先日、幼稚園で遠足(保護者無し)があり、いつも水かお茶と決まっている水筒に「好きな飲み物を入れて持ってきていい」と言われた我が子は大興奮。
スーパーで悩みに悩んでオレンジジュースを購入し、翌日嬉しそうに水筒に入れて持っていきました。
幼稚園ママとその話をすれば、どこの家も同じ様子。
そこから「家で子どもに飲ませるもの」に発展し、学校給食の牛乳の話になりました。
うちの子「牛乳が嫌い」なんだけど、給食で牛乳って残していいのかな?
[/word_balloon]本音を言えば「他人に聞くことでは無いなあ」なので、黙って周囲の意見を聞くことにしたところ
「残しちゃえばいいんじゃない?」
「子どもが給食で牛乳を飲まなくて良いように事前に学校に相談する(=『残す』という概念ではなくする)」
お~、時代も変わったなぁ
[/word_balloon]私が小学生の頃、先生たちは「給食は完食させるべし」と厳命されていたとしか思えない指導をしてくれやがったものです。
食が細かったり、食事が遅い等が原因で、「給食の時間が苦痛だ」という子どももいました。
最近は「給食の時間が苦痛」という子もいないようだし、『食育』にも一定の効果があったのかな(先生が教育されたってことになるけど)?
[/word_balloon] 『食育』とは様々な経験を通じて、食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てることです(Wikipedia「食育」より)。
そのため給食を無理矢理食べさせるなど、「食事が苦痛」と感じさせる行為は食育の理念に反します。
給食において「残さず食べる」という概念が薄れた分、「嫌いなものは食べなくて良い」という流れもできてきた模様。
ここでテーマになるのが「牛乳」です。
[su_label]参考[/su_label]牛乳とカルシウム | findNew 牛乳乳製品の知識 (j-milk.jp)
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カルシウムは成長に必要な栄養素
そもそもカルシウムって?
[/word_balloon]化学式「Ca」の金属元素。
人体の主要構成元素のひとつですが、体の中で本来のピカピカ光る銀白色の金属状態ではなく、イオンや塩となって骨や筋肉に混ざっている感じです。
カルシウムは体重の1~2%を占めます。
体重60㎏ならば600g~1,200g、その約99%は骨や歯に含まれて、残りは筋肉や神経・血液などに含まれて体のさまざまな機能を調節する働きをしています。
子どもの成長期に最も増えるのが「骨の量」、カルシウムはその材料となるため積極的に摂ることを推奨されています。
骨以外にも、カルシウムは生きていく上で重要なことに関わっています。
・筋肉の収縮、特に心臓を動かすのにカルシウムが必要
・神経伝達、脳からの指示を体の各部へ伝えるのにカルシウムが必要
・神経の興奮を抑える(カルシウムが不足するとイライラする)
・カルシウムが不足すると血が止まりにくくなる
別に「牛乳で」じゃなくてもいいんだよね?
[/word_balloon]カルシウムが摂取できれば、それが「牛乳」でなくても構いません。
ただし、牛乳はとても効率よくカルシウムが摂取できる手段であり、それが給食で毎日牛乳が出る理由になります。
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給食で毎日牛乳が出る理由
給食がパンでもご飯でもほぼ毎日牛乳が登場するのは、文科省が定めた「給食の栄養摂取基準」が理由です。
給食の栄養摂取基準では「1日に必要なカルシウム量の約50%を(給食で)摂取すること」と決められています。
小学3年生 男子650㎎ 女子750㎎
中学2年生 男子1,000mg 女子800mg
カルシウムを含む食材を見てみると、牛乳中のカルシウムの割合はあまり高くないです。
さくらえび(100g)に含まれるカルシウム 2,000mg
ほしひじき(100g)に含まれるカルシウム 1,000mg
牛乳(100g)に含まれるカルシウム 110㎎
牛乳きらいなら代わりに「さくらえび」とか「ほしひじき」食べればいいんじゃないの?
[/word_balloon]おバカですね…現実的な食事量で見ていないからそう言うんです。
1食分に使われる「さくらえび」や「ほしひじき」はどちらも5~10g、平均8gの1食分に計算し直して下さい。
1食分の「さくらえび」で摂取できるカルシウム量は160㎎、対する牛乳はコップ1杯(200ml)で227mg。おお、逆転した!
[/word_balloon]小学3年生(女子)を例にすると「1日に必要なカルシウムの半分」375mgのうち、牛乳1杯(200ml)が必要摂取量の約61%を占めています。
これを「さくらえび」や「ひじき」でカバーしようと思ったら次のようになります。
さくらえび 11.4g (通常の1食分の1.4倍)
ひじき 22.7g (通常の1食分の2.8倍)
てんこ盛りにしないといけないのね。
[/word_balloon]給食に牛乳がでるのは、最も現実的な方法で国が定めたルールを守るための手段なのです。
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牛乳はカルシウム吸収率が高い
どんなに栄養をとっても消化吸収できなければ効果はありません。
カルシウムのように消化吸収率の低い栄養素の場合はなおさら「吸収率を高める工夫」が必要となるのですが、元は子牛に与える栄養だからなのか、牛乳の消化吸収率は高い他に比べて高いそうです。
牛乳のカルシウム吸収率 40%
小魚のカルシウム吸収率 33%(平均)
野菜のカルシウム吸収率 13%(平均)
日本人のカルシウム摂取量は他国に比べて低めです。
土壌や水に含まれるカルシウム量が少ないことが影響しているようです。
給食があってもやや少なめ、給食がない日は1日の摂取量の半分程度しか取れていないこともあるとか。
摂取量が少なくなってしまうなら、なおさら次のような「カルシウムの吸収率を高めること」が重要になります。
・ビタミンDを摂取する(適度に日光にあたることで体内で合成できる)
・適度に運動する(カルシウムの貯蔵庫である骨に刺激を与えられる)
・カルシウム吸収阻害要因「リン」の摂取量を減らす(加工食品の増加でリンの摂取量が増えている)
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牛乳が飲めない場合はどうする?
牛乳が飲めない理由がアレルギーや乳糖不耐症などの『体質』の場合は、医師の診断書などで解決できます。
「乳糖不耐症」?
[/word_balloon]小腸に存在する乳糖分解酵素が不足していると「乳糖不耐症」になり、乳製品を摂取すると下痢などの消化器系の異常が起きます。
酵素が不足している状態なので「少量ずつゆっくり」ならば乳糖が分解できて異常はでにくいですが、体調などにより量やスピードが変化するので常に注意が必要となります。
アレルギーは命に係わり、仮に知らなかったとしても「アレルギーの子どもに牛乳を飲ませる」という行為は殺人未遂のごとき横暴になります。
乳糖不耐症には程度があるので、子どもの場合は定期的に医療機関を受診して「程度」を確認することが大事なようです。
「体質」以外に飲めない理由とは? 好き嫌い?
[/word_balloon]好き嫌いもありますが、難しいのは「思想上の理由で飲まない」です。
思想で代表的なものは、「菜食である」「放射能が心配」「健康への影響が心配」などがあり、これらには話し合いを通じて歩み寄ること(相互理解)が重要となります。
「わがまま」と「思想」って、残念だけど他人からは分かりにくいもんね。
[/word_balloon]多様化社会の実現への第一歩は意外と身近にあるのですよ?
[/word_balloon]それで、結局好き嫌いで子どもが牛乳を飲まない場合は?
[/word_balloon]保護者の「努力」と「理解」、これ次第ということで。
ちなみに或る調査によると給食費の3~5割が牛乳代で、それを知って「もったいないから飲みなさい」と好き嫌いの改善に気合を入れる保護者が多いとか。
[su_label]ー この記事はここで終わりです -[/su_label]
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