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生理の貧困、コロナ禍で悪化の傾向あり

生理、つまり『月経』は出産に関わる女性の体にとって極自然な現象で、社会の維持には不可欠なことです。

月経は一般的に10~15歳の間に始まり50歳くらいまで続くと言われています。

つまり女性は人生の四分の一以上は月経と関わります。

月経期間中は断続的に出血するため、ナプキンやタンポンといった生理用品でサポートします。

生理用品は衛生面でも、月経期間中も普段通りの生活をするためにも必要不可欠です。

近年この生理用品を使えない『生理の貧困』が問題視されています。

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生理の貧困の原因は、「生理用品が買えない」という経済的なものだけでなく、生理に対する理解不足からくる社会的偏見(スティグマ)もあります。

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社会的偏見とは?

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月経を「恥ずかしいこと」「汚いもの」と思われることで、そんな偏見に晒されて「誰にもバレたくない」という気持ちになる女性は多いです。

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原因は違えども生理の貧困は女性の心身に大きな負担となるので、生理の貧困はこれから思春期を迎える子どもを育てる保護者にとって無視できない問題となっています。

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「生理の貧困」とは?

「生理の貧困」とは生理用ナプキンやタンポンなどの生理用品を購入できない状況を指す言葉です。

”購入できない”には次の2つのパターンがあります。

 ・経済的な問題で購入できない

 ・生理に対する社会的偏見(「恥ずかしい」「不潔」等)から購入しにくい

生理の貧困には生理用品を買いにくいこと以外にも、

 ・トイレの設備の問題(サニタリーボックスがないや不衛生など)

 ・生理に関連する適切な知識・理解に対する教育不足

このような理由もあるようです。

「生理の社会的偏見」は身近でよくある

日本人の女性の多くは「生理(期間であること)は恥ずかしいから周囲にばれたく無い」と思っています。

多くの女性が「生理期間中のトイレはナプキン等を隠して持っていく」を経験したでしょう。

コンビニ等で生理用品を買えば、それが生理用品であると周囲から分からないように紙袋に入れるというサービスを受けます。

どちらも根底には生理を恥辱や不潔だと嫌悪する社会的偏見があります。

タブー(禁忌)の語源は”月経”である

”禁忌”を意味する「tabu」はポリネシア語の月経(tabu)であり、血は穢れという考えから月経中の女性(または女性そのもの)を禁忌とする考えが世界的にあります。

現代の『生理であることを隠さなければいけない』と感じるのはこの禁忌の遺物とも言えるでしょう。

月経期間中の女性をタブー視する理由には、

 ・経血に含まれる乳酸菌が発酵過程に影響を与えて酒などが不味くなるから

 ・血が死を連想する

このように科学的なものから、非科学的なものまであります。

どんな理由であれ平安時代には血は穢れという考えから、月経によって参内を控えたり、出産のために宮から実家に戻るという習慣がありました。

その後も血の穢れ(血穢)という月経禁忌の慣習は拡がり、穢れが移らないために月経時の女性を 小屋に隔離する慣習も生まれました。 

月経禁忌の慣習は明治時代初期から徐々に減ってきましたが、古い慣習が残りがちな地方の村などは戦後まで残っていたケースもあったそうです。

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生理の貧困による健康上のリスク

生理用品を購入できない女性には、生理用品の代わりに布切れ、ペーパータオル、トイレットペーパー、新聞紙などを使わざるを得ないケースもあります。

これは衛生的に問題があり、泌尿性器感染症(尿路感染症や細菌性膣炎など)などの健康上のリスクを生じさせる可能性があります。

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生理の貧困はコロナ禍で悪化

コロナ禍で収入が激減する人が多いなか、高校生と大学生を対象にした生理の貧困に関するアンケート調査では、

  経済的な理由で生理用品を買うのに苦労した …20%

  買えなかったことがある …6%

  生理用品を交換する頻度を減らしたことがある …37%

  トイレットペーパーなどで代用したことがある …27%

アルバイトができず経済的に困窮する学生が増える中、「生理用品は高いし、その分を生活費に回したい」という意見もあったようです。

調査をした会社「#みんなの生理」の共同代表・谷口さんによると

「想像以上に深刻な数字が出たというのが正直な感想です。今までは海外で起きていることという雰囲気がありましたが、ほとんど同じような状況が日本でも起きていると分かりました」

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日本政府の「生理の貧困対策」

日本政府は2021年3月23日にコロナ禍で生活に苦しむ女性向けに生理用品を無料配布すると発表した。

生理用品の配布は特定非営利活動法人(NPO)などを通じて実施し、その予算には内閣府の交付金があてられる予定です(閣議決定した2020年度予算の予備費の支出から約27億円を充当)。

生理用品の無料配布は世界中で実施

2020年11月に英・スコットランドは世界初となる生理用品の無料提供を義務付ける法案を可決しました。

この法案により学校や大学などでは生理用品が無料提供され、その他の機関などでも同様の措置が求められています(誰でも簡単にプライバシーが守られた状態で配布することが求められている)。

こうした取り組みは各国で検討中。

2021年2月にはニュージーランドの全ての小学校から高校で生理用品が無料配布、同じくフランスでも全ての大学で生理用品が無料で配布されることが決定されました。

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女性の負担を軽減する「フェムテック」

「フェムテック」とは「female technology」の略称で、女性の健康の課題をテクノロジーで解決する製品やサービスのことで、生理用品もフェムテックのひとつです。

最近ではコロナ禍に前線で闘う医療従事者向けに2300枚もの吸水ショーツが寄付されたことが報道されたように、生理による身体的生理的負担を軽減する生理用品も開発されています。

フェムテックは女性の身体的・精神的負担を軽減

フェムテックの起源は1960年代で、このとき開発・承認されたのが経口避妊薬(ピル)です。

コンドームから遅れて約100年、この技術により女性自身が安全に避妊することができるようになりました。

フェムテックは女性の体特有の悩みを解決する技術で、これにより身体的だけでなく精神的な負担も軽減されることになります。

フェムテック市場は現在拡大中で、2018年には6億2000万ドルを突破。

2030年には少なくとも30億ドルに到達すると推測されているようです(この成長の背景には「#MeToo」運動などフェミニズムの拡大がある)。

日本でもフェムテック市場の企業数は97社にまで増加しました(2020年11月現在)。

体の異常を無視しかねないフェムテックの危険性

フェムテックは便利な反面、体の異常や必要な反応を無視・軽視してしまう可能性があります。

生理痛に大量の経血などは婦人病など大きな病気の予兆であり、フェムテックで軽減・無効化せずに医療機関を受診するようにしなければいけません。

この医療との線引きが今後のフェムテックの課題とも言われています。

参考:フェムテックで可視化される「生理格差」 生理用品が買えない女性も (msn.com)

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