2018年10月9日に経団連が2021年春入社以降の新卒者から就職・採用活動のルールを廃止することを正式に発表しました。
あのルールは1953年から形を変えつつも存在したそうで、私も経験しました。あれがあって助かるところもあれば、あのルールがあるせいで就職活動が画一化されて企業の個性などは一切なくなっていたと今なら感じます。
今回はこのニュースについて持論をまとめてみました。
就職・採用活動のルールが廃止
経団連は就職・採用活動のルールを廃止することを会長・副会長会議で正式に決定しました。ルール廃止は2021年春入社以降の新卒者が対象です(現在大学2年生)。
経団連・中西会長は「経団連が策定していくことではなく、政府の方でもいろいろと問題提起を受け止めていろんな議論をしていく方向が出ている。未来投資会議がその場になっていく」とコメントしました(政府、経団連、大学で10月15日に協議する予定)。
就職・採用活動のルール(目安)は1953年に始まり、以降ずっと続いてきました。しかし、このルールには拘束力がない、いわゆる“紳士協定”のため、無視して選考活動を進める企業も多く、形骸化が指摘されてきました。
今回のルール廃止により、しわ寄せが学業に行くことが懸念されています(学生・企業双方が活動を本格化させる時期を大幅に早めることが想定されるため)。
参考:経団連、就活ルールは意思決定=21年春入社以降からー活動早期化に懸念(時事ドットコム)
就職・採用活動の現行ルール
就職・採用活動の現行ルールは次のようになっています。
- 会社説明会は3月1日以降
- 採用面接などの選考活動は6月1日以降
- 内定の通知日は10月1日以降
国内の大企業で構成された経団連が定めた就活のルールです(企業と大学が定めた就職協定が始まり)。
形骸化が指摘されつつも、このルールは就職・採用活動全体に大きな影響を持っていました。
青田買いの加速で勉学がおろそかになる懸念
経団連・中西会長は、「(採用時期を)前倒しするとか、後ろ倒しすることで、勉強するようになるという考え方は全然理解できない」と反論しています。参考:経団連会長、大学教育充実を=就活ルール廃止批判には反論(時事ドットコム)
しかし、就職活動が長期化された場合、地方大学生は就職活動自体が負担になる恐れがあります。
私たちは就職氷河期世代なので、現在の売り手市場とは状況が異なりますが、地方大学生の私が首都圏で就職活動するには一定期間大学を休む必要がありました。そうしないと、交通費がかなりかかってしまうからです(親類や友人先に滞在するケースが多い)。
私が考える今後の予想は次の通りです。
- 就職を見越して首都圏の大学の人気が高まる
- 地方の大学に進学した人は地方で就職する傾向が高まる
中小企業の採用コストの負担増の懸念
採用活動が長期化することで、その活動費や一部の社員が採用にかかりきりになることなど、中小企業の負担が指摘されています。
これは大企業と同じことをすれば、ということで、中小企業の中には新入社員を含めて通年採用をし、人材が欲しいときにニーズにあった人材を採用する会社も出てきています(即戦力重視の採用方法)。
この会社では次の春に卒業予定の学生が社員として働いていました(就業時間など働き方が個々で異なる会社ならではの方法)。学業との両立が大変であることが考えられますが、実際に働く彼らには「他でバイトすることに比べたら有意義」、「分からないことを学校で学びながら仕事に活かせるのは学生の特権」と前向きです。
私は自分の時代が就職氷河期と思っていましたが、「どこでもいいから(選べる時代じゃない)」と思い込んでいた私たちに比べ、いまの学生の方がシビアに「仕事をすることについて」考えて会社を選んでいるように感じます。
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コメント
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