祭りの中止が相次ぎ、子どもに「日本人らしさ」が育たない

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『祭』という文字が生贄の肉を祭壇に飾る意味をもつ通り、祭りは本来『祭祀』を意味します。

感謝・祈り・鎮魂など私たちが生きていく上での思いの象徴です。

2020年はコロナ禍で地域の祭りの中止が相次ぎ、毎年夏と秋に毎年飾っているしめ縄と紙垂しでの配布もありませんでした。

通りをしめ縄と紙垂が飾る様子に秋を感じていたため、いつの間にか過ぎる季節に寂しさを感じます。

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農耕が中心だった日本の祭りは春夏秋冬で意味が違う

農耕を主として日本では、春に種を撒き、夏に育て、秋に収穫、そして冬は籠る生活をずっと繰り返してきました。

そのため、祭りの内容と意味合いも季節によって変わります。

春は豊作を祈願する祭りで、予め祝うことで豊作が現実になる様に祈ります。

豊作の他に発展・安寧・無病息災を祈願することもあります。

夏は禍から守ってもらえるように願う祭りで、農村部は虫や台風(嵐)から稲を守ってもらえるように、都市部では疫病から人々を守ってくれるように祈ります。

秋は収穫を感謝する祭りで、他の季節の祭りと異なり人々がお互いを労う意味を込めて人も一緒に神様と愉しむように多少賑やかな傾向があります。

農閑期である冬は田の神をねぎらい、生きる力を蓄えて魂を充実させる祭りです。

日本では正月に年神を迎えることで魂を更新すると考えられてきたため(昔の人は全員1月1日に1歳年を重ねた)、正月にまつわる祭りが多いです。

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祭りロスは子どもの『日本人としての根っこの部分』を揺るがす

季節の行事や旬を大切にすることは子どもの日本人としての根っこの部分、日本人としてのアイデンティティ、いわゆる『和の心』を育てます。

私は日本人ですが、それは国籍の話ではなく感性が日本人です。

『和の心』とはよく言ったもので、郷愁をひかれるもの、美しいと感じるものが日本人は似ています。

季節の行事で最たるものが祭りです。

コロナ禍による祭りロスは、子どもの和の心を育てる環境不足の原因になる可能性があります。

「小さな国である日本のことを知らなくても海外のことを知っていればいい」という人もいますが、あらゆる分野において海外で通用するには日本人である基本がしっかりと出来ている必要があります。

世界的に評価される日本人の細やかな感性は風流を愉しむこと、風情や風雅といった情緒を理解することで磨かれます。

日本の祭りは自然や季節を取り込んで成り立っているため、祭りそのものが季節の風物詩となっています。

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日本の祭りの基本は『神様をもてなす』

宗教や収穫祭の祭りが中心の海外の祭りとは違い、日本の祭りは八百万のいろいろな神様に対するものが多く、神をもてなすために神楽や田楽を舞ってみせる風習もあります。

埼玉県内にはかつて神楽を伝承する地域が150ヵ所近くもありました。現在でも50ヵ所以上で伝えられ、1年を通して色々な奉納舞が行われています。

埼北にも金鑚神楽があります。

金鑚神楽は児玉郡神川町二の宮に本部があり、いくつかに分かれた組が本庄市や深谷市で奉納舞をしています。

参考:埼玉県の神話‐埼玉県公式サイト

神楽といえば。

先日娘はパパと劇場版「鬼滅の刃」を映画館で見た感動で、家に帰ってきても「ヒノカミ神楽!」と遊んでいました。

ヒノカミ神楽は主人公の竈門炭治郎が先祖代々(知らずに)継承していた剣技です。

もともとは実際は鬼殺の剣士が炭治郎の祖先に見せた剣技でしたが、伝承するうちに神楽となり毎年冬にヒノカミ様の捧げる奉納舞となっていました。

映像ではヒノカミ神楽は凍てつくような冬の日に雪の中で舞う姿で描かれています。

炭治郎の一族は代々炭焼きだったためヒノカミ神楽は竈門神への奉納舞になったと考えられます。

竈門神は12月23日にかまどを掃除して祀る習慣が1960年代までありました(大正時代にもあった習慣)。

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祭りで使われる日本の伝統色『和色』

祭りの法被や神楽の装束に使われている独特な色は日本の伝統色で『和色』といわれます。

和色の種類は約1,100種類、古代より日本で見られる四季の植物や花、鳥や動物の色に由来する日本独特の色名がつけられています(名前が日本独特なだけで同じ色が海外でも使われている)。

和色は自然の中の色なので目に優しい色が多く、落ち着いた雰囲気にはリラックス効果があります。

ここでも少し『鬼滅の刃』の話を。

アニメーションで使用されている色も、時代設定が大正なせいか和色が多く使われている気がします。

その効果なのか、色遣いが多彩でも目に煩くなく、逆にどこか懐かしくて落ち着く感じがします。

これは歌舞伎の衣装を見たときの感覚に似ています。

ちなみに原作の中では和色の名前が出てきます。

和色の知識がないとどんな色か分からず、特に『宍色ししいろ』は今回調べて分かりました。

●宍色炭治郎が山での修行中にあった少年・錆兎の髪色
●柿色鼓の鬼の話で、鬼にさらわれた少年の着物の色
●紅梅色鬼舞辻の瞳の色
●藍鼠色伊之助の日輪刀の色

参考:和の名前‐色の名前と色見本

宍色(ししいろ)とは、人間の肌色のような浅い黄みがかった赤色のことです。

日本人の肌色はうすい黄赤系と黄み橙系に大別されますが、宍色は前者にあたります。

ちなみに色名の宍は肉の古語で、宍色とは獣の肉の色という意味です。『和名類聚抄』にも「肉、和名之々、肌膚之肉也」とあります。

宍色(ししいろ)とは?-伝統色のいろは

コロナ禍で祭りは中止が相次いでいますが、家で出来る日本の行事(年中行事)はあります。

秋は『十五夜』『十三夜』が身近です。娘たちにとって団子を食べる日です。

そのあとは年末に向けて『酉の市』や『煤払い』があります。

埼玉県では“おかめ市”ともいわれる酉の市は12月の初めての酉年にひらかれる市場で装飾熊手を買いたい人が集まります。日本武尊を祀り武運長久・開運・商売繁盛の神として信仰する鷲神社など鷲や鳥にちなむ神社の年中行事です。

煤払いは“大掃除”です。近年では水を使った掃除が苦にならない秋などに実施する家庭も増えましたが、従来は年神様を迎えるための年末の行事です。

月見も煤払いも家庭でできる日本の伝統行事です。

2020年の十三夜は10月29日(木)です。

今年は家で出来る範囲で楽しもうと思います。

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