自治体主体の3ヶ月検診(3~5ヶ月の乳児が対象)に行ってきました。赤ちゃんの月齢に約2ヶ月の開きがあるので、寝たままの赤ちゃんから座れる赤ちゃんまで成長の具合は様々です。3ヶ月検診の内容は主に次の通りです。
・保健師による問診
(予防接種の進捗チェックあり)
・身長および体重測定
(頭囲、胸囲の測定もあり)
・眼の機能のチェック
・首がすわったのかチェック
・股関節のチェック
・栄養状況のチェック
・医師による診察
・栄養士による離乳食の指導
身体測定では赤ちゃんを裸にするので脱着させやすい服を着せ、オムツの替えを余分に持っていくとよいです。待ち時間も長いのでオモチャやミルクを用意していった方がいいです。問診内容などについては「生後3~4ヶ月の赤ちゃんは何ができる?」に詳しくまとめてあります。
3ヶ月検診の主な目的の1つに股関節のチェックがあります。今回は股関節をチェックする理由についてまとめてみました。
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発育性股関節形成不全とは?
赤ちゃんの脚の付け根の関節(股関節)がはずれる病気です。3ヶ月検診での重要なチェック項目の1つで、医師などが赤ちゃんの両足をもち股関節を広げたり閉じたりしてチェックします。
以前は「先天性股関節脱臼」と言われていましたが、そのほとんどが生後に発生しているので今は「発育性股関節形成不全」と呼ばれています。股関節がはずれるのは生後の育児習慣によるといわれています。次のような子は股関節が外れやすいといわれています。
・逆子で産まれた
・股関節が悪い人が家族にいる
・寒い地域で生活している
・秋や冬に産まれた
さらに男の子より女の子の方が外れやすいといわれています。遺伝による傾向、股関節が緩い赤ちゃんの発育習慣や服装などが作用すると考えられているようです。
因みに発育性股関節形成不全は稀で、今では1000人に2人以下です(1970年代は100人に約2人)。発育環境の変化が理由と考えられ、遺伝や産まれた状況の関連性は比較的低いと考えられています。
育児習慣の注意で発生を防げる
育児性股関節形成不全は抱っこやオムツなどよくある日頃の育児習慣を注意することで防ぐことができます。万が一患っても育児習慣を見直すことで悪化を防ぐことができます。
・自由に脚を動かせる服装にする
(体に合ったサイズのオムツ)
・脚を伸ばした横抱きは避ける
(脚を曲げて開いた開拝位が理想)
・向きグセがあったら治す
(反対から声をかける、など)
3ヶ月検診で股関節の観察をしますが、それ以外にも親などが次の点を注意して気になったら整形外科を受診しましょう。
・股関節が開きにくい
・脚の付け根のシワが左右で差がある
・歩き方がおかしい
早期発見、早期治療が大切!
最初は緩い股関節も成長していくとどんどん固くなります。可能なかぎり早く発見し、早く治療することが大切です。
3ヶ月検診で股関節の動きをチェックし、異常や違和感があったら専門的な医師のいる整形外科で二次検査と診断を受けます。
乳児期の場合はひも型の治療器(リーメンビューゲル装具)を使って治療します。これで全体の約8割が治ります。これで直らない場合は牽引します。ごく稀に手術しないと治らないとあうこともあります。
【了】
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