年末調整に向けて10月になると各種控除証明書が届き始めます。
我が家も銀行(住宅ローン)と保険会社から届きました。
控除証明書は年末調整のときに原本を提出します。紛失した場合は郵送で取り寄せる手間と時間がかかるので、しっかりと保管しておくようにします。
年末調整は給与所得者独特の制度で、いわば、簡易版確定申告です。
さらに、給与所得者は毎月給与から所得税・住民税が天引きされるので税制度に意外と疎く、年末調整の書式の変更の裏に事実上の増税があっても気づかなかったりします。
2020年分年末調整の書式変更の背景にはまさに事実上の増税があります(それも給与所得者を狙い撃ち)。
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2020年分の年末調整の書式変更点
2020年の年末に給与所得者が実施する年末調整の書式が、従来のものから2点変更になりました。
- 給与所得者の配偶者控除等申告書の書式・名称変更
- 扶養控除等申告書に『ひとり親控除』追加
給与所得者の配偶者控除等申告書の書式・名称変更
従来の『給与所得者の配偶者控除等申告書』に次の2つが追加されました。
- 給与所得者の基礎控除申告
- 所得金額調整控除申告
よって書類の名称が『給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書』になりました。
長い!
扶養控除等申告書に『ひとり親控除』追加
扶養控除等申告書に「ひとり親」が追加されます。
婚姻歴・性別によらず全てのひとり親(所得が500万円以下)に対して『ひとり親控除』(35万円)が適用されるようになったためです【新設】。
従来の寡婦(夫)控除は“離婚や死別によって配偶者がいなくなった(ひとり)親”のみに適用されていたため未婚のひとり親との格差解消が狙いです。
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給与所得者は事実上の増税(控除額の減少)
2020年1月から一部を除く給与所得者の給与所得控除額が一律10万円下がります(給与所得控除の上限額が220万円→195万円に引き下げられるため、年収が850万円を超える人は10万円以上の引き下げ)。
これは所得者全員に該当する基礎控除額が一律10万円上がり38万円→48万円になったことが関係しています(合計所得金額が2400万円を超える人は除く)。
一方で10万円下がって、もう一方で10万円上がったからトントン?
いえいえ
給与所得者だけは控除額が下がるので事実上の増税です。
給与所得控除額
年収 | 2019年分【変更前】 | 2020年分【変更後】 |
162.5万円以下 | 65万円 | 55万円 |
162.5万円超 180万円以下 | 収入金額×40% | 収入金額×40%-10万円 |
180万円超 360万円以下 | 収入金額×30%+18万円 | 収入金額×30%+8万円 |
360万円超 660万円以下 | 収入金額×20%+54万円 | 収入金額×20%+34万円 |
660万円超 850万円以下 | 収入金額×10%+120万円 | 収入金額×10%+110万円 |
850万円超 1,000万円以下 | 収入金額×10%+120万円 | 195万円(上限) |
1,000万円超 | 220万円(上限) | 195万円(上限) |
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転職・離職した場合の年末調整
原則では、「年末調整はその年で最後の給与をもらった企業で行うこと」となっています。
しかし各企業によって
- 締め日や給与支給日が異なる
- 給与が月払いだったり翌月払いだったりする
- 年末調整の時期が異なる
以上のことから、10月以降の転職の場合は自分で確定申告をする必要がある可能性が高いです(2020年分の確定申告は2021年2月16日(火)~2021年3月15日(月))。
年末調整は「給与所得者向け確定申告」なので、実際に税務署等で確定申告をすれば問題ありません。
また、所得税に関する申告内容は自動的に後から提出された内容に上書き修正されるので、年末調整の申請で記載内容に誤りがあっても確定申告で正しい内容を申告すれば問題ありません(特に取り消しや修正などの手続きはない)。
新たな会社での年末調整でも、自分で確定申告でも、前の会社から発行される源泉徴収票(原本)は必要なので保管しておきます。
滅多にありませんが、源泉徴収票を発行してくれない会社もあります(←所得税法違反)。この場合は管轄の税務署に相談に行きましょう(その結果、大体が「源泉徴収票の不交付の届出書」の提出する)。
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副業がある場合は年末調整して確定申告
副業で得た所得(収益)が20万円以上ある場合は、会社で年末調整した後に、自分で確定申告する必要があります。
2020年分の確定申告は2021年2月16日(火)~2021年3月15日(月)
※コロナなどの事情により期間が変更する可能性あり
(実際に2019年分の確定申告は締め切りが延長)
年末調整で申告した内容に追加する形になるので、基本的に副業に関する項目を入力するだけです。
住宅ローン控除・保険控除など年末調整で出来る控除は“すでに申告済み”となるので改めて申告は不要です。
『クラウドワークス』のようなクラウドソーシングで得た収入や、ウーバーイーツの配達員のように業務委託契約によって得た収入の所得区分は『雑所得』になります(所得=収入-必要経費)。
[su_label]ー この記事はここで終わりです -[/su_label]
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