「台風とは何だろう」
現在直撃中の台風9号のように雲が渦巻いている“アレ”を台風だとは知っていますが、〈台風とは何か〉と改めて聞かれると回答に困ります。
今回は台風の定義と名前の決め方についてまとめてみました(参考:台風について./国土交通省気象庁公式サイト)
ある条件を満たした熱帯低気圧
「熱帯低気圧」とは、熱帯の海上で発生した低気圧です。熱帯低気圧のうち、次の条件を両方満たすものを「台風」といいます。
- 北西太平洋または南シナ海に存在する
- 低気圧域内の最大風速が17m/s以上
台風は温かい海水から水蒸気を受けて、雲を作りながら発達していきます。海水温が高いほど台風は大きくなり、ゆっくりと進む傾向があります。
北上して海水温が下がったり、上陸したりして水蒸気の供給がなくなると、およそ2~3日で台風は「温帯低気圧」となります。
日本を基準に考えると次のステップになります。台風は発生期、発達期、最盛期、衰弱期の4段階を経て消滅します。日本に来る台風は最盛期もしくは衰弱期の台風です。
- 西太平洋または南シナ海で発生した熱帯低気圧が台風になる
- 赤道に近い低緯度では西に流されながら北上
- 中~高緯度に達すると上空で吹く風(偏西風)の影響でスピードを上げて北または北東に進む
- 日本付近に近づくと上空の寒気が台風に混じり始める(勢力ダウン)
- 台風は「温帯低気圧」に変わる
台風の”強さ”と”大きさ”は定義されているようです。台風に関する情報の中では台風の大きさと強さを組み合わせて表現します(例:「大型で」「強い」台風)。
<台風の「強さ」は4段階>
- 最大風速17m/s以上33m/s未満 … 通常
- 最大風速33m/s以上44m/s未満 … 強い
- 最大風速44m/s以上54m/s未満 … 非常に強い
- 最大風速54m/s以上 … 猛烈な
<台風の「大きさ」は2段階>
- 大型(大きい)…風速15m/s以上の半径が500km以上800km未満
- 超大型(非常に大きい)…風速15m/s以上の半径が800km以上
台風の名前は140個、順番に回っていく
日本では、台風をその年の最初に発生したものから「台風1号」「台風2号」と名前が付けられていきます。
今回の「台風9号」とは、「2016年1月1日以後、9番目に発生した台風」ということになります。いちど温帯低気圧になったあと、再び台風になった場合は同じ番号になります。
しかし、台風の影響を受けるのは日本だけではありません。
そこで、日本を合わせて次の14か国(略称)が加盟している”台風委員会”は<北太平洋または南シナ海の領域で発生する台風に限り>共通した名前を付けています。
- カンボジア
- 中国
- 北朝鮮
- 香港
- 日本
- ラオス
- マカオ
- マレーシア
- ミクロネシア
- フィリピン
- 韓国
- タイ
- 米国
- ベトナム
台風委員会は固定で140個、おおよそ5年間で一巡するようになっています(140番目までいったら1番目になる)。但し、甚大な被害をもたらした台風の名前については、それ以後その名前の使用を禁止して新しい名前をつけることもあります。
140個の名前は上の国の順番で1つずつ出し合い、各国が10個提案しています。日本語由来の台風名は次の10個あり(2016年時点)、全て星座の名前から付けています。
- Tembin(テンビン)
- Yagi(ヤギ)
- Usagi(ウサギ)
- Kajiki(カジキ)
- Kammuri(カンムリ)
- Kujira(クジラ)
- Koppu(コップ)
- Kompasu(コンパス)
- Tokage(トカゲ)
- Hato(ハト)
今回の台風9号は、北朝鮮が提案した名前「Mindulle(読み方は「ミンドゥル」で、意味は”たんぽぽ”)」です(101番目)。
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