省が発表しました。定期化されることで対象の乳幼児はロタワクチンを無料で接種することができるようになります(2020年8月以降生まれた乳幼児が対象)。

生まれ年月によって摂取したワクチンの種類が異なります。我が家の次女はB型肝炎ワクチンを接種していますが、長女の時は定期接種じゃなかったのでB型肝炎ワクチンの接種をしていません。

生まれたときの健康状態や予防接種記録は幼稚園への入園時に記入しました。今後も、小中高へ入学時や将来留学するときなどに予防接種記録や既往歴を記入することがあります。記憶は曖昧になるので必ず記録となる母子手帳はしっかり保管するようにします。

ロタワクチンは乳児の5人に3人が接種している

ロタワクチンは生後2ヶ月~14週6日までの間に接種しないといけない(初回)ので「ロタワクチンの予防接種をするかどうか」は生まれて直ぐに考えなければいけません。

ロタワクチンの接種率は約60%、地域によって30~80%と接種率に偏りがあります。ロタワクチンにはメリット・デメリットがあるので接種するかどうかはママとパパでしっかり話し合って決めなければいけません。また、子どものアレルギー※や患っている疾患によってはロタワクチンの接種が出来ない可能性があるので予防接種前に必ず主治医に相談するようにします。

※接種液に含まれる成分によってアナフィラキシーを起こすケースがある(発汗、顔面の膨張、蕁麻疹、吐き気・嘔吐、息が苦しい、声が出ない等)

5歳未満の子どもはロタウイルスに100%感染する

発展途上国に限らず日本でも5歳未満の子どもは100%ロタウイルスに感染します。問題は感染した後に感染症を発症するかどうかです。

ロタウイルスに感染しても必要な免疫力があれば体内でウイルスが増殖せずに発症することはありません。ロタワクチンを接種しておくと既に体内に抗体※がある状態なので感染症が発症する可能性がかなり低くなります(100%防げるわけではない点に注意)。

※ロタワクチンから得られる抗体は対ロタウイルスの専用武器なので攻撃力が高い。

ロタウイルス感染症は胃腸の炎症で、急激な嘔吐と水っぽい下痢が一般的な症状です(罹患者の3~5割が発熱を起こす)。嘔吐・下痢による脱水や痙攣、腎不全や脳炎・脳症などの合併症を起こすと入院治療が必要になります。

ロタウイルス感染症により世界中で5歳未満の子どもが年間約50万人死亡しています。その80%以上が栄養が不足しがちで抵抗力が低い発展途上国の5歳未満の子どもです(先進国の死亡例は少ない)。

ロタワクチンの接種費用は20,000~30,000円

ロタワクチンには『ロタリックス』(GSK)と『ロタテック』(MSD)の2種類があります。どちらも経口接種するタイプのワクチンで、ロタリックスの場合は2回接種、ロタテックの場合は3回接種が必要です。

ロタワクチンの接種費用(平均)はロタリックスの場合は30,000円(15,000円×2回)、ロタテックの場合は27,000円(9,000円×3回)です。定期接種化されると自治体の補助があるため自己負担は0円になります

原則は2回目や3回目も同じ製剤の接種ですが、里帰り出産などで接種体制の異なる自治体に移動する場合などは例外となります。

ロタワクチンには副反応がある(腸重積のリスクに要注意)

ロタワクチンの予防接種は体内にウイルス※を投与することで免疫をつくり、感染を防ぐ方法です。そのため、ワクチン接種後はロタウイルスに感染した時と同じような症状(副反応。軽症がほとんど)が出る場合があります。接種後数日間は副反応に注意する必要があります(特に腸重積の症状)。

※ 経口接種するワクチンは弱毒化してある

副反応の例として最も多いのは下痢。その他に嘔吐・咳・食欲不振・発熱といった症状がみられますが、腸重積の症状(腹痛・嘔吐・お腹の張り・血便など)には特に注意します。

ロタワクチンを接種すると腸重積のリスクが高まります

小児の腸重積症は小腸の端にある回腸が大腸側に入り込んで腸管が閉塞してしまう病気で、腹痛・嘔吐・お腹の張り・血便などの症状があります。腸重積は早急に治療を開始しないと命に関わるため、万が一ロタウイルス予防接種後におむつに血便がみられたら、そのおむつを持参して小児科します。

副反応(特に腸重積のリスク)のデメリットのためロタワクチンの接種をしない家庭も多くありますが、定期接種化したので保護者は必ず数日間は副反応の症状に注視する必要があります。医療機関を受診する場合は必ずロタワクチンの接種をしたことを告げましょう

ロタワクチンの定期接種化で予防接種の計画は複雑化

「いつ・どのワクチンを接種するか」といった予防接種の計画はママやパパが個別に立てなければいけません。NIID国立感染症研究所が公開している予防接種スケジュール等を参考にして計画を立てます。

予防接種スケジュール|NIID国立感染症研究所

スケジュールを立てるのが難しい場合は主治医や各自治体の担当課に相談すると良いです。予防接種記録は母子手帳の他にスマホアプリで管理することもできます。

他のワクチンとは違いロタワクチンには接種期限があります。ロタワクチンの接種を希望する乳児は接種期限に合わせて計画を立てなければいけません(2020年8月以降に誕生の子は全員対象)。

ロタワクチン①『ロタリックス』の接種期間

生後2ヶ月から生後14週6日(104日)までに1回目をすませ、1回目から4週間あけて生後24週(168日)までに2回目をすませる。

ロタワクチン②『ロタテック』の接種期間

生後2ヶ月から生後14週6日(104日)まで1回目をすませ、生後32週(224日)までに2回目と3回目をすませる。1回目と2回目の間、2回目と3回目の間はそれぞれ4週間の間隔をあける。

予防接種計画を立てるときは生(活化)と不活化の違いに注意

予防接種で使うワクチンには「生ワクチン(活化ワクチン)」と「不活化ワクチン」があります。生ワクチンは毒性を弱めた細菌やワクチンを接種するタイプ(天然物)で、不活化は免疫を作るのに必要な成分を摂取するタイプ(人工物)です。

生ワクチンを接種すると体内でその細菌やウイルスが増殖して病気を発症させます(弱毒性なので症状は無いまたは軽度)。その病気が治ればその体には抗体ができるので、今後その病気にかかる可能性を軽減します(万が一かかっても軽症ですむ)。

体内で細菌やウイルスを増殖させるのに時間がかかるため、生ワクチンを接種して次の接種を受けるには4週間の間隔をあけます(生ワクチンを接種した日の翌日から起算して27日以上)。

一方で不活化ワクチンは細菌やウイルスを増殖させる必要はないので、不活化ワクチンを接種して次の接種を受けるには1週間の間隔をあけます(不活化ワクチンを接種した日の翌日から起算して6日以上)。

但し、不活化ワクチンは数回接種が必要で、一定の間隔で2~3回接種して基礎免疫を作ってから、その1年後に追加接種をして十分な免疫をつけるやり方になります。

生後2ヶ月~3ヶ月から始まる予防接種で2020年2月の段階で定期接種なものはB型肝炎・Hib感染症・小児肺炎球菌のワクチンです。この3つは不活化ワクチンで、同時接種もできることから比較的計画が立てやすいです。しかし、ロタウイルスは生ワクチンなので接種する場合は接種計画の初っ端に大きな影響を与えます。

予防接種は計画よりも当日の子どもの体調を優先する

予防接種当日は子どもが健康(通常通り)である必要があります。重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな場合はもちろん、基本的には37.5℃以上の発熱があると予防接種をすることができません

ロタワクチンは接種期限があるので、当日接種できない場合は主治医や自治体の担当課に相談して別の日を設定するようにします。手間がかかりますが子どもの健康第一で!

また急な副反応が起きる場合に供えて、予防接種を受けた後は30分程度その医療機関に留まり様子を観察するようにします。

急でなくても副反応は生ワクチンの場合は4週間以内に、不活化ワクチンの場合は1週間以内に出現する可能性があるので注意が必要です(体調の変化や異常な反応があった場合は速やかに医療機関を受診)。

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