子どもが頬を虫に刺されて、赤く水ぶくれになってしまいました。
あまりにも痛々しくて、「市販薬よりも医薬品の方がよく効いてすぐ治る」とかかりつけ医から皮膚科を受診しました。
早めに皮膚科にいって良かったようです。
虫刺されであっても、悪化させないためにも早めに皮膚科を受診すれば早く治り、痕も残りにくいです。
[/word_balloon]そして処方されたのが「リンデロン-VG軟膏0.12%」(塩野義製薬)。
炎症・かゆみを抑えてくれる軟膏で、1日に2~3回塗るように指示されました。
何とはなしに成分を見れば、
「ベタメタゾン吉草酸エステル」って、これ、ステロイド剤?
子どもの顔にも使えるんだ…
今回はステロイド剤について。
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ステロイド剤は正しく使う
ステロイド外用薬は炎症を鎮めたりアレルギー反応を抑える効果があり、アトピー性皮膚炎を始め様々な病気に使用されます。
多くの薬に共通することですが、使用法を誤れば体に害を及ぼす危険性があります(副作用)。
ステロイドにネガティブなイメージがある理由
この副作用がステロイド剤は強めなことから使用するデメリットの議論が活発で、その影響で「ステロイド剤はあまり使用しない方が良いのでは…」と不安視する人も多いそうです。
ステロイドは処方薬の特別なものではない
虫刺されの市販薬にもステロイドが配合されたものがあります。
虫刺されの市販薬は、
・抗ヒスタミン剤がメイン … かゆみを抑えるタイプ
・ステロイド剤がメイン … 炎症を抑えるタイプ
抗ヒスタミン剤メインは、蚊など刺されて直ぐかゆくなる即時型アレルギータイプの虫刺されに効くようです。
逆にステロイド剤メインは、刺された直後にはかゆみが出ない遅延性型アレルギータイプの虫刺されに効くようです。
全く違うタイプの虫刺され薬なので、例えば「ムヒ」のシリーズには、抗ヒスタミンメインのものと、ステロイド剤メインのものがります。
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ステロイド剤の副作用とは?
今回の虫刺され薬のように、外用タイプのステロイド剤が起きる副作用は塗った場所にだけに発生するのが一般的です。
にきび、毛包炎、多毛、口囲皮膚炎などが代表的な副作用です。
発生する副作用のうち、ほとんどが可逆的副作用、使用を中止すれば治るものです。
しかし体質などにより、稀ですが使用を中止しても治らないこともあるようです(不可逆的副作用)。
ステロイド剤の多用は危険
ステロイド剤を頻繁に塗ることにより肌の免疫力が弱まると、アレルゲンや細菌からの防御力は弱まってしまいます。
結果として、アレルギーや感染症の罹患リスクが高まります。
虫刺され部分で肌の免疫力が弱まると、炎症が悪化したり、トビヒなどの細菌感染などが起きることがあります。
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ステロイド外用剤の強さは5段階
ステロイド外用剤には5段階の強さランク(Ⅰ群~Ⅴ群)があります。
薬を塗る場所によってステロイド外用薬は厳密に使い分ける必要があります。
Ⅰ群 : 最も強い
Ⅱ群 : 非常に強い
Ⅲ群 : 強い
Ⅳ群 : 普通
Ⅴ群 : 弱い
子どもが今回処方された「リンデロンVG」はⅢ群に分類されます。
リンデロンは全部で4種類あり、リンデロンDPはⅡ群、リンデロンVはⅢ群、眼や耳に使用できる特別なステロイドを配合したリンデロンAはⅤ群相当と分類されています。
例えば、足を虫に刺されたお父さんがリンデロンDP(Ⅱ群)を処方されて、同じように虫に刺されたからといって子どもの顔に塗るのは大変危険です。
足と顔で塗る場所が違うし、お父さんと子どもでは皮膚の厚みが違う、そのためステロイドの吸収率が大きく異なります。
子どもに処方されたものは、その子どもだけに使ってね。
保護者の自己判断で勝手な使い方をしない、家族や兄弟間で薬を使いまわしたりしないようにね。
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ステロイド外用剤と保湿剤の併用
「リンデロン」にようなステロイド外用剤を、「ヒルドイド」などの保湿剤と併用するとより高い効果を得られるそうです。
ヒルドイドは高い保湿力が注目され、美容目的で使用する例が最近問題視されている薬です。
実際に問題の現場を目撃。
薬局で子どもの薬が処方されるのを待つ間、後から来た子供連れのお母さんが、
うちの子のアトピー性皮膚炎にヒルドイドがすごく効くから、1本じゃなくて3本くらい処方してくれない?
[/word_balloon]無理だという薬剤師さんにごり押ししてました。
ちなみに、このお母さんは先月も同じことをしたようです。
自治体の補助により子どもの医療費は無料なので、子どもに処方されたヒルドイトを自分で使う母親が急増しているようです。
病気で困っている人をより困らせないためにも医療費の不正利用は絶対にやめるべきだと痛感しました。
[su_label]ー この記事はここで終わりです -[/su_label]
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