確定拠出年金を福利厚生のひとつとして退職金を積み立てている会社は多いですが、ろくに知らずに確定拠出年金に加入していませんか?
ろくに知らなくても始めたら原則60歳までやめられないのが確定拠出年金。
退職すると個人型確定拠出年金として自分で運用しなければいけません。
このたび私も10年間勤めていた会社を退職し、企業型確定拠出年金(DC)から個人型確定拠出年金に移管手続きをしなければいけなくなりました。
今回は確定拠出年金についてまとめました。
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確定拠出年金とは将来の自分のための年金の積み立て
確定拠出年金は将来の自分のための年金の積立制度で、現役時代からコツコツ積立て&運用していけば将来もらえる(はずの)公的年金に上乗せすることができます。
公的年金は払った分が全額自分に返ってくることはありませんが、確定拠出年金で運用してできた資金は将来まるっと自分がもらえます(もらえきれずに死んだ場合は遺族が相続)。
確定拠出年金のモットーは『自助努力』です。
”自分の身は自分で助けろ”というやつで、「自分の老後の資金は自分で貯めて運用して増やす」ということです。
今までは公的年金だけで老後の生活をカバーできたようですが、相次ぐ給付金の低下&給付開始年齢の引き上げ等が原因で私たち世代は老後の資金を自分で準備しておく必要が生じました。
いまの年金世代はずるいなぁ、と思いますが…
羨んでも1銭の得はしないのでグッとこらえて。
確定拠出年金が普通の資産運用よりも得な理由(確定拠出年金のメリット)
確定拠出年金で所得から拠出する資金は”年金”として扱われるため、この資金は全額所得控除の対象となり、さらに運用で得た利益(運用益)も全額非課税となります。
この税制優遇が普通の投資信託などの資産運用よりも得な理由です。
- 半強制的に資産が形成される
- 長期間運用できる
確定拠出年金で運用している資産は原則60歳になるまで引き出せないため、半ば強制的に資産が形成されます。
また運用は70歳まで可能です。20歳で始めれば約50年間、拠出金に運用益を併せて長期間運用されれば比較的低いリスクで資産を増やす可能性が高くなります。
確定拠出年金が普通の資産運用よりも損な理由(確定拠出年金のデメリット)
確定拠出年金で運用している資金は年金なので、原則60歳まで引き出すことができません。
資産として年金以外の活用方法がないのが普通の投資信託などの資産運用よりも損な理由です。
一度始めちゃったら60歳までその資産は年金資金として運用されます。
- 急な出費に対応できない
- 元本割れのリスクがある
もう一つは元本割れのリスクです。確定拠出年金で資産を運用するために活用する商品のほとんどは元本変動型の投資信託です。
投資信託は預金よりも多くの運用益が期待できますが、その代償のリスクとして価格変動、為替変動など様々なことが原因で資産価値が下がり元本よりも少なくなる可能性もあります。
確定拠出年金は転職・退職したら資産の移管手続きが必要
確定拠出年金は年金として60歳になるまでずっとついて回りますが、この資産の管理元は転職・退職したら変わることがほとんどです。
資産の管理元として、企業型確定拠出年金制度のある会社(A社)の従業員はA社の確定拠出年金または個人型確定拠出年金(iDeCo)を利用できます。
A社の確定拠出年金を利用していた人がB社に転職した場合、B社にB社の確定拠出年金があればB社の確定拠出年金または個人型確定拠出年金にA社のときに積み立てていた資産を移管します。
移管時はA社の確定拠出年金で運用していた金融商品を全て時価で現金化して新しい確定拠出年金制度に移管、移管後新しく金融商品を購入することになります。
退職した会社が加入資格喪失の手続きをしてくれる
A社を退職するとA社の確定拠出年金に加入する資格を喪失するので、最後の拠出が終了した時点で会社側が確定拠出年金の管理機関に対して加入資格喪失の手続きをしてくれます。
手続き後、約1ヶ月以内に加入者の自宅宛てに郵送で『加入資格喪失のお知らせ』が届きます。移管手続きにはこの”お知らせ”にある情報が必要となります。
加入資格喪失後6ヶ月以内に移管手続きをしないと損をする
移管手続きには期限があり、加入資格喪失後から6ヶ月以内に移管手続きをしないと資産が一度取り上げられてしまいます。
もちろん所定の手続きをすれば資産は戻りますが、移管手続きを2回することになるので移管手数料が倍かかってしまうことになります。
転職先に企業型確定拠出年金制度があれば利用した方が得
確定拠出年金では移管時に発生する移管手数料と、口座を維持管理するために毎月発生する管理手数料があり、企業型確定拠出年金利用者は企業がどちらも負担してくれます。
個人型の場合は自己負担で、運用している資産から天引きされるケースがほとんどです。また、企業型→個人型に移管するときの移管手数料(約3,000円)も自己負担となります。
移管先の金融機関に新たに口座を開設
確定拠出年金は20歳~60歳の年金番号が付与されている人なら誰でも開設できますが、(2022年からは65歳まで開設可能)、1人1口座しか持つことができません。
退職後に新たに勤めだした企業に企業型確定拠出年金制度がある場合、新しい会社の担当者に移管に関する手続きを申し出てください。
企業型の場合の多くは拠出金を会社が決定しています(追加で個人が任意で拠出金を増やすケースも増加)。
それ以外の場合は個人型確定拠出年金に移管しなければいけません。個人型確定拠出年金は取り扱っている金融機関ならどこでも開設できます。開設するときは
- 口座管理手数料などの手数料の比較
- 取扱商品の比較
以上、2つが重要です。
特に手数料は重要で、私は手数料の安いSBI証券に個人型確定拠出年金の口座を開設しました(大和証券の企業型確定拠出年金から2017年に移管)。
【移管先がiDeCoの場合】運用方針を決める
企業型から個人型に移管する場合、新たに自分で資産を拠出するか(加入者になる)、今までの資産だけを運用するか(運用者になる)の2つから決めます。
加入者の場合、拠出金は5,000円から1000円単位で設定します(年収などで拠出金には上限がある)。拠出金は全額所得控除されます。
現在納めている保険料から将来もらえる年金額(目安)を算出し、老後の生活費等との差額からいくら拠出すると良いかが分かります。拠出金は年1回変更できます。
納めている年金が国民年金の場合
2万円×加入年数=毎月の老齢年金支給額(目安)
納めている年金が厚生年金の場合
平均年収×0.55%×加入年数=毎月の老齢年金支給額(目安)
確定拠出年金の資産配分(運用成功のキモ)
確定拠出年金で運用する金融商品は預金、保険、投資信託の3種類です。投資信託は投資対象資産が国内株式、国内債券、外国株式、外国債券、不動産(REIT)など何種類かあります。
確定拠出年金では運用する資産の配分が大切で、初めてで分からないときは資産配分済みのバランス型の投資信託商品で運用すると良いです。
預金と保険を除きほとんどの金融商品に運用リスクがあります(保険は元本確保型ですが満期前解約の違約金で元本が減る可能性あり)。
代表的なリスクは金利変動、価格変動、為替変動で、ひとつのリスクが他のリスクを引き起こして商品価値に大きな影響を与えることもあります。
資産配分は運用していると割合が変化するので、定期的な見直しが大切です。
常に理想的な資産配分がされていることが運用成功の大きなポイントになります。
確定拠出年金では拠出金の金額を変更できる
確定拠出年金は原則60歳までやめることはできませんが、拠出金の金額を変更することができます(毎月5,000円以上で1,000円単位で変更可能)。
また区分を「加入者」ではなく「運用指図者」に変えれば、毎月の拠出金はゼロ円でいまある資産だけを運用することが可能です。
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