子どもの視力 は目の異常や病気の早期発見のために大切です。
子どもの視力 、6歳は1.0以上が望ましい
幼稚園や保育園で実施される健康診断では目の検査があり、「視力が1.0以上あるか」を確認されます。
子どもの視力 が1.0以上あるかどうかを判断する理由
- 学校教育を受ける上で必要な視力があるか
- 正常に視力が発達しているか
- 屈折異常(近視)や目の病気の早期発見のため
視力は学校での教育に関わるので、小学校入学前に実施される就学時健康診断でも目の検査があります。
子どもの視力 が1.0未満の場合
文部科学省が実施した2019年度「学校保健統計調査」によると、裸眼視力1.0未満の5歳児は26.06%でした。
子どもの視力 が1.0未満の理由として、
- 視力の発達が遅れている
- 裸眼視力が低下している
視力の発達が遅れている原因
「視力が発達している」ということは、目に入ってきたものを鮮明な映像にして脳に送る機能(ピント調節機能)が十分に成長している状態をいいます。
つまり視力が未発達な状態は「弱視」となります。
弱視はピントが合わせられないという目の異常なので、視力の低下のようにメガネなどで矯正することができません。
子どもの視力が発達しない原因は次の2つが大きな要因と言われています。
- 規則正しい生活ができていない(夜ふかしなど)
- 食生活が乱れている(栄養バランスの偏り)
裸眼視力が低下している原因
- 外遊びをあまりしないなど陽に当たる機会が少ない
- 本が近い(目からの距離が30cm未満)
- 本やテレビを見るとき、両目の距離が均等ではない
- 姿勢が悪い
子どもの視力 が発達するのは8歳まで
赤ちゃんのときはほとんど機能しない視力は6歳から8歳の間に発達すると言われています。
正常に視力が発達した場合、6歳の頃には視力1.0以上になります(3歳の頃に約半数が視力1.0ほどになる)。
8歳をすごると視力の発達が難しくなるのは、視力の発達には目だけでなく脳も関係するからです。
目の発達の異常に気づくキッカケになるのが自治体が実施している三歳児検診です。
三歳児検診によって子どもの眼疾患が発見され、多くが早い時期に治療したことによって治っているそうです(訓練によって視力の発達を促すなど)。
子どもの視力 、両目で見る機能は6歳までに発達
人間の目は左右の二つで見た映像を合わせて物体を立体的にします。
この二つの目で見る機能(両眼視機能)に異常があると、視界の遠近感や立体感に異常が出てしまいます。
この両眼視機能の6歳頃までに発達し、この機能の発達を妨げる原因として多いのが「斜視」です。
斜視とは2つの目がそれぞれ別方向に向いてしまう異常で、遠視が原因となることがあります(遠視は屈折異常の1つでピントの位置が網膜より後ろにある病気、遠視が悪化すると弱視や斜視の原因になる)。
子どもの視力 、低下の原因は「近視」
2019年度学校保健統計調査によると裸眼視力1.0未満(B判定以下)の割合は、
- 小学生 34.57%
- 中学生 57.47%
- 高校生 67.64%
子どもの視力 低下の原因で多いのが近視です(近視は屈折異常の1つでピントの位置が網膜より前にある病気)。
近視による視界の異常はメガネで矯正することができ、視力が1.0未満になるとメガネの使用をすすめられるのは近視の進行を抑えるためです。
近視は様々な目の病気の原因になる
近視はいろいろな目の病気の原因になります。
強度の近視の人のリスクを正常な人と比較すると、
- 緑内障になる可能性 3.3倍
- 網膜剥離になる可能性 21.5倍
- 近視性黄斑症になる可能性 40.6倍
近視は眼球を変形させてしまう
近視の人がこのような病気にかかりやすいのは、近視の人の眼球が前後にのびて変形してしまっているからです。
眼球が変形すると網膜や視神経に負担がかかってしまい、一度変形した眼球は元に戻すことはできません。
近視の度合いは「屈折度数」で分かります。
- -6.0D以上…強度
- -3.0D~-6.0D…中等度
- -3.0D以下…弱度
太陽光で近視の進行を防げる
近視を防ぐ研究の中で注目されているのが、太陽光に豊富に含まれる『バイオレットライト』による近視抑制効果です。
週に11時間以上、明るさ1000lx以上の太陽光を浴びることは近視の発症を防げるという発表もあります。
バイオレットライトは蛍光灯やLEDライトには含まれていません。
バイオレットライトを発見したきっかけも「屋外で過ごす時間が長いと近視になりにくい」という仮説だったりします。
ちなみに、1000lxの太陽光は直射日光である必要はありません。屋外では木陰でも数千lx、日なたでは数万lx以上あります。一方で屋内では高くても800lx程度です。