このたび日経WOMANからPRESIDENT WOMANに乗り換えました。女性向けの経済誌の2トップを比較、経済誌業界の分析をまとめてみました。
老舗の日経と新興のPRESIDENT
認知度は日経WOMANの方が高い
日経のビジネス雑誌は歴史が長く、日経WOMANの創刊は1988年です。
一方で、PRESIDENT WOMANの創刊は2014年です。「日経WOMANの牙城にPRESIDENT WOMANが乗り込んだ」と創刊当時は評価されました。
読者層はPRESIDENT WOMANの方が幅広い
PRESIDENT WOMANの特集は20~40代の女性向け、一方で日経WOMANの特集は20代後半~30代前半のアラサー女性向けの傾向があります。
過去8カ月分の特集を比較
日経WOMANとPRESIDENT WOMANはどちらも月刊誌で発売日も毎月7日と同じなので”旬(トレンド)”は同じと考えます。
その上で、1月~8月(2017年)の8カ月分の特集(表紙に大きく取り上げられた特集名)を比較してみました。
日経WOMANの特集
- 忙しくても元気になる週末の時間割
- 1000万円貯まる!生活はじめよう
- 疲れない!老けない人の24時間!
- 時間のムダが9割減るノート術&文具
- 忙しい働き女子の片づけ収納
- 1日100円投資でマネー開運入門!
- 人生が9割うまくいく!時間のルール
- 忙しい私たちの片づけ捨て方
日経WOMANは整理整頓に関する特集が1月号と4月号、時間を上手に使う方法に関する特集が2月号・5月号・6月号・8月号とダブっています。
実際に、私は似通った特集が続いたので飽きてしまいました。
PRESIDENT WOMANの特集
- 脳が15倍!はたらく集中力&発想法
- 新しいお金の増やし方
- 一瞬で伝わる話し方
- 仕事がうまくいく女のマナー
- 一瞬で通る!面白い資料のつくり方
- もっと私らしく働きたい!
- 超シンプル時間術
- お金に強い女になる
タイトルのみを比較すると、PRESIDENT WOMANの方が特集のバラエティが豊富です。
雑誌不況でもPRESIDENTは部数を伸ばす
プレジデント社がビジネス誌のトップを獲得
1997年をピークに出版業界は市場が縮小してきましたが中でもビジネス関連の雑誌は比較的堅調と言われていました。
2014年10月末に発表された日本ABC協会の報告によると日経WOMANと同じ日経BP社が出版している「日経ビジネス」の発行部数は前年に対してマイナス2.1万部、東京経済や週刊ダイヤモンドも同じように発行部数を減らしました。
一方で、PRESIDENT WOMANと同じプレジデント社が出版している「PRESIDENT」の発行部数は前年比107.5%と売り上げを伸ばしました(発行部数は日経ビジネスの方が多い)。
プレジデント社に対する雑誌業界の評価(2014年)
「プレジデント」はお金、仕事術、自分磨き、人間関係、老後など”身の回りの話題を特集にして発行部数を伸ばした”と言われています。
「日経ビジネス」のような老舗ビジネス誌はジャーナリズム志向が強く、プレジデントの様な特集を「恥ずかしい企画」と評価した様です。
老舗ビジネス誌は取材能力の高い業界担当記者を幾人も抱えて企業の分析などを行う”賢い雑誌”です。
一方で、「プレジデント」は執筆はほとんど外部委託し社内の業務は編集作業が中心です。そのため、「プレジデント」の記事は経済・経営向けの賢い雑誌よりも近視眼的な、生活臭さえ漂う一般ビジネスマン向けになっています。
雑誌に求められているものが変化
インターネットが普及し、雑誌から速報性のある情報を得ようとする人は少なくなりました。今は新聞でさえ速報性が求められていません。
そのため、雑誌から得る情報には「信頼性」「娯楽性(企画力)」「デザインや図解等の見栄え・分かりやすさ」が求められています。
プレジデントに遅れて老舗ビジネス誌も各誌身近な話題をネタにする様になりましたが、やはり記者のプライドが邪魔するのか老舗ビジネス誌は記者色が色濃く残り、結果として似たような特集がループする傾向があります。
その結果、特集の組み方は老舗よりも新興で自由度の高いプレジデント社の雑誌が優れている形になります。
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