2019年の台風19号は日本が暴風域に入る数日前から「史上最強クラス」「狩野川台風レベル」と言われたため事前に台風への備えができました。
…と言っても備えたのは金曜日。災害が少ないと言われる海なし県・埼玉で、関東平野の一部で暮らしていれば危機感も薄く、「何を準備したらいいか分からないね」なんて幼稚園ママと話した翌土曜日夜には台風19号が伊豆半島に上陸しました。
今回は停電、その中でも停電中でも水道やガスが利用できるかどうかをまとめました。
広大な暴風域をともなって上陸した台風は「伊豆に帰るときよく見たなぁ」的な地名を辿りながら北~北東に向かって進み、日本各地に傷跡を残して温帯低気圧に変わりましたが、長く降り続いた雨の影響は川や土壌に残り、時間差で土砂崩れが起きたり、川の水位が上がったりと、台風通過後もしばらく油断できない状態が続いています。
そんな中でラグビーW杯(日本対スコットランド)が開催。日本代表がスコットランドを破ってpoolA全勝、一点の曇りもなく晴々決勝トーナメント進出を決めました。この試合の開催地は横浜、台風の爪痕を必死に直し、スタッフ不足により飲み物などの提供が足りないことを予測して同試合に限り飲み物持ち込みでの観戦(セキュリティチェックの時間短縮のため水筒での持ち込み推奨)など選手、スタッフ、そして観客全員が一丸となって開催されました。
スポンサードリンク停電しても水道とガスは利用できる?
埼玉県の場合、まず“海なし県”なので高潮・高波への警戒は不要です。そして埼玉県の多くは関東平野内。山の斜面や土手が近くにない比較的平らなところに我が家はあるので土砂災害への警戒も不要です。
そんな埼玉県が台風のときに警戒する1つは停電です。台風15号および今回の台風19号で受けた被害をみると”停電”はどこで起きてもおかしくないもの。停電になったとき他の2つのライフライン、水道とガスはどうなるかを調べました。
【水道】非常用発電機のある浄水場ならしばらく水が供給できる
非常用発電機がある浄水場の場合、<停電時でも非常用発電機が稼働している限り水の供給が可能>です。浄水場に非常用発電機があるかどうかは各自治体の水道局もしくは水道課に事前に確認しておくと安心です(市町村の合併等により同自治体でも地区によって浄水場が異なるので要注意)。
ただし!浄水場の発電機により水が供給されるのは一軒家のように蛇口と水道管が直接つながっている場合です。マンションのように水道管から貯水タンクに水をためたあとで各戸に配水される建物の場合、「貯水タンクに水をためる」または「貯水タンクから各戸に水を配給する」のに個別で電気を必要とするため停電時は断水してしまいます(マンション等で非常用発電機が準備されている場合は別)。
「自宅への配水が直接水道管からなのか、それとも貯水タンク経由なのか?」は水道代の請求書の発行元でおおよそ分かります。水道局または役所の水道課が請求書を発行している場合は前者(直接水道管から)、マンションの管理会社などから発行されている場合は後者(貯水タンクから)です。
【都市ガス】停電時はガスコンロは使えるが給湯器は使えなくなる
電池式ガスコンロ(※)の場合は<停電時でもガスコンロは使用可能>ですが、給湯器(ボイラー)は電気で動いているので<お湯の使用不可能>になります。
※ガスに着火させるための火花の発生に電気を使用
「ガスメーターがデジタルなので電気で動いているのでは?(停電時にはメーターが動かずガスが供給されなくなる)」と思いましたが、都市ガス会社に確認すると「それは関係ないので問題なくガスが供給される」という回答をいただきました(あのメーターの動力源は不明)。
飲み水とカセットコンロは必ず準備しておく
停電時でも供給されると言っても土砂崩れ等により配管(水道管やガス管)が断線されたら供給されなくなります。それに備えて必ず飲み水(成人1人あたり1日3リットルが目安)とガスの代わりになるカセットコンロ・ガスボンベは用意しておきます。
長期間の断水に備えてビニール製のポリタンクがあると便利です。空の状態では小さくつぶすことができるので保管スペースをとりません。
単1形でも単4形でも電池1本で使える懐中電灯
今回の台風に備えるためにケーズ電機で購入した懐中電灯(ケーズデンキの方が500円高かった!)。単1から単4の電池どれでも1本で使えて、ランタン型(卓上)にもなるため購入を決めました。
重量は約440gで子どもでも使用可能。使用している光源はLEDなので単4形電池でも1~2時間連続使用可能、単1形電池ならば20~40時間使用可能です。パナソニック乾電池EVOLTAの単1形電池ならば約50時間、2日間連続使用可能なので必要以上に電池を持ち歩く必要なく安心です。
防水仕様ではないので雨の中または水の中で使用する場合はジップロック等の密閉性の高い袋に入れて使用すると良いです。
真っ暗に備えて懐中電灯には蓄光テープを付ける
夜間の停電に備えて蓄光テープを懐中電灯につけておくと速やかに灯りの確保ができます。台風に備えて事前に窓際なので蓄光させておけば暗闇でも長い時間ぼうっと光ることができます。
「蓄光」とは白色蛍光灯・白色系LEDライト・太陽など光のエネルギーを吸収して自ら光ることです。暗い所で光を放出するイメージがありますが、実際には明るい所でも発光しています(光が弱いため目立ちにくい)。蓄光で優れているのが電源や配線が不要であること。蓄えた光は放出されて徐々に弱まりいずれ光らなくなりますが、また光があたれば蓄光されます(ランニングコスト、メンテナンス費用不要)。
レアメタルを主体としているので蛍光テープなどと比べると高価ですが(カインズで80cmが約200円※低輝度で発光時間は短い)、暗い所での目印としてとても有効です。
LED懐中電灯で更に明るく照らしたいときの裏ワザ
「最近の懐中電灯は暗い?」と思っている方、それは照明が電球からLEDに変わり、光に指向性がついたからです。全方向を光らせる電球とは異なり、LEDは照らす方向のみを照らす傾向があります。
つまりLED懐中電灯の場合は照らされていないところが今までの懐中電灯に比べるとちょっと暗い。
LEDの懐中電灯で広範囲を明るくしたい場合は直接照らすのではなく、ぐしゃぐしゃにしたアルミホイルを照らす等して光を乱反射させると良いです(全体の光度は弱くなる)。間接照明と同じ考え方なので、白い壁や天井に灯りを向けて反射材にするのも有効です。
養生テープ・布テープ・ダクトテープを用意
2019年の台風19号の備えでは養生テープが多くのホームセンターから消えました。窓ガラスに対角に養生テープを貼っておくと、飛来物などでガラスが割れてしまったとき破片が飛び散るのを多少は防ぐことができます。
ガムテープなどでなく養生テープを使用するのは剥がすのが楽だからです(接着剤が残りにくい、テープ痕が付きにくい)。
布製テープやダクトテープ(ビニルテープ)は浸水や突風で何か壊れたときの補修に便利です。通常の紙製のガムテープでは強度がなく濡れるとくっつかないですが、布製テープやダクトテープは破れにくく濡れてもくっつきます。
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