温度差が原因で咳や鼻水が出ることを「寒暖差アレルギー」と言います。
アレルゲンに反応しているわけではないので厳密に”アレルギー”とは言えないのですが、咳や鼻水などアレルギー反応に似ているため広義的に”アレルギー”と言われています。寒暖差に耐性が低い人の場合は5℃以上の温度差で起きるといわれています。
今週の埼玉は昼と夜の気温差、前日との気温差がとても激しい日が続いています。今週初めは小春日和だったのに、今週末は雪が降るとても厳しい寒さ……喉を傷めやすいので、今週は私も子どもたちもマスクを常時携帯しています。
寒暖差は体に疲労も蓄積させます(寒暖差疲労)。寒暖差疲労は「肩こり」や「だるさ」といった症状で現れます。
寒暖差アレルギーが起きる原理
温度変化が小さな場合、自律神経が働いて血管を拡げたり縮めたりします。暖かいと熱を逃がすために血管が拡がり、寒いと血管を縮めて熱を保とうとします。
温度変化が大きい、もしくは変化が急激の場合、自律神経が働く間もないので血管はそのまま、体は温度変化のショックを受けることになります。温度変化によるショックが先だと自律神経も乱れて体調不良を引き起こします。
暖かい→寒いの寒暖差による刺激(寒冷刺激)は喉や鼻の粘膜を傷めて炎症を起こします。寒冷刺激を強く受ける人は蕁麻疹が出たり、呼吸が苦しくなったり、関節の痛みを訴えるなどの症状があります。
冬の暖かい部屋から屋外に出たときはもちろん、夏に暑い屋外から冷房の効いた室内に入ったときも寒冷刺激を受けることがあります。
寒暖差アレルギーが起きる原因に自律神経の乱れがあるため、自律神経が乱れやすい女性の方が寒暖差アレルギーを起こしやすい傾向にあります。
寒暖差のできるだけ小さくする
寒暖差アレルギーを起こさないためには、血管への寒冷刺激をやわらげ、自律神経を乱れさせないことがポイントになります。
血管への寒冷刺激を和らげるには、体表近くで大動脈が流れている首、手首、足首を温める方法が有効です。血管は筋肉で覆って保温されていますが、首、手首、足首は筋肉は少ないため、ここにある大動脈を流れる血液は気温変化の影響を受けてしまいます。
この首、手首、足首を温めると血行がよくなり、冷え性の改善にもつながります。
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マスクで喉や鼻の粘膜への刺激を抑える
寒冷刺激を受けやすく、傷めやすいのは喉や鼻の粘膜です。寒暖差アレルギーの症状に咳や鼻水が多いのはこれが原因です。
喉や鼻への寒冷刺激を防ぐためにはマスクが有効です。
マスクをすることで、マスクの内側が保温されて寒暖差が和らぎ、呼気に含まれた水分で保湿されます。粘膜が乾燥すると刺激を受けやすくなりますので、炎症を起こして傷めないためには保湿が有効です。
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筋肉量を増やして血管の温度を保護
適度な運動をして筋肉量を増やすことで血液の温度が保護され、寒冷刺激を弱めることができます(寒冷刺激が弱い=寒暖差アレルギーの改善)。
女性の方が自律神経が乱れやすい傾向にあるのは、女性の方が男性に比べて筋肉量が少ないこともあります(筋肉量が少ない=血管の温度を維持する機能が劣っている)。
筋肉量を増やす効果は弱いですが、自律神経を整えるのにはストレッチやヨガが有効です。特に寝起きのストレッチが有効です。自律神経が整えば寒暖差アレルギーも緩和されます。
質の良い睡眠をとって体を回復させる
質の良い睡眠をとらないと自律神経が乱れて寒暖差アレルギーを起こしやすくなります。睡眠不足になると体の回復も間に合わず、寒暖差疲労も起こしやすくなります。
質の良い睡眠のためには、睡眠促進ホルモン「メラトニン」の分泌が重要です。
メラトニンの分泌を促進するのは神経伝達物質「セロトニン」です。セロトニンは体内に溜めておくことができないので、食べ物から摂取するしかありません。セロトニンを体内で生成する栄養素は、必須アミノ酸のトリプトファン、ビタミンB6、炭水化物の3つです。バナナはこの3つの栄養素を含む優良な食材です。
乳製品と大豆製品には自律神経を整えるために必要な必須アミノ酸「トリプトファン」が豊富に含まれています。トリプトファンは体内で作ることができないため食事で取り入れるしかありません。
また、ストレスは自律神経を乱れさせる要素の1つです。
牛乳やチーズなどにはストレスを抑えるカルシウムも豊富に含まれているので積極的に摂取するようにします。緑黄色野菜にはストレスから心身から守るアドレナリンの合成に必要なビタミンCが豊富なので、乳製品に合わせて積極的に摂取すると良いです。
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