『そこをなんとか』は弁護士マンガです。’12年と’14年にはNHKでドラマ化されました。
少年誌や青年誌に掲載されていた男性向けの弁護士マンガは多いですが、女性誌で掲載されている弁護士マンガは珍しいです。離婚調停や特許紛争など1冊に4~6つの法律ネタが収録されています。
”弁護士”や”法律”というと堅苦しいイメージがありますが、マンガの中で紹介されるのは普通の日常生活で法律がどのように関わるかを紹介しているので面白く、ダラダラと読み続けて今にいたっています。
▽’18年1月に最新刊が発売
弁護士を志したこともなく30代半ばになるまで司法制度の世話になっていないため知りませんでしたが、’99年に司法制度が変わり日本も国民に十分な司法サービスを提供するための改革を始めました。
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日本の司法制度については「裁判期間が長い」「弁護士費用は高い」「国や自治体を訴えてもむだ」という定説がありアメリカのように弁護士や裁判文化が浸透していない
’06年には全国に司法に関する相談窓口である『法テラス(日本司法支援センター)』が設置され、弁護士や法律は私たちにとって身近なものになりました。法テラスは法務省所管の公的な法人で、トラブルの解決に役立つ情報を、弁護士の紹介などを始めとして無料で提供しています。
先日旦那さんとの離婚が決まった知人(40代)は法テラスを利用し、離婚の同意に至りました(旦那さんが離婚を拒んだため裁判外紛争解決手段を講じ、裁判一歩手前まで行ったようですが)。
困ったから弁護士に相談するという日本人はまだ少ないです。弁護士の数が少ないのもその理由の1つですが、新司法試験が導入されたこともあり最近は弁護士の数(弁護士資格を持つ人の数)が急増しています。
旧試験の合格率は3%(東大出身者でも約7%)でしたが、新司法試験により合格率は約25%に拡大しました。司法試験の受験者数は年間約8千人いるので、毎年弁護士が2千人ずつ増えていることになります。
この急増に耐えられなかったのが弁護士の受け皿となる弁護士事務所です。急増した弁護士の数に受け皿が間に合わず、就職難の弁護士が増えています。
『そこをなんとか』の主人公・改正楽子(かいせいらくこ)も就職難民でしたが、運よくバイト時代(キャバ嬢時代)のコネを利用して小さな弁護士事務所に就職します。ほんわかとした所長とクールな兄弁に囲まれ、楽子の弁護士としての失敗談や成功談がコミックには収録されています。
【了】
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