湿度の高い時期になると洗濯物のニオイ(生乾き臭)にとかく気を使います。
今回は生乾き臭の原因、生乾き臭を防ぐ方法をまとめました。
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生乾き臭の原因は『モラクセラ菌』の排泄物
洗濯物のイヤな臭いの代表「生乾き臭」の原因は、モラクセラ菌の細菌代謝物(排泄物=う〇ち)です。
モラクセラ菌とは?
モラクセラ菌はは常在菌のひとつで、ヒト等動物の粘膜内、風呂場や洗面所、洗濯槽など水分のある場所ならばどこでも繁殖します。
モラクセラ菌の特徴は、
・熱に弱い(60℃以上の環境下でに10分以上いると発育しない)
・乾燥に強い
・紫外線に強い
常在菌は総じてしぶといのが特徴。
乾燥と紫外線に強いため、衣類乾燥機を使用しない限り洗濯後の衣類にはサルモネラ菌が生き残っています。
衣類乾燥機を使用すると激減するのは、60℃以上の環境に10分以上さらされるからです(衣類乾燥機の温風はガス式で80℃以上、電気式で70℃以上)。
生き残ったサルモネラ菌は汗、湿気、雨などで衣類が濡れると活発化し、「生乾き臭のもと」を出すようになります。
生乾き臭のもと、細菌代謝物
サルモネラ菌そのものはニオイがしませんが、サルモネラ菌が排泄する細菌代謝物「4-メチル-3-ヘキセン酸(4M3H)」はニオイがあります。
そのニオイが、濡れた雑巾のような「生乾き臭」です。
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生乾き臭を防ぐには、早く乾かす
生乾き臭のもと、4M3Hの嗅覚閾値(ヒトの鼻がニオイを感知する最小濃度)0.01ppmなので、0.01ppm未満のうちに衣類を乾燥させてサルモネラ菌を無力化すれば生乾き臭が臭うのを防げます。
温度や湿度によりますが、水分のある環境にモラクセラ菌が5時間以上いると4M3Hの濃度が0.01ppmを超えるそうです。
外干しで洗濯物が乾く時間は季節ごとに、
春 5時間前後
夏 2~3時間
秋 5時間前後
冬 6時間
気温の低い冬は菌の増殖が遅いので、6時間以上乾燥に時間がかかっても生乾き臭がしにくいです。
一方で、夏は温度が高くても湿度が高いので、早く乾いても菌が繁殖しやすいです(部屋干しや梅雨の時期は要注意)。
部屋干しの場合、外干しの倍の時間かかるためサーキュレータ、エアコン、除湿機などの使用が望まれます。
洗濯機で洗い終えたら時点からカウントダウンが始まっているので、脱水終了後は速やかに干すことが大切です。
洗濯物の間隔をあけて風通しを良くする
洗濯物の乾く条件は「気温」「湿度」「風」です。洗濯物を早く乾かすには湿度を下げて風を通しやすくなるように、間隔をあけて干すと良いです。
天気予報等で公開される『洗濯指数』も参考になります。
洗濯指数は洗濯物が乾くスピードを表す指標です。「綿100%のシャツが3時間でどれだけ乾くか」が表示されます。
洗濯指数が50以下の場合は生乾き臭が発生する可能性が高くなります。
乾きやすい素材と乾きにくい素材を交互にかける
洗濯物が乾く時間は素材によって変わります。
洗濯物周辺の湿度を下げるために「乾きやすい素材」と「乾きにくい素材」、また「薄手の衣類」と「厚手の服」と、乾く速度に合わせて交互にかけると早く乾きやすくなります。
合成素材:ポリエステルのような化学的に作られた合成素材は乾きが早い
天然素材:ウールなどの天然由来の素材は乾きが遅い
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生乾き臭を防ぐには、モラクセラ菌を減らす
モラクセラ菌は乾燥と紫外線には強いため、外干しで5時間以内に乾燥させた洗濯物にも一部が必ず残ってしまいます。
残ったモラクセラ菌は繊維の中で固まってしまい『戻り臭い』等の原因になってしまいます。
衣料用漂白剤に浸け置き
モラクセラ菌を殺すためには洗濯機で洗う前に40℃の湯に衣料用漂白剤を溶かした液に一定時間浸け置くのが有効です。
衣類用漂白剤は液体よりも粉末の方が除菌効果が高いです。
一般的な洗濯機の耐熱温度は40~50℃なので、浸け置きする場合はポリバケツ等を使用します。
またシルクやウールなどの天然素材に衣料用漂白剤は使えないので注意します。
但し、浸け置き後はいつも通りに洗濯機で洗うことになるため、洗濯機内に在るモラクセラ菌が洗濯物に移ってしまいますが、細菌の絶対数は減らせます・
衣類乾燥機で乾かす
洗濯物を衣類乾燥機で乾かすのが一番有効な対策です。
ただし、衣類乾燥機には電気式とガス式があり、この2つは乾燥時間に大きく差があります。
その結果、温風温度が高く乾燥時間も短い「ガス式」の方がサルモネラ菌を減らす効果が高いです。
高温設定のアイロンをあてて乾かす
濡れた洗濯物に高温に設定したアイロンをあてて乾かすことで高温にさらし、殺菌することができます。
モラクセラ菌は水分と皮脂をエサとするので、エリやワキの部分は繁殖しやすくなります。
アイロンを使えばこの部分を重点的に高温にさらせて、生乾き臭や戻り臭の予防に役立ちます。
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