我が家にはテレビ、コンポ、電話、インターネットのルーター、ありとあらゆる通信系をまとめておいている240cmの長いローボードがあります。
長いですがキャスターが付いているので1年に1回、30cmほど前進させて掃除しています。ホコリが貯まらない様に小まめにボードの上を掃除しても(ブラックなのでホコリが目立つ)、裏側や床にはホコリ、ホコリ、ホコリです。
ここに通信系をまとめるのは間取りを決める段階で決めていたので、ここにはコンセントタップを8口用意しました。「たこ足配線は危ない」という認識があったからです。
テレビと録画機器を除く全てのコンセントを抜いて掃除機をかけます。「チリも積もれば山となる」を痛感する一瞬です。目立ったホコリはないのに、ダイソンのハンディクリーナーの中にはホコリが溜まっていきました。
さすがダイソン!大きな音をたてるのが難点ですが(二子がビビる)、ホコリをばっちり吸い取ってくれたようです。
電気製品(家電製品)やコンセント周辺は電気が通っているので、常に火災を起こす危険性があります。今回はキレイにしておかないといけない理由をまとめました。
冬はコンセント周辺を小まめに掃除しよう!
室内の火災で注意したいのが暖房機器による火事とコンセント周辺からの発火です。特に、コンセント周辺からの発火は無人のときでも発生するので、初期消火ができないこともあり大きな火災に発展することがあります。
コンセント周辺からの発火の原因は主に「抜けかけ」と「堆積したホコリ」です。冬の家の中は布製品の使用量が増え、それに比例して堆積するホコリの量も増えるので要注意です。
プラグとコンセントの間に堆積したホコリが湿気を含むと、 電源プラグの2本の刃の間で火花放電が繰り返されます。その熱でコンセントに接するゴムやプラスチックの部分が焦げると、刃と刃の間に「トラック」と呼ばれる電気の道ができ放電をおこします。これが”トラッキング現象”の原理です。
抜けかけたコンセントの場合、熱で焦げたホコリが2つの刃をつなぎ放電が起きます。これもトラッキング現象と言えます。
- コンセント口に溜まったホコリは取る
- キッチンや洗面所など湿度が比較的高いところで差しっ放しになっているコンセントは定期的に抜いて乾いた布で水分を取り除くなどして乾かす
- 異常に熱くなった電源プラグ、テーブルタップ、コードはすぐに使用をやめる(再度使用するときは電器屋さんなどで安全性をチェック)
たこ足配線しているコンセントは抜けやすいので要注意です。さらにたこ足配線をしている場合、コンセントの定格以上に電力の使う過電流の可能性もあるので注意しましょう。過電流で使用していると発熱量は流れる電気の2乗で発生、トラッキング現象が起こりやすくなります。
”コードやケーブルのまとめ過ぎ”には要注意
コンセント周辺の掃除をしたら絡まったコードやケーブルが気になりますよね?コードをまとめるときは折れ曲がりや断線に気を付けます。コンパクトにしようとして、コードをギュッと強くまとめてはいけません。
コードは電気が通っているので、手で触れて感じなくても放熱しています。
コードを束ねると放熱する効率が著しく下がり、コードの中に熱をため込みます。ため込んだ熱が大きすぎるとコードを覆っている樹脂のカバーを溶かしてしまい、中の金属の線(心線)を露出させてしまいます。複数の心線が直接触れ合うとショート(短絡)を起こし、ショートが起きると火花が散るなど大きな熱が放出され、可燃物に着火して火災が起きる危険性があります。
参考:配線器具Q&A(JEWA:日本配線システム工業会公式サイト)
湿度50%以下は燃え広がるのが速い
乾燥しやすい埼玉県では、特に加湿していない室内の湿度は10~30%です。
調湿効果のある無垢床、漆喰、珪藻土を床や壁に使用している場合は比較して10%ほど湿度が上がりますが、湿度が50%を下回る状態で火災が発生すると延焼する速度が速く初期消火が難しいです。
乾燥していてもそれは空気中のことであり、ホコリは十分な湿気を含んでいます(ホコリは一度吸湿したら乾燥しにくい)。
”発火条件は整っていて延焼しやすい”という大きな火災につながる条件は整っているので大掃除では一度コンセントを抜いてプラグ周辺を乾いた布で拭くなどし、さらに電気機器の使用場所や使用方法を見直しましょう。触ったときに異常に熱かったプラグ等は内部が溶けている可能性もあるので特に注意しましょう(安全性の判断は近所の電器屋さんに依頼するようにしましょう)。
挿しっ放しのコンセントも、大掃除を機に徹底掃除し、コンセントの形状が変化していないかなどをチェックしてから、しっかりと挿し込むようにしましょう。
屋外の電源やコードもしっかりとチェック
屋外で使用している電源やコード・ケーブルは室内以上に防水や防塵の機能がしっかりとついています。
しかし、それは家を建てたときに標準で付いていたしっかりとしたメーカーのものに限りです。あとから足した電気製品、例えばネット通販で買った照明器具、は安全性がきちんと保証されていないものもあるので要注意です。コンセントやコードが異常に熱い場合は使用をやめましょう(再度使用する場合は近所の電器屋さんで安全性の判断をしてもらいましょう) 。
埼玉県の冬はたびたび自治体から火災警報が発令されることがあります。関東の冬はとても乾燥しているからです。屋外の火災の危険性の判断については”実効湿度”が1つのポイントになります。
実効湿度(じっこうしつど)とは、過去数日間の湿度履歴を考慮した湿度のことで、木材の乾燥度を示します。実効湿度が60%以下になると火災の件数が増加する、50%以下になるとマッチ1本で柱に火がつくと言われています。
実効湿度や風速などの気象状況により火災の危険性が認められるときは、都道府県知事に対して”火災気象通報”が行われます。各自治体ではこれを基礎として火災警報の発令の必要性を判断します。火災警報の発令基準は以下の通りです。
- 実効湿度60%以下・最小湿度35%以下になる見込み、かつ、最大風速15mを超える見込みのとき
- 風速10mの風が1時間以上連続して吹く見込みのとき(降雨・降雪中は別に判断)
- 上の2つ以外の要因で危険だと感じられたとき
小さなほこり1つでも、電気の熱があれば十分火災を起こせます。大掃除を機に屋内・屋外ともに電気機器およびコンセント周辺の安全性を確認するようにしましょう。
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