境界杭の復元 、家を建てるために土地を購入したときにそんな義務があることを知りました。
土地の境界位置を示す「 境界杭 」の扱いは現在は厳密で、土地の相続や売買するときに全て揃っていなければいけません。1本でも欠損していたら復元しないといけないのですが、仲介業者の不注意などで土地の売買後に欠損に気づくことも多いそうです。
気づかなかったから仕方がない……ではすみません。
家を建てるときに土地の形を測量するのですが、そのときに境界杭を使うので、家を建てる前に必ず全て復元しておかなければいけません(復元は義務)。
問題は「誰が境界杭を復元させるか」、つまり境界杭の復元にかかる費用をだれが負担するかです。
【体験談】 境界杭の復元 にかかる費用を売り主に負担してもらう方法
土地の売り主に初手で提示する『不動産購入申込書』の購入条件に「境界杭の明示」と書いておくとよいです。
我が家が購入した土地も境界杭が1本欠損していましたが、不動産購入申込書に「境界杭の明示」とかいておいたおかげで復元にかかる費用(1本あたり約20万円)は売り主が全額負担しました。
不動産業者は「とりあえず書いてください」と不動産購入申込書を軽く扱いますが、建築会社などに相談してきちんと書かないと後から大変なことが起きます。不動産契約申込書も契約書、契約書を甘く見てはいけません。
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境界杭の復元 に20万円もかかる理由
土地家屋調査士(士業者)に復元依頼をするからです。士業者、つまり「士」がつく職業の人に作業を依頼するときにかかる費用は高額です。
ちなみに「1本約20万円」は目安です。
復元費用は「土地の広さ」「誰が所有している土地との境界杭か」「士業者」の3つで大きく変わり、この約20万円はあくまでも目安です(約70坪、公道と民地を区切る境界杭)。
境界杭の復元 に必要なプロセス
境界杭は大きく2つのプロセスを経て復元されますが、土地家屋調査士がやること1つずつに費用と報酬が発生するので 境界杭の復元 にかかる費用は高額になります。
土地の調査と測量
法務局や道路管理局(県または市)でまず土地に関する調査をし、現地を事前に調査し、実際に現地を測量します。
【調査と測量にかかる費用 ( )内の金額は目安】
- 関係地権者の所有権調査(15,000~40,000円)
- 現地調査(35,000円)
- 現地測量(70,000円~)
「現地調査」といっても所要時間はほんの数分、傍から見てもぐる~っと周囲を見渡して、境界杭を目視で確認しただけです。無資格者の八つ当たりもありますが、「これで35,000円!資格や免許ってすごい!」と思いました。
関係地権者の所有権調査も「こんなに高いの!?」です。関係地権者の所有権は法務局で簡単に調べられるからです。
境界杭を復元
隣接地の所有者および道路管理者立ち合いのもと境界杭を復元します。
【境界杭の復元にかかる費用 ( )内の金額は目安】
- 復元境界標・分筆境界標設置(30,000円~)
- 公共用地境界立ち合い(16,000~54,000円)
- 公共用地境界確認書発行手続き(15,000円)
- 民地境界立ち合い(1隣接地につき7,400円)
- 境界確認書取り交わし(1隣接地につき10,000円)
もう全てが「こんなに高いの!?」です。隣地の所有者が遠方の人の場合は交通費もかかり、それも別途請求されるそうです。
境界杭の復元 は境界の客観性を保つために絶対必要
境界杭(境界標)は境界に関して唯一絶対的なものであり、客観的に境界を示す必要があるときに一番優先されるものです。
境界杭で証明される絶対的な境界を「公法上の境界」と言います。一方で、双方の所有者同士で所有権について取り交わすなどで決まった「私法上の境界」がありますが、公法上の境界の方が優先です。
境界杭の素材や大きさに決まりはありません。
かつては石や木など自然物を境界杭として使用していましたが、最近ではコンクリート製や金属製の杭やプレートを境界杭(境界標)として使用するのが一般的です。
境界杭は境界線の折れる部分(折れ点)には必ず挿していなければなりません(杭は地中に埋まっていることもあります)。境界杭同士を直線で結べば土地の形・大きさが明確になるようになっています。
境界杭の復元 を避けるため、購入後は保全に気をつける
境界杭の復元費用は1本20万円であり、保全には気を使う必要があります。
【境界杭を破損・紛失する主な原因】
- ブロック塀の基礎工事
- 下水工事や道路工事
- 大型車が踏んでしまう
境界杭は工事のときに壊れてしまうことが一番多いです。
工事の頻度を思えば欠損しやすい杭は道路との境界杭、復元にも比較的お金がかかる杭ということになります。
【境界杭保全のために必要な手順】
- 工事前に工事業者と共に境界杭を確認する
- 工事業者と覚書を取り交わす
- 工事完了後、再度工事業者と共に境界杭を確認する