転職 に向けて活動していた旦那に「最終面接合格の通知」が届きました。
これで転職活動は終わり……いや、「いまの会社に退職届を出したあと転職先から『この話はなかったことに』と言われたらどうなる?」と不安になりました。
今回は「この話はなかったことに」と言われたときの法的な補償について。
転職 の話が”なかったこと”になったら、どの段階なら法的な補償を受けられる?
内定承諾書を取り交わした後に、転職先の会社から一方的に「この話はなかったことに(内定取り消し)」と言われたら損害賠償を請求できます。
内定とは「解約権留保付き労働契約」の通称で、内定承諾書を取り交わしたことで契約が成立します(契約成立後は法的拘束力が発生)。
内定によって労働契約が結ばれたこととなるので、その後の内定取り消しは「解雇」扱いとなり、正当な理由なく採用を取り消した場合は「違法解雇」となります。
転職 の話が”なかったこと”になったときの補償内容は?
内定取り消しによる損害賠償額の相場が50万円~100万円となっているようです。
損害賠償なしで 転職の話を”なかったこと”にできる条件
内定のときに取り交わす労働契約には解約権が留保されています。
「解約権が留保」とは、”ある条件を満たせば一方的な契約解除が認められる”という意味で、つまり条件を満たしていればどちらかが一方的に解約しても損害賠償が発生しないことになります。
内定者側が損害賠償なしで内定を”なかったこと”にできる条件(内定辞退)
就労開始予定日より2週間以上前に申し出た場合は解約権が行使できます(=損害賠償なしで内定辞退ができる)。
企業側が損害賠償なしで内定を”なかったこと”にできる条件(内定取り消し)
企業側が解約権が行使するには(=損害賠償なしで内定取り消しをする)、次の2つの条件を満たしていなければいけません。
- 内定当時で知ることはできない、また知ることが期待できないような合理的事由がある
- 社会通念上相当とされる
↓ 具体的な例
- 卒業できなかった、または退職できなかった
- 就業に必要な資格を取得できなかった
- 体に大きな障害を負ってしまった(業務に影響がある障害を隠していた)
- 健康状態が大きく悪化してしまった(病気やケガによって業務が行えない)
- 学歴や経歴に虚偽があった
- 刑事事件の被疑者として逮捕・起訴された
具体的な例をみると、内定者に瑕疵があり、かつ正当な措置だと一般的に判断されなければ解約権が行使できません。
解約権を行使する理由として多いのが「業績不振」ですが、多くは「業績赤字やリストラは予測できた」と判断されて解約権は行使できない例が多いです(違法解雇となって企業側に賠償責任が発生)。
感染症は解約権行使の事由になるのか
2020年冬、大手企業が何社も解約権を行使して内定取り消しを実行しました。
理由は新型コロナウイルス感染症の拡大で、2019-2020年冬に流行し始めた新型コロナウイルス感染症が「内定時点(2019年秋)では考えられない大事件であり、採用が難しくなった原因となるのは仕方がない」と判断されたからです。
これは「感染症の感染拡大により考えられない事態が発生した場合は企業側の解約権行使が認められる」事例になりました。
転職 することを告げるのは内定後がいい
退職の意思があることを告げるのは内定後がいいです。
法的拘束力による賠償請求の問題もありますが、転職の場合は最終面接合格後に給与交渉が始まり、給与の折り合いがつかず「この話はなかったことに」となるケースも少なからずあるからです。
新卒採用と異なり、転職の場合は給与交渉が必要です。
給与交渉は源泉徴収票や直近の給与明細等を根拠としながら進むのが一般的ですが、市場価値によっては給与が飛躍的に上がる可能性があります。
ビジネスパーソンの市場価値を知るのは転職エージェントで、彼らは転職したい人の経歴や希望を客観的に評価し、給与交渉も代行してくれます。
転職エージェントは紹介する会社の近況も分かっているので、内定後に業績不振などのトラブルに巻き込まれるリスクが低いです。