「<BCGワクチンのあと>って消えないのかな」
未だ初々しい赤味が残る二子の腕と、4歳になった一子の腕に残ったBCGワクチンの痕を旦那が気にしています。旦那の疑問は多くの人が感じているようです。
BCGワクチンは目立たないところに接種したい
BCGワクチンは上腕外側のほぼ中央に接種するものとされ、医薬品、医薬機器などの品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)でその他の場所への接種はみとめられていません。
BCGワクチンは牛が感染する牛型結核菌をの毒性を弱めた<生ワクチン>です。結核菌は化膿性細菌なので他の注射とは違って痕が残ってしまいます。一方で肺炎球菌や四種混合ワクチンは人工的に作られたワクチン(不活化ワクチン)です。
今回は結核(BCGワクチン)(厚生労働省公式サイト)、結核とBCGワクチンに関するQ&A(厚生労働省公式サイト)を参考にBCGワクチンについてまとめました。
BCGワクチンが予防する結核とは?
結核は細菌(結核菌)が体内に入って起きる感染症です。初めて結核菌を吸い込んだ人の10~15%が2年のうちに発病しています(その他の人は体内に菌が留まった状態)。
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体の抵抗力が落ちると留まっていた菌が活動を初めて結核を発病する(10~15%の確率)
「結核」というと古い病気のイメージがありますが、今でも日本の主要な感染症の1つです(毎年約18,000人の患者が発生)。但し予防接種の影響もあり小児患者は少なく、高齢者の発症が大部分を占めています。
乳幼児期にBCGワクチンを接種することで結核の発症を52~74%予防することができると言われています。乳幼児の場合は結核に感染すると全身に及ぶなど重篤化しやすいのですが、BCGワクチンを接種することで結核の発症を64~78%予防することができます。
BCGワクチンの接種時期
標準的な接種期間は生後5か月~8か月の間です。平成25年度から生後1歳になるまでの間に接種することと決まっています(特別な事情がある場合は4歳になるまでの間)。
平成24年度までは”生後6ヶ月になるまでの間に接種すること”となっていましたが、他に接種するワクチンの数が多過ぎて十分な期間を設ける必要から接種期間が変更になりました。
BCGワクチンの副反応
BCGワクチンは長く世界で使用されてきた比較的安全なワクチンです(比較的軽度な局所反応は一定の頻度で見られる)。しかし骨炎、全身性のBCG感染症、アナフィラキシーなど重大な副反応の報告が稀にあります。
BCGワクチンを接種してから2週間程たつと針の痕が赤くなったり硬くなったりします(その後、化膿してかさぶたを作ることがある)。通常は接種部位を清潔にしておくことで治まりますが、数か月にわたってジクジクしたり、大きな潰瘍になった場合は医療機関を受診します。
コッホ現象は一種のアレルギー反応
結核に感染している人にBCGワクチンを接種した場合、接種してから1週間から10日以内に接種したあとがジクジクしたり、針の痕が癒合して大きな潰瘍になることがあります。これは一種のアレルギー反応が原因で、「コッホ現象」といわれます。
「コッホ現象」は結核菌に似た細菌に感染した場合でも発生します。
平成17~21年度に厚生労働省に報告されたコッホ現象は814件、検証した結果重大な障害は認められませんでした。
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