ヤマハ(YAMAHA)から<MT-25のリコール>に関する案内とホンダ(HONDA)から<STEP WGNの改善対策>に関する案内が届きました。愛用車が2台とも市場回収車両となった旦那は「今年は当たり年だ」と年末ジャンボ宝くじに熱い目線を送っています。
今回はリコールに関する基礎知識をまとめてみました。
自動車のリコール制度とは?
『自動車のリコール制度』とは事故・トラブルを未然に防止するため、メーカーが既に一般社会で使用されている自動車を無償で回収して修理することです。リコールの案内は車検証に登録されている使用者の情報をもとに、メーカーからDMが発送される方法が一般的です。
”自動車の”と製品が限定されるのは道路運送車両の保安基準がこのリコール制度の基準となっているからで、他の安全基準を基準としたリコール制度もあります。
事故・トラブルを未然に防ぐためにメーカーはリコールを起こしますが、お金もかかることなので「できればやりたくない」ということもあるでしょう。そうさせないのがリコール制度です。
リコール制度は国土交通省が管理しています。国土交通省はリコールにおいて次のような役割を担っています。
- 自動車不具合情報ホットライン等を活用した不具合情報の収集・分析
- メーカーのリコールへの取組状況の調査
- 取組状況が不適切であれば指導または監査等
- 届出内容が不適切であれば改善指示
- メーカーが自主的にリコールを行わず、かつ、事故が頻発している場合には勧告・命令
自動車不具合情報ホットラインの活用
自動車不具合情報ホットラインは消費者から自動車の不具合情報を収集している機関です。国土交通省の管轄で、リコールの迅速かつ確実な実施のために設置されています。
自動車を使用しているとき、自動車本体、タイヤ、チャイルドシート等に異常を感じたら自動車不具合情報ホットラインに連絡しましょう。正確な情報把握のため、連絡のときには必ず手元に車検証など車両情報の分かるものを用意しましょう。
電話での受付:0120-744-960(年中無休・24時間)
但し、オペレータ対応時間は平日9:30~12:00/13:00~17:30となっています。電話連絡以外にも、公式サイトに設置されたメールフォームで連絡することもできます。
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メーカーは国土交通大臣にリコールを届出
メーカーは国に対して保安基準に適合しない又は適合しないおそれのある箇所、その修理方法を報告(届出)します。届出を受け取った国土交通省はプレスリリースを行い、情報を発信します。
国土交通省の公式サイトで自動車リコールの届出情報の一覧および各詳細内容を見ることができます。例えば、今回のヤマハのリコールを検索すると、国-4375-1及び国-4375-2が見られます。
但し、国土交通省がプレスリリースをしても対象車両の全ユーザーがその情報を見るとは限らないので、メーカーは全ユーザーに対してリコールの案内(DM)を送ることが多いです。
リコールのDMが届いた後はユーザーの責任
ユーザーには自分の自動車が保安基準に適合するように点検かつ整備をする義務があります。そのため、リコールの案内がきたら必ず修理を受ける必要があります。
リコールの案内(DM)が届いた後の責任はユーザーにあります。
リコールの案内を無視して未対応の車両を運転して事故を起こした場合、保険で補償されない可能性が出ます。また、車検にはそのままでも合格することもありますが(確率は低い)、リコール車両一覧や実施状況のデータは長く残るので車検証と同時にリコール未実施という用紙を渡されるようです。
リコール、改善対策、サービスキャンペーンの違い
メーカーが車両の安全走行のために市場回収を行う方法には、「リコール」「改善対策」「サービスキャンペーン」の3つがあります。
【リコール】
道路運送車両の保安基準に適合していない又は適合しなくなる恐れがある状態です(原因が設計又は製作過程にあると認められるとき)。保安基準に不適合となる可能性があるため、修理未実施の場合は車検に通らない可能性が高いです。
【改善対策】
道路運送車両の保安基準に規定はされていないものの不安要素がある状態です(こちらも原因が設計または製作過程にあると認められるとき)。「改善対策」もリコール同様に、安全確保の観点からメーカーから案内があったらユーザーは修理を受ける必要があります。
【サービスキャンペーン】
リコール届出や改善対策届出に該当しない不具合で、商品性や品質の改善措置をすることを言います。自動車メーカーの多くは「サービスキャンペーン」でも対象車両の全ユーザーに対してDMを出して早期改善対応を依頼しています。
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ヤマハのリコール(R4375)をチェック
ヤマハ(YAMAHA)は2018年11月20日(火)に国土交通省へ、<車両の一部に不具合が発生するおそれがあることが判明したこと>を届出(リコール)を行い、対象車両を所持している顧客全員に案内が送付され、現在市場回収が実施されています。対象車両と、不具合内容(YAMAHAからの案内を引用)は以下の通りです。
対象車両:YZF-R25/25A/3AおよびMT-25/03
”冷却装置において、ラジエターホースの材料及び製造条件が不適切なため、当該ホースの耐久性が不足しているものがあります。そのため、そのまま使用を続けると、当該ホースが損傷して冷却水が漏れ、最悪の場合、オーバーヒートするおそれがあります。”
引用元:ご愛用車の無償修理作業実施のお願い(ヤマハ発動機販売サービス部)
YAMAHAは無償修理を実施します。対策内容は、<当該ホース(左右)を対策品に交換し、当該ホースのクリップ及びクランプを新品に交換する>と案内されています。作業時間は約70分です。
どこで無償修理をしてくれるの?
基本的に、対象車両の購入店で対応してもらえます。
転居等によって販売店が近くにない場合は『ヤマハ改修コールセンター』(下記、連絡先)まで問い合わせましょう。コールセンターに問い合わせの際は、車両番号が必要です(封筒と案内を手元に用意しておく)。
0120-133-120(フリーダイヤル)
【受付時間】10:00~12:30/13:30~18:00(月曜~金曜、休日等一部例外あり)
回収作業にあたっては部品の手配や作業準備が必要となるので、アポなしでお店にはいかずに、必ず事前に連絡が必要です。また、作業時間は約70分と発表していますが、車両の状態によってはそれ以上かかる可能性があります。こちらも相談してみましょう。
完全に無料?工賃もかからない?
リコールに関する部分のみの作業ならば、パーツ代および工賃は一切かかりません。完全に無償です。工賃はYAMAHAが負担しているので、お店の人のただ働き(ボランティア)ということもありません。
リコールの無償修理について、リコール実施状況の把握などのため修理状況の情報はヤマハが一括管理しています。対象車両のリコール箇所を修理したら報告が行くような手筈が整っているようで、情報にはその車両が修理をしたかどうかも載っています。
リコールに関して「修理した」という記録が手元に残ることはありませんが、YAMAHAに記録は残っているので特に困ることはありません。
すでに修理済みの場合の費用は自腹?
市場での事故やトラブルをまとめた結果リコールが発生することがあるので、「リコールの案内が来る前にリコール部分を修理してしまった」というケースは少なからずあります。リコールになる前なので、この修理では修理費を払ってしまっています。
結論を言うと、「リコールの案内が来る前にリコール部分を修理してしまった」場合の修理費用(部品代金および工賃)は、領収書があれば後日請求できルケースが多いです。
まずは『ヤマハ改修コールセンター』まで問い合わせましょう。
このようなケースの場合、YAMAHAによるとコールセンターから担当部署に話が回り、担当部署の人と交渉していくことになるようです。その際に領収書と修理内容を記載した記録があれば話がスムーズに進みます。特に領収書はしっかりと保存しておきましょう(リコールが起きるまで時間がかかることもあります)。
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