来年10月に消費税率が10%になることが発表されました。
発表された15日の夜のニュース、「報道ステーション」(テレビ朝日、15日PM9:54~)、「NEWS23」(TBS、16日AM0:00~)、「WBS」(テレビ東京、PM11:15~)の内容をまとめてみました。
2019年10月に消費税が10%に増税【予定】
2019年10月に消費税率が8%から10%に引き上げられることが、2018年10月15日午後の臨時閣議で表明され、駆け込み需要と反動減を抑えるための経済対策が関係閣僚に指示されました。
今まで2度先送りしてきましたが、今回は本当に増税しそうです(確定ではない)。
駆け込み需要と反動減については前回の増税(5→8%)のときに次のようなことが起きました。
- 2014年1-3月期(増税前) 個人消費+1.9%
- 2014年4-6月期(増税後) 個人消費-4.6%
キャッシュレス決済による2%還元に注目集まる
ー あらゆる政策を総動員し、経済に影響を及ばさないように全力で対応する ー
今回の増税により経済に影響を及ば差ないために、次の3つの施策が主な柱として注目されています。
- 自動車・住宅など大型消費財の減税
- 食料品などに対する軽減税率の導入
- キャッシュレス決済による2%還元
軽減税率の導入による新しいレジのシステムなど、税率10%に向けて新しいシステムを販売する側は準備を始めていますが、導入する側は2度先送りした過去もあって81.2%の中小企業は未だ準備に取り掛かっていない状態です(日本商工会議所調べ、2018年夏)。
キャッシュレス決済による2%還元とは?
<中小小売店のキャッシュレス決済時に国が増税分の2%をポイント還元する(増税分を相殺)>という仕組みです。キャッシュレス決済とはクレジットカードやスマートフォンなどを利用した決済方法を指します。
※対象事業者やその規模、還元期間については未定
▽事業用グッズはTSUTAYAで買うことが多いのでYahoo!カード
キャッシュレス推進協議会が発足
これに併せて経済産業省の音頭で『一般社団法人 キャッシュレス推進協議会』を発足、「キャッシュレス化の推進によって消費の喚起・国内経済の活性化がはかられる」(三菱伊勢丹HD特別顧問・石塚氏の発言)と考えられています。
日本では他国に比べて現金決済の割合が大きく、キャッシュレス決済の割合はトップである韓国の89.1%に比べて日本は僅か18.4%に留まっています。(経産省「キャッシュレスビジョン18年4月」より)。政府は2025年までにキャッシュレス決済の比率40%を目指しています。
キャッシュレス化を進めることにより、税収や投資需要を増やすのが政府の狙いと考えられています。
- 現金決済は脱税される要素がある(機械化されて記録が残れば脱税できない)
- 決済端末など中小企業の設備投資により経済が活性化される
▽シェル電気も使ってガソリン代が10円/L割引
キャッシュレス決済の普及に不安視
キャッシュレス推進協議会の参加者には、「2%還元がキャッシュレス決済の普及につながる(キャッシュレス推進への追い風になる)」と考えている人が多いですが、この案については同じ与党である公明党や野党全体から批判も出ています。
カードを作らなくてはいけない。(低所得者には)現金で給付金またはプレミアム商品券みたいな形にするのか。 (公明党・石田政調会長)
年金生活者がカード決済に慣れていない。彼らに無理やりカードを作らせるのか。全く暮らしの足元を見ていない。 (立憲民主党・枝野代表)
客層によって対応を変えるのは当たり前?
商売は相手を見てするのが基本です。小売店は客層を見て設備投資する価値があるかどうかを決めればいいと思います…けどね、私は。
客層を無視した商売をすれば何をしたって上手くいきませんよね。
置き去りにされる方が悪いという考えも必要
クレジットカードやスマートフォンをもたない低所得者や高齢者が制度から置き去りにされる懸念もがあります。公明党や野党の反対理由はここです。
でも私は「置いて行かれる方が悪い」というのが正直なところです(低所得者層は既に税制等で優遇を受けているし)。何で改革したいのに、出来ない人に全て合わていっつも物事を滞留させるのかがさっぱり分かりません。
頑張って便利な世の中を作ろうと新しいシステムを作って、大多数が便利だと言って導入しているならそっちに注目すればいいのです。「できない」を理由にやらない人に合わせるほどのムダはないと私は思います。
- 現金払いの方が気持ちがいい
- カードはいつの間にかお金が減っている感じ
…知らんがな(ーー;)
▽ポイント還元の良い楽天カードで家計の9割を支払ってポイント大量ゲット
経済、特に個人消費への影響
個人消費は落ち込む見込です。
現在の個人消費は2014年に8%に税率を引き上げる前にも戻っていないので、10%に増税されたあとは更に落ち込み回復にはより長い時間がかかると推測されています。
若い子育て世代と定年後60代に注目
前回の増税で一番影響を受けた世帯は「若い子育て世帯」と「定年後の60代」で、ここが消費を大きく減らしました。今回の増税ではこの2つの世帯・世代が影響を受けない施策が大切とさえています。
前回の増税時よりも負担軽減策が大きい
野村証券の研究員の見解では、日本銀行の調べでは2019年10月の増税は前回の増税ほど影響を受けないという試算が出ているようです(5→8%のときは家計への負担が全体で8兆円増だったが、今回は2.2兆円に留まると推測)。
今回の負担が約4分の1に軽減されると考えられるのは次の対策の違いです。
前回の負担軽減策は給付措置等で約7,000億円、住宅ローン減税等で2,000億円です。一方で、今回は軽減税率1兆円、教育無償化1.4兆円、支援給付金等5,000億円、年金額改定6,000億円の負担軽減策があります
今後の課題は「高齢者の負担」と「所得の向上」があげられます。
スポンサードリンク
コメント