先日、我が家に『翔んで埼玉』のBlu-rayディスクが届きました。映画の公開と同時に見に行き、大爆笑し、満足して帰ってきた旦那が満を期してAmazonに購入予約をしていたものです。
結局埼玉県民って埼玉県のこと好き
こう思うほど埼玉県出身者は郷土愛を語りません。私としては野菜が豊富で美味しいと思うのですが「長野には敵わない」という旦那とその家族。肉でも米でも「〇〇には敵わない」の一点張りで秀逸な点は語らず。海がないことについては最早コンプレックスの域(海好きが多いため劣等感に直結しやすい)。
「埼玉のこと別に好きじゃないし」と言っていた旦那が、子どもが生まれ家を持つことを考えたとき終の棲家に選んだ土地は埼玉県でした。それも一択。
郷土愛とは何だろう?と思い、何が郷土愛の根底になるのか調べてみました。
ちなみに、『翔んで埼玉』は関東出身者および関東在住者にはとても楽しめる作品です。東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・群馬・栃木。この一都六県が互いの県のことを常日頃どう思っているかが鍵になるので(特に埼玉vs千葉のガチンコ)、関東に所縁のない人には理解しかねるポイントが多々あると思います。
私は静岡県出身者ですが、関東に在住していれば嫌でもこの一都六県の考えに触れることが多いので映画の鍵(ポイント)をしっかり理解でき、さらに大爆笑できました。
スポンサードリンク埼玉県民は埼玉県のことが好きではないけど嫌いでもない
埼玉県民は決して埼玉県のことを好きとは言いません。埼玉県民の愛着度ランキングはほぼ毎年最下位だそうです。埼玉県出身の旦那も右に倣え。昔も今も決して埼玉県のことを好きとは言いません。
でも、いま我が家は埼玉県にあります。
転勤族だったため結婚してからも北~東日本を転々と……こうして転々した結果、旦那は「一生暮らすならやっぱり埼玉だな」といって埼玉県に定住するために転職しました。
「何で埼玉なのか?」と聞くと「やっぱり埼玉が住みやすい」とのこと。
もともと子どもの学校等を考えて定住を視野に入れていましたが、定住先を”埼玉県”としたのには旦那が埼玉県の便利な生活を知っている点が大きいです。
ちなみに「故郷だから」ではありません。同じ埼玉県内でも旦那の生まれた場所からは車で1時間以上離れた場所に住んでいるので親や友だち恋しで埼玉県を選んではいません。
埼玉県民の郷土愛は「失ってみて気づいた」のUターンタイプ
静岡県出身の私の個人的な考察では、旦那の埼玉県が”好き”は親や兄弟に対する”好き”と似ていて、<他県で暮らしてみて埼玉県の心地よさ(過ごしやすさ)に気づいた>的な感じです。
「どんなところが好きか?」と言われても特に回答がないのが埼玉県民の県民愛です。埼玉県は特に何も名物がない分偏りもなく、万遍なく整えられているため常に『かゆいところに手が届く』、ストレスフリーの生活が送れます。
このストレスフリーは暮らす上でとても重要。
転勤して色々な地域を経験してみて分かりましたが、最初は目新しさが勝ちます。自然のキレイさとか都会の風景とか。ごはんがおいしい、お酒がおいしい、飲み屋さんが豊富。でも慣れると…嫌なところに目が行き始めます。観光地化が進んでいると道が混んで生活がしにくい、駅まで遠いとお酒を飲めない、とか。
かゆいところってしばらくしてから出てくるんです。そしてそれを掻ける環境、旦那にとってはそれが埼玉県一択だったんです(埼玉県出身でかゆいところは既に把握済み。もうストレスにはならない)。
愛着度の高い県民の郷土愛は「何でも好き」の溺愛タイプ
一方で県民愛が激ラブレベル、愛着度ランキング上位常連の宮崎県民や沖縄県民のように愛に似た”好き”とは全く異なります。彼らに地元の好きなところを聞けば語る、語る。他県民から見て?なところも彼らは愛おしそうにその愛を語ります。
彼らにかゆいとことはないのか?彼らは「あばたもえくぼ」で痒ささえも特長に出来てしまい超ポジティブな姿勢があります。
埼玉県には共感を得やすい良いところがない
人は「良いところ」を口にするとき、無意識に共感されやすい答えを述べます。
共感されやすい答え。分かりやすい例が「好きな異性の良いところを聞かれた場合」です。容姿が優れている、勉強ができる、運動ができる、優しい。このように周りから共感を得やすい点は「良いところ」ですぐにあげられますが、「何となく好きだなって思う」の様にきっと何かしらの要因はあるに違いないけれど言葉で表現しづらい感覚的なものは共感されにくいため答えに窮してしまいます。
埼玉県の良いところは「住みやすい」とか「ライフスタイルに合っている」とかの回答が目立ちます。つまり具体的な〇〇ではなく、それぞれが個別に感じている感覚的なものが多いため、他人と共感しにくい、強いて言えば他人と共感する必要がない。そのため郷土の良いところをあまり主張しない埼玉県民は郷土愛がないと評価される傾向が高いと私は思います。
一方で郷土の良いところを強く主張する傾向があるのが九州・四国、そしてかつて日本の都があった関西(特に京都と大阪)の方々。様々な都道府県の人が集まった酒の席で郷土愛合戦になると…熱さが違います。
「ほどよく都会ほどよく田舎」は地域自慢になりにくい
東京のベッドタウンとしても人気の埼玉県(交通の便の悪い一部地域はもちろん除く)は、都会と田舎の良い所どりをしたような住みやすさがあります。
東京に比べて利便性が落ちますが、家の価格や家賃が安いのでライフスタイルが多様化しています。 老若男女、独り暮らしからファミリーまで色々な世帯が混在しているので他人の目がうるさくなく、他人の意見を気にして生活をする必要はありません(田舎の良いとこも残っていて地域の情もきちんとある)。
このように程よく都会と田舎が混じっているのは良い点ですが、どの程度の混じり具合がベストなのかは個人的に異なる…つまりここも「人による」となり地域自慢にはしにくいです。
東日本大震災以来、埼玉県は「災害が少ない県」として注目
埼玉県の地盤は固く地震に強いといわれているため歴史を振り返っても地震被害が少ないです。埼玉県は海がないので津波による被害も低いとされています(川があるので影響がゼロとは断言されていない)。海なし県のコンプレックスが東日本大震災以来メリットになっています。
同じく海なし県で地震災害も少ないと言われているのが奈良県。かつて都があった奈良県には古い木造建築物が多いのですが、この地震大国日本で1300年前に建てられた法隆寺金堂がいまだ健在、災害の少ない県の心強さを物語っています。
2019年3月の調査で埼玉県の人口が2万人増えていた
近年埼玉県への移住者が増えています。平成30年3月時点で 7,308,198人だった埼玉県の人口は翌平成31年3月時点で7,323,982人。約2万人増です。
日本の人口は8年連続で減少していて、47都道府県の中で人口が増えたのは極少数。そのうち1つが埼玉県。不動産関係者によると特にファミリー層の増加が著しいとのこと。
人口増加の、特にファミリー層の増加の要因は「災害が少ないためマイホーム購入に踏み切りやすい」、「自然が沢山あるので子育てに良い環境」、「近くに大型ショッピングモールが多い」などが挙げられます。
特筆するものはないけれど何でもある=暮らしやすい。埼玉県の真骨頂のようです。
スポンサードリンク