今春子どもが入学した小学校には『友だちのことは〇〇さんと呼ぶルール』があるそうで、男の子でも女の子でも「〇〇さん」と呼ぶ子どもに正直違和感があります。
これも昭和時代と令和時代の差のひとつのようです。
ちなみに子どもの通う小学校だけでなく周辺の小学校全てに『友だちのことは〇〇さんと呼ぶルール』があります。
つまり『友だちのことは〇〇さんと呼ぶルール』は小学生の全国的な取り組みのよう。
”全国的”なのは、このルールの背景には法律が関係しているからです。
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『さん付け』は『あだ名禁止』とセットでルール化
2013年に成立した「いじめ防止対策推進法」の具体的な取り組みとして「あだ名禁止」の対応を取る学校が増え、それに合わせて互いの名前を呼ぶときに「さん付け」をルールとするところが多くなっています。
参考:いじめの問題に対する施策:文部科学省 (mext.go.jp)
2017年頃に京都教育大学が調査した結果によると、京都市立小学校のうち回答のあった98 校
の約7割(69校)が学校全体で『さん付け』を導入していることが分かりました。
いじめ防止対策推進法とは?
「いじめ防止対策推進法」は2011年に起きた大津市の中2いじめ自殺事件がきっかけで成立した法律で、いじめへの対応と予防について学校や行政の責任などを規定しているものです。
あだ名がいけない理由は?
あだ名は「親近感がわく」「距離感が短くなる」というメリットがありますが、「あだ名がいじめにつながる」「虐めの過程で悪化するあだ名がつく」というデメリットがあります。
法律の下でいじめを予防する対策が優先されて、あだ名が禁止となったようです。
『さん付け』の効果(京都教育大学の研究での考察)
『さん付け』には賛否両論ありますが、京都教育大学の調査結果からは次のような効果があると考察されました。
・後に続く言葉遣いが優しくなる
・ひとりひとりを同じように大切にすることができる
・男女を平等に呼ぶことができる(男女同権・ジェンダーレス)
・授業中を公式な場面として位置づけやすい
参考:京都市立小学校における「さんさん付け」呼称の導入実態 (kyokyo-u.ac.jp)
『さん付け』統一の背景にあるジェンダー尊重
私論では「〇〇さん」「〇〇ちゃん」「〇〇くん」の3通りあってもいいと思うのですが、「〇〇さん」統一の背景にはジェンダー尊重(性差別を産まないようにする配慮)の考え方があるそう。
ある調査によると日本人の13人に1人が性的少数者(LGBT)と言われており、「〇〇くん」「〇〇ちゃん」と呼ばれることに違和感を覚える子がいてもおかしくないようで「〇〇さん」統一が良いようです。
参考:小学校で増える「あだ名禁止」「男女ともに“さん”付け」どう思う? | 文春オンライン (bunshun.jp)
LGBTとは
2017年に改訂されたいじめ防止基本方針にはLGBT生徒への配慮が盛り込まれています。
『LGBT』とはセクシャル・マイノリティー(性的思考が少数派のヒト)の総称で、女性同性愛者・男性同性愛者・両性愛者・トランスジェンダーを指しています。
2015年に電通が20~59歳の男女約7万人を対象に行った調査によると、約7.6%の人がLGBTに該当するという結果がでました。
2015年に東京都渋谷区で同性パートナーシップに関する条例が初めて施行の後、いくつかの自治体でも制度が導入。
教育現場では文部科学省が2015年に各都道府県の教育委員会などにLGBT生徒への細かな対応を求める通知を出し、2016年には教職員向けにLGBT生徒への対応をまとめた手引きを発行したそうです。
参考:LGBTとは – コトバンク (kotobank.jp)
英語圏でも男女共通の呼称「Mx」登場
中学の英語で習うMr.(男性の敬称)、Ms(女性の敬称)ですが、近年では『Mx(”ムクス”)』を使い「自分は男性でも女性でもない=男女で差別をしない」というアイデンティティを持つ人が増えたようです。
日本の「さん付けルール」も似たようなもの…?
うーん、アイデンティティとして主張するのではなく”教育される”点が違うでしょうか。
ちなみに『Mx』はイギリスはオフィシャルな場面でも多く使われるようになってきて、ロイヤルメール(日本でいう日本郵便)では利用者登録のときにMxを選べるようになったとか、公文書でMxが使われるようになったとか。
この動きはイギリスだけでなく、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリアでも活発になっているようです。
参考:MrやMissだけじゃない ジェンダーに配慮した新しい敬称Mxとは?|ウートピ (wotopi.jp)
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