人間の耳垢は、粉状のカサカサした耳垢(乾型)と、粘り気のあるベタベタした耳垢(湿型)の2種類あります。
我が家は私と次女が乾型、旦那と長女が湿型です。
湿型耳垢をした長女の耳掃除は気を使います。
耳の入口から1cmくらいの深さまでしか掃除しないのは乾型・湿型関係ありませんが、力加減が分からないのです。
とりあえず旦那の掃除方法に倣い、綿棒で拭うように掃除しています。
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耳垢の違いは耳垢に関する遺伝子が違うから
この耳垢の違いを作るのは個人の体質(遺伝子)で、この耳垢の種類を決める遺伝子を発見したのが北海道医療大学の新川学長です。
新川学長の研究によると「日本人の7~8割が乾型で、逆に欧米では湿型が多い」とのこと。
この違いは生活用品にも影響があります。
耳垢の掃除用具は日本では乾型が多いため耳かき(小さなスプーンのような形をした細い棒)が主流ですが、湿型の多い欧米に耳かきはほぼ無く、彼らは綿棒で掃除するとのこと。
欧米のホテルで「耳かき(ear pick)」と言っても通じない・無いことも少なからずあり、「耳の掃除をしたい(I want to clean my ears.)」というと綿棒を渡されるそうです。
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人間も耳垢はもともと湿型、乾型は突然変異で生まれた?
新川学長の仮説によると(耳垢の種類の世界33民族を対象に調査した結果より)、
- もともと人間の耳垢は全て湿型だった
- 人類の祖先が誕生したアフリカ地域では9割以上が湿型
- アフリカから近い欧州や中東は湿型が多い
- 中国北部やモンゴル周辺で遺伝子が突然変異して乾型が生まれた
- 寒冷気候への適応?
- 感染症への抵抗性?
世界では湿型が主流であり、乾型は東アジアに偏在、とりわけ黄色人種に多く見られました。
特に乾型の出現率が最も高いのは中国北部とその周辺(中国の山西省や韓国の大邱市は100%)。
ここから離れるほど乾型の出現率は低下していきます(日本での乾型出現率は7~8割)。
遺伝子の変化は生存にかかわることが多いため、寒冷気候への適応や感染症への抵抗性など、中国北部やモンゴル地域にある(あった)特定の環境下では湿型の耳垢の方が生存に有利だったのではないかと新川学長は推測しています。
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縄文人は湿型の耳垢、渡来人は乾型の耳垢だったのでは?
人間の移住の流れから、日本の先住民であった縄文人の耳垢は黒人や白人のように湿型が多かったと考えられています(あくまでも新川学長の仮説)。
弥生時代以来日本には、乾型の遺伝子を持った渡来人が移り住みます。
渡来人が渡ってきたルートをたどる様に乾型の出現率は西の方が高いです。
これは渡来人が高度な技術を持って当時の中央政府(奈良などの近畿地方)を目指したからと考えられます。
いまの日本には湿型と乾型が混在しているのは、乾型の遺伝子は縄文人と混血を繰り返しながら日本人の血に溶け込んだからだと考えられています。
遺伝子の優性・劣性でいうと、耳垢のタイプを決める遺伝子では湿型の方が優性のようです(優性=性質が優れているわけではなく出現しやすいという意味)。
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