― エンジンオイルはいつ頃交換すればよいのか? ―
カーディーラーやガソリンスタンドの点検を受けると、エンジンオイルの交換をすすめられることがあります。さて、それは本当に必要なのでしょうか?
今回はエンジンオイルの点検・交換についてまとめました(参考記事:エンジンオイルの基礎知識/Honda公式サイト)。
スポンサードリンクエンジンオイルの点検方法
エンジンには中のオイル量をチェックするための給油計(N-BOXの場合は「エンジンオイルレベルゲージ」という名前)がついています。自動車の場合、先端に上限と下限を示す線が引かれた金属製の棒であることが多いです。
オイル量をチェックするときは一度給油計を抜き、付着したオイルを雑巾などで拭き取ってからゆっくり挿しこみ、また抜いてオイルの液面が上限と下限の線の間にあることを確認します。
エンジンオイルの量のチェックが重要な理由
オイル量が少なくなり過ぎると、エンジン内部の摩耗や焼け付きを起こす危険性があります。
エンジンオイルは車が走ると、微量ですがオイルは徐々に減っていきます。エンジンが燃えるときに、シリンダー壁についていたオイルが一緒に燃やされて排気ガスになるからです。
油圧警告灯が点灯したら?
エンジンオイルが減って油圧が低下すると、油圧警告灯が点灯します。油圧警告灯が点灯したら直ちに車を水平かつ安全な場所に停車し、非常点滅表示灯(ハザードランプ)を点滅させます。
エンジンを停止後、3分ほど放置してからボンネットを開けてエンジンオイルレベルゲージでオイル量を確認し、必要量を補給します。しかし、エンジンオイルの予備が無い場合はJAF等に救援を求めます。油圧が低い状態でエンジンを動かすとエンジンを破損させてしまう可能性があるので、車を自分で移動させるのはやめましょう。
JAFロードサービス救援コール(全国共通・24時間年中無休) 0570‐00‐8139(通話料は有料) または、短縮ダイヤル#8139 |
エンジンオイルが補充されたらエンジンを始動し、油圧警告灯を確認します。消灯した場合はそのまま運転を再開しても問題ありませんが、10秒以内に消灯しない場合は直ちにエンジンを停めてJAF等に救援を求め、ディーラー等で修理する必要があります。
エンジンオイルの役割
エンジンオイルはエンジン内部で動く部品に油膜をはります。部品に油膜がつくことで次のような効果があります。
- エンジンをスムーズに動かし、部品に摩耗も防ぐ(潤滑作用)
- エンジンの燃焼や摩擦によって生じる熱を吸収して放熱する(冷却作用)
- エンジン内部の錆や腐食を防止する(防錆作用)
- エンジン内部の汚れを洗い流して包み込む(洗浄作用)
N-BOXのエンジンオイルの交換の目安
エンジン内部をキレイにする代わりに、走るとエンジンオイルは徐々に汚れていきます。経年劣化(酸化)もあるので、交換の目安は「走行距離」と「時間」の2つになります。エンジンが汚れ・劣化した状態で使用するとエンジンの本来の性能が発揮できなくなり、最悪の場合はエンジンを破損する可能性さえあります。
N-BOXの場合、メーカーは次のような交換時期(目安)を提示しています。
ウルトラシリーズ(※)使用車 ※Hondaオリジナルオイル | 【標準仕様】15,000kmまたは12ヶ月ごと 【シビア】7,500kmまたは6ヶ月ごと |
ターボ車 | 5,000kmまたは6ヶ月ごと |
上記以外 | 【標準仕様】10,000kmまたは12ヶ月ごと 【シビア】5,000kmまたは6ヶ月ごと |
エンジンオイルは乗り方(運転方法)や使用環境によって劣化影響度合いが大きく違います。Hondaでは、次のような走行が走行距離の30%以上の場合は「シビアコンディション(シビア)」に該当します。
- 悪路(デコボコ道、砂利道、未舗装路)での走行が多い
- 雪道でも走行が多い
- 1年間の走行距離が20,000km以上(目安)
- 山道・登坂路線での走行が多い(ブレーキの使用回数が多い)
- 1回8km未満(目安)の短距離の繰り返し走行が多い
- 外気温氷点下でも繰り返し走行が多い
- 時速30km/h(目安)以下の低速走行が多い
- アイドリング状態が多い
エンジンオイルの選び方
エンジンオイルは車種によって推奨粘度がことなります。エンジンの保護や燃費性能に影響するので、推奨オイルを使用します。推奨オイルは取扱説明書またはHondaに問い合わせすれば分かります。
N-BOXの場合、「API SN級 SAE 0W‐20」が推奨エンジンオイルです。規定量は2.4L(オイル交換時。オイルフィルターも同時に交換する場合は2.6L)です。
また、Hondaではホンダ車のエンジン性能を最大限発揮するために作られて、最も信頼しているHondaオリジナルのエンジンオイル「ウルトラシリーズ」を推奨しています。
エンジンオイルの規格は缶に書かれている
エンジンオイルには品質規格と粘度の規格があります。
品質規格は、日本ではAPI(米国石油協会)とILSAC(国際潤滑油標準化承認委員会)で制定した規格が一般的です。「エンジン機能を保つ上で必要なオイル性能を持っている」という証明です。
N-BOXの場合は「API SMまたはSN級以上」もしくは「API CERTIFICATION」と缶にかかれたエンジンオイルの仕様が推奨されています。
オイルの粘度は、SAE(米国自動車技術者協会)によって規格化されていて、「0W‐20」のように表示されます。ハイフンの左側の数字は低温時での粘度、右側の数字は高温時での粘度です。左側の数字が小さいほど低温でも柔らかい状態を保てるので、低温での始動性に優れています。右側の数字が小さいほど柔らかいオイルなので低燃費性に優れています。
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