6月には『歯と口の健康週間』があります(2021年は6月4日~6月10日)。
『歯と口の健康週間』の歴史は長く1928年(昭和3年)から始まった活動で、いまは厚生労働省、文部科学省、日本歯科医師会、日本学校歯科医会が実施しています。
小学校からのお便りを見たときに「歯と口?」と首を傾げましたが、この活動はいろいろ名前を変えていて、私が小学生の頃は『歯の衛生週間』でしたが2013年に名称改めて『歯と口の健康週間』に変わったようです。
学校が率先して活動しているのは、「歯と口の健康にすることで生きる力をはぐくむため」と言われています。
参考:学校歯科保健参考資料「生きる力」をはぐくむ学校での歯・口の健康づくり:文部科学省 (mext.go.jp)
今回は歯垢を赤く染めて歯の磨き残しをチェックする『歯垢染色剤(カラーテスター)』についてまとめました。
[su_label type=”info”]スポンサードリンク[/su_label]
カラーテスターとは
カラーテスターは『歯垢染色剤』と言われ、口腔内の思考の染め出しを行う薬品です。
染め出し剤に含まれる色素が歯垢の中のタンパク質と多糖類に結合するため、歯垢のない歯(よく磨けている歯)は色素が結合せず染まりません。
カラーテスターは赤色のものが一般的ですが、歯医者さんでは赤と青の二つの色素を混ぜたものを使うことがあります。
二つの色素を使うことで歯垢の中でも古い歯垢と新しい歯垢を分け、日ごろの歯磨きのクセなどをチェックすることができます。
歯垢の新旧が分かるのは細菌密度の差で、青い色素の方が小さな隙間に入り込む性質があるため、細菌密度の高い古い歯垢に浸透して結合し青色に染まる性質があります。
参考:歯垢染め出し剤のしくみを教えてください。│コカネット (kodomonokagaku.com)
カラーテストの合格基準(目標値)
歯垢は黄白色をしているため歯との見分けがしにくく、そのため口腔内の歯垢を赤や青で染めることで歯垢がより可視化され、歯面清掃の補助や歯面清掃指導がしやすくなります。
カラーテストで染色部位が全体の20%以下であることが目標とされています(プラークコントロールレコード※)
※1972年にO’Leary, DrankeとNaylorが開発した歯周病に関する指数の一つ。O’Learyは染色部位の目標値を10%以下としたが一般的には20%。
子どもの歯の磨き残しを防ぐワンタフトブラシ
ワンタクトブラシとは毛先が一束だけのブラシです。
ヘッドの部分が小さいため奥歯の奥や、歯の隙間汚れにアプローチしやすいため洗浄力が高さが注目されています。
歯科先進国スウェーデンではワンタフトブラシをメインの歯ブラシとして使用している人も少なくないそうです。
歯が自慢できない私の個人的な感想ですが、ワンタフトブラシを使い始めたら、歯茎が上がってきて健康的なピンク色になってきました。
歯医者さんによると歯茎が赤い(赤黒い)のは炎症を起こしているからとか。
ちなみに今回子どもがワンタフトブラシに挑戦。
カラーテスターで磨き残しが指摘されたところをピンポイントで洗浄することができました。
子どもによると「いつも使っている歯ブラシと同じ使い方だから歯間ブラシよりも使いやすい」とのこと。歯間ブラシは硬くて痛いといった経験もあります。
ワンタフトブラシカラーテスターの成分(例:SUNSTAR)とアレルギー反応
SUNSTARのカラーテスターの成分は乳糖、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、食用赤色 104号、香料(オレンジ百合愛)、サッカリンナトリウム、プロピレングルコールです。
日本口腔衛生学会によると、カラーテスターによるアレルギーは過去に2回アナフィラキシーショックが報告されているようです。
※報告はあるがカラーテスター(歯垢染色剤)とアナフィラキシーとの間には明確な因果関係が科学的に立証されていない
アナフィラキシーショックを発症したのは2例とも3歳児(ひとりはアナフィラキシーの既往歴あり)。
そのため小学校で一斉にカラーテストを実施する場合は、事前に保護者へアレルギー様症状の経験の有無を確認しておく必要があると言われています。
参考:歯垢染色剤の使用に関する見解(日本口腔衛生学会 2018年3月)
カラーテスターの色素(赤色104号:フロキシン)の安全性
プラークテスター1錠の中には約5㎎の赤色104号(フロキシン)が含まれています。これは体重20㎏程度の子どもが1回に1瓶飲み込んだとしても安全と言われる量のようです。
そうでなくても、厚生労働省によると、赤色104号(フロキシン)は色素の分類で一番安全な物質にの中に入っています。
赤色104号は、菓子(あめ、焼き菓子、和洋菓子)、農水産加工品(かまぼこ、福神漬け、たらこ、たこ、ソーセージ、ジャム、佃煮など)、清涼飲料水、洋酒、缶詰製品など、色の付いている食品によく使われています。
特殊毒性試験のなかの「発癌性の有無」については、一般にスクリーニングテストとし
て知られる変異原性試験では陰性でした(厚生労働省が実施したAmes試験)。
さらに催奇性の有無についてもラット試験で異常はなかったようです。
[su_label]ー この記事はここで終わりです -[/su_label]
[su_label type=”info”]スポンサードリンク[/su_label]
[su_label type=”info”]ブログをメールで購読[/su_label]
メールアドレスを入力して「購読」すると、更新をメールで受信できます。