木曜日の夜、金曜日の市内の公園に行く”遠足”のために「てるてる坊主」を作った我が子。
てるてる坊主は日本の風習のひとつで、翌日の晴天を願って軒先などに吊るされる人形です。
「日が照る」から、「照る照る坊主」とも書かれるようです。
今回はてるてる坊主について。
ちなみに、「未だ小雨」という判断で遠足には行けたそうです。
天気予報では朝から強めの雨が降る予定だったので、てるてる坊主が願いを叶えてくれたのかな。
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てるてる坊主の由来
日本の風習の多くがそうであるように、この風習も中国がオリジナル。
中国は「掃晴娘」という箒をもった女の子の切り紙の人形を飾ったようですが、日本では坊主を飾ります。
日本で坊主を飾る理由としては諸説あるようですが「天候の祈祷をしたのが僧侶だから」説が有力。
ただ、同じ僧侶でも「ときの為政者に晴れ乞いをするように命じられた僧侶が失敗して首を切られ、その首を包んだ布を吊るしたら翌日晴れた」という少し怖い由来もあります。
日照りや水害は農耕民族にとって死活問題。
中国の掃晴娘も実は晴れ乞いの生贄。
遠い昔、雨が降り続いて困っていたとき、天からの声が
「その美しい娘を差し出せば晴れにするが、差し出さなければ都を水没させる」
人々を大雨から救うため、少女が犠牲となり天に昇ると、空は雨雲を箒で掃いたように晴れ渡ったそうです。
箒は悪いものを掃き出したり、良いものを掃き寄せたりする祭祀用の道具でもあったそうです。
生贄となった少女を偲び、彼女の得意だった切り紙で掃晴娘を作って吊るすようになったそうです。
この中国の風習は燕京歳時記にも記載されていた風習で20世紀までは一般的に見られる風習でしたが、なぜかいまでは知らない人が多いそう。
そのため、いま晴天を乞うて人形を吊るす風習といえば日本の「てるてる坊主」の方が有名だそうです。
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てるてる坊主のその後
てるてる坊主に顔を描くのは「いけないこと」ではないようですが、本来は顔を描かずに作り、「てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ」とおまじないを唱えながら吊るします。
てるてる坊主は、翌日の天気によって扱いが大きくことなります。
願いが叶わず雨になった場合はそのまま何もせず処分します。
願いが叶って翌日晴れたら、てるてる坊主に瞳を描き入れて、神酒を供えるもしくは頭からかけて感謝をし、川に流したそうです(19世紀はじめに書かれた『嬉遊笑覧』にそう記載されている)。
願いが叶ったら瞳を描く。
これを聞いて思い出すのがダルマ。
この「瞳を描き入れる」という行為を「点睛」といい、欠くことができない重要なもの、この場合は瞳、を最後に加えて物事を完成させるという意味があります。
てるてる坊主には「翌日を晴天にする」という目的があり、これを果たす=点睛で完結となるのでしょう。
また、「川に流す」ですが現代ではダメな行為。
そのため妥協案として挙げられるのが「お焚き上げ」。
それも難しい場合は、白い紙で包んで塩で清めて、燃えるごみで処分する方法です(しめ縄と同じような処分方法)。
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てるてる坊主、南天の木に吊るすと効果増
古くから南天は悪霊を払う霊力をもった木とされ、家の玄関や鬼門などによく植えられていました。
南天という名前は「難を転じる」に通じて縁起が良く、「難=雨が転じて晴れになる」と、てるてる坊主が晴天をもたらすのに良いとされていたそうです。
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