チューリッヒの自動車保険には弁護士特約(弁護費用特約)があり、トラブルに巻き込まれたときに自分が損しないために付帯することにしました。
今まで私は弁護士を雇ったことが一度もありませんが、そういう人は多いのではないでしょうか。
しかし弁護士を雇ったことがないといっても、普段の生活で自分に全く非のない事故に巻き込まれたことはあります。次にあげるのは自分に全く非のない事故の例です。
- 公園で遊んでいたら他人の飼っている犬に噛まれた
- 歩道を歩いていたら後ろから走ってきた自転車にぶつけられた
- コンビニの駐輪スペースに停めていた自転車に車がぶつかってライトを破損した
- 敷地内の設置している防犯ライトを、対向車を避けようとして接道から無断で侵入してきた車に壊された
このような普段の生活の中でよくある事故は“ささいなこと”として謝罪や相当分の現金の支払いのみで片づけられることがあります。
でも…犬に噛まれたり自転車にぶつけられたのが自分の子どもだったら、私は“ささいなこと”では片づけられません。こんなときに頼りになるのが弁護士ですが、ここで依頼に踏み切れないのは弁護士報酬が高いからです。
こんな時に活用できるのが弁護士特約です。
普段の生活の中で起きた事故で損害を被ったとき、損害賠償を請求するために雇う弁護士に支払う報酬等を保険会社が代わって払ってくれるのが弁護士特約です(自分に全く非のない事故に限る)。
今回は弁護士特約(弁護士費用特約)で保障される人や事故について、そして弁護士特約を実際に使う方法についてまとめました。
弁護士特約(弁護士費用特約)とは?
『弁護士特約(弁護士費用特約)』とは自分に非のない事故に巻き込まれたときに保険会社が弁護士費用を出してくれる特約です。
ほとんどの自動車保険に1,000円~5,000円の加算で付けられる特約です。
弁護士特約を使っても翌年保険料が増額したり、等級が下がることはないので安心して利用しても大丈夫です。
弁護士特約の補償対象となる『被害者』は?
弁護士特約は記名被保険者だけではなく(保険を契約している本人)だけでなく、その家族も補償対象となっています。
【注意】
記名被保険者とその家族が弁護士費用等特約を付帯した保険契約をすでにご契約の場合、同じ特約を付帯すると補償が重複することがあります。
『家族』の定義は基本的に次のようになっています。
同居の場合は記名被保険者の配偶者および親族(記名被保険者の6親等内の血族および3親等内の姻族)
別居の場合は記名被保険者の配偶者と未婚の子どものみ
弁護士特約の補償対象となる『事故』は?
補償される事故は“もらい事故”のように被害者に全く過失のない事故で、交通事故以外に日常の事故も補償の対象となっている特約が多いです。
保険会社によって異なるので補償範囲を確認する必要がありますが、日常の事故も補償される場合は次のような事故の交渉も補償対象内となっていることが多いです。
チューリッヒは「もらい事故限定」となっていないので日常の事故も補償対象と考えられます。
参考:【チューリッヒ公式】弁護士費用等特約(もらい事故時など)
- 他人の犬に噛まれて怪我をした場合
- 歩行中に、走ってきた人にぶつかられて怪我をした場合
- 施設内におけるエスカレーターやエレベーターでの事故
- 学校などでの事故
- 借地借家のトラブル
- 遺産相続
- 離婚問題
- 労働問題
弁護士特約が“被害者に全く非がない場合”に限られる理由
被害者に損害賠償の支払い義務がない事故に関する交渉は保険会社が代理人になれないからです。
そもそも交通事故などにより損害賠償金が発生することに関する交渉に立ち会えるのは当事者と弁護士のみです。
被害者に1円でも損害賠償の支払い義務がある場合、実際に損害賠償を支払う保険会社も当事者性があると見なされ交渉権をもてます。しかし被害者に損害賠償の支払い義務が全くない場合は保険会社に交渉権はありません。
仮にボランティア精神でも、被害者の示談交渉に保険会社が参加すると非弁行為に抵触してしまいます(弁護士法第72条違反)
保険会社が負担する弁護士費用の上限
弁護士特約をつけておくと一事故について最大10万円までの法律相談料と300万円までの弁護士報酬(着手金・報酬金・実費や日当など)を保険会社が負担してくれます。
免責額などはなく限度額までであれば保険会社が全額弁護士費用を出してくれます。重大な事故でなく一般的な事故の場合、特約の上限を超えることはほぼありません。
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弁護士特約の使い方(一般的な例)
弁護士特約を使って弁護士に交渉を依頼する場合、弁護士を探す前に必ず保険会社に報告をします。
①保険会社に事故の報告をする
一般的には保険会社から送られてくる「事故発生状況報告書」に記入して事故の状況を詳しく説明することが多いです。
報告書には加害者に関する情報を記載する必要があります。交通事故の場合は交通事故証明書にそれらが記載されているので転記することができます。
日常の事故の場合、加害者の氏名は自分で確認する必要があります。
「知らない人に階段で押されてケガをした」など加害者が誰か分からないと損害賠償の請求はまず難しいです。所在は分かっているが名前などを確認するのが怖いといった理由で難しい場合は#9110で警察に相談すると良いです。
※被害届の提出の前に警察に相談する方が良いです(被害届は安易に取り下げができない)。
②“弁護士特約が使える”弁護士を探す
保険会社の承認が下りたら、弁護士特約が使える弁護士を探します。
弁護士の探し方はいろいろありますが、法テラスで探す方法が安くて無難といわれています。
参考:法テラス公式サイト
弁護士会の法律相談センターに相談して探す方法もありますが、30分約5000円の相談費用が発生します。
参考:【日本弁護士連合会公式】法律相談・ご依頼は今すぐ弁護士へ!
③委任契約の内容を保険会社に報告する
委任契約書(弁護士に依頼する際にどのような事案をどのような金額で委任するかが書かれた契約書)を交わしたら内容を保険会社に報告します。
委任状は弁護士への依頼が成立したときに作成されます。委任契約書が作成された後では着手金は戻ってこないので、委任契約書の内容は良く確認しておく必要があるようです(着手金は弁護士特約の対象内)。
[su_label]ー この記事はここで終わりです -[/su_label]
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