『クールビズ』は環境省が提唱する環境対策で生まれた用語です。
環境省が提唱する環境対策で生まれた言葉。温室効果のガス削減のために、冷房時の室温を28℃で快適に過ごせる軽装や取り組みを促すライフスタイル。
https://ondankataisaku.env.go.jp/
環境省は『室温28℃の環境で快適に過ごせる軽装』としか言っていませんが、「あくまでも仕事のスタイル」「仕事相手に失礼がないように」という意見は多く、
クールビズ = ノーネクタイでシャツとジャケット
それ以前のスーツ姿と違うのは『ネクタイ』だけとなりました。
首には太い血管があるので、首周りが涼しくなれば快適性は上がりますが、そもそも高温多湿の日本において『28℃』という室温は決して快適ではありません。
クールビズでも暑いという意見は相次ぎ、さらには政府(環境省)の「28℃の設定温度(数値)に科学的根拠はない」発言。
環境省が去年(2020年)でクールビズの呼び掛けをやめたのも納得です。
2021年夏からは、『各自が気温にあった姿』『TPOに応じた節度ある姿』が夏のビジネスファッションになります。
大臣も「ネクタイを締めるかどうかは、一人ひとりが決めていくことが大事」と発言しています。
ここで気になったのが、ビジネスマンの服装のキーとなる『ネクタイ』。
そのネクタイをする理由。
ネクタイのプレゼントに「あたなに首ったけ」とか言うように、フォーマルな場でネクタイを締めることには何か意味があるのかもしれない。
そう思って、調べてみました。
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ネクタイとは
ネクタイとは男性の洋装で首の周りに『装飾』としてまく布で、例えば「首の疲労を軽減させる」というような物理的・心理的な効果はありませんでした。
ネクタイ(ネックウェア)の起源
日本人で最初にネクタイをつけた人はジョン万次郎と言われ、19世紀半ばと言われています。
ネクタイが誕生したのは17世紀と言われ、今のような形になったのは18世紀といわれているため、ジョン万次郎が身につけたネクタイは今のネクタイとあまり変わらなかったようです。
首に布を巻く姿は古代からあった
「首に布を巻く」というのは古代にもあり、服飾研究家によると次のような研究結果があるとか。
・秦の始皇帝の兵士が首に布を巻いていた
・古代ローマでは兵士がファカールという細い布を首に結んでいた
この“布”がネクタイの起源かというと、このあと古代の終わりから16世紀頃まで男性は首を見せる服装が主流となり、この長いブランクのせいで「この布をネクタイの起源とはいえない」というのが研究家の見解のようです。
ネクタイの起源(有力説)
ネクタイはの起源は、ヨーロッパ諸国で16世紀半ばから17世紀前半に“ひだ襟”が流行した後に流行した『クラバット』という説が有力です(諸説あり)。
クラバットとは“クロアチアの兵士”の意味で、無事な帰還を祈って妻や恋人から贈られたスカーフを首に巻いていたクロアチアの兵士の姿(ファッション)がフランスで流行したそうです。
ひだ襟が造形美を追い求めてデコラティブになり過ぎて、クラバットのシンプルさが魅力的にうつったんでしょうね。
フランス語などではネクタイは「クラバット(Cravat)」といいます。
日本でクラバットというと、「結婚式で新郎が身に付けている華やかなタイ」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
ひだ襟も最初は実用的だった
ひだ襟も最初は上着の襟元や肌やひげが触れる部分を清潔に保つラッフルがもとの実用的なものだったそうです。
それが洗濯糊の発見により、次第にその大きさや仕上げの精巧さが競われ、結果、半径数十センチの蛇腹状の円盤が首を覆う様になり、中には針金の枠を必要とするひだ襟もあったそうです。
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「正装はネクタイ着用」になったのは?
兵士のネックウェアだったネクタイが紳士の正装になったのは、19世紀後半にアスコット競馬場に集まる際の服装として「アスコット・タイ」「ダービー・タイ」が生まれた頃です。
アスコット競馬場に集まるのは上流階級の人たちなので、「アスコット・タイ」は彼らが着用していたモーニングコートに合うように上品にデザインされたようです。
今の日本では結婚式で新郎がフロックコートやファンシータキシードを着用したときにアスコット・タイを結ぶことがあります。
参考:アスコットタイの結び方|ネクタイ・シャツの基礎知識|ワイシャツ専門店 ozie公式サイト
同時期に今のネクタイの形と同じ「フォア・イン・ハンド・タイ」で、このネクタイは馬車を引く御者の間で広まったという説があります(オスカー・ワイルドが考案したという説もある)。
ネクタイをすることは紳士の最低限の務め
ネクタイの起源となる首の布(クラバット)を流行させたフランスでしたが、フランス革命が起きたことで「ネクタイは貴族的なもの」と排除される傾向にありました。
ネクタイの文化が復活したのは王政復古の時代、ナポレオンが宮廷趣味を取り入れたときですが、このときのネクタイは白スカーフ状の布。
「白のネクタイが一番上品で洗練されている」と燕尾服+ホワイトタイの礼装の原型が完成。
デザインが華美になるとシンプルになるのか。
19世紀半ばにはフランスの男性衣料は”着やすさ”などの機能性を重視して単純化し、服装の階級格差も失くそうと誰もかれも「カラス男」と言われる全身黒+白シャツというファッションが流行しました。
この流行の中で、ネクタイは男性衣料の中で贅沢できる数少ないものの1つとされ、『お洒落の生理学』などの多くのネクタイ論の本が出版され、「ユニークで複雑なネクタイを結ぶことができるのは時間的な余裕と忍耐力がある」と評価されるように。
その結果、「ネクタイを見ればその人の社会的地位・育ち・政治的意見が一目で分かる」といわれるほど、ネクタイは紳士の最低限のたしなみだったようです。
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仕事のときにつけるネクタイは相手への気遣い
あなたは人を見るときに最初から真っすぐ相手の目を見て話しができますか?
初対面の人と視線を絡ますのは意外と難しいもので、そんなときに役立つのがネクタイ、正確にはネクタイの結び目です。
視線を揺らさずに相手と向き合うには、相手のネクタイの結び目に視線を向けると良いといわれています。
こうすることで目線が落ち着き、話しやすくなる効果があるようです。
ネクタイを製造し、海外のネクタイブランドの輸入販売も手掛けるアイネックス代表取締役・仙田さんによると「ビジネススタイルには基本があり、本来はそこからそこから少しずつ個性を出すためにハズしていくべき」とのこと。
オフィスでカジュアルな服装でいることが先進的だという考えについても、「ビジネススタイルの基本を知らず最初からハズした格好では、仕事も基本的なところができているのか不安」という見方をしているようです。
参考:ネクタイ着用は、なぜ相手への気遣いなのか~ノータイ時代のネクタイについて【前編】 | PRESIDENT STYLE
ネクタイの有無も含め、ビジネスファッションは気温だけでなく対面する相手のことを考えて決めることが重要なようです。
関連記事:クールビズ?オフィスカジュアル?普段作業着の人が出張に来ていく服は? | 『 』
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