新生児抱っこで肩こりがひどくなった私に、旦那がフェルビナク配合のローションを買ってくれましたが……レシートを見せて「これ、セルフメディケーション税制の対象製品だって」と。
セルフメディケーション税制、そういえばそんなのあったな。
セルフメディケーション税制は病院に行かない人向け
セルフメディケーション税制は医療費控除の特例で、「健康の維持増進および疾秒の予防“健康の維持増進及び疾病の予防”を目的としています。
健康の維持増進及び疾病の予防のために一定の取り組みをしている個人を対象にした節税対策で、対象の医薬品の購入費用について所得控除を受けることができます。
これは医療費の増大を抑える取り組みの1つです(病気になって医療機関を受診する人の数を減らす目的)。
“一定の取り組み”の代表的な例は定期健康診断、予防接種、健康診査、特定健康診査、ガン検診です。セルフメディケーション税制の適用を申請する場合は申請する年度内に一定の取り組みを行った証明書を添付します。
証明書には申請者本人の氏名、取り組みを行った年、取り組みに係わる事業を行った者(保険者、事業者もしくは自治体の名称)または取り組みに係わる診察をした医療機関名もしくは医師名の明記が必要です。
医療費の増大は世界的にも問題視されており、今年4月にはイギリスで子どもの肥満率を抑えるために「砂糖税」(一定量を超える砂糖が含まれる飲み物が対象)が導入されます。
“体に悪いものに税を課す”という取り組みは過去にもデンマークで「脂肪税」が導入されたことがあります。
12000円を超えた分が控除額
1年間(1月1日~12月31日)の対象の医薬品の購入代金のうち、12,000円を超える分をその年の総所得金額等から控除します。
例えば2018年中に対象の医薬品を2万円分購入したら、8千円が総所得金額等から控除されます。
控除額の上限は88,000円です。上限を超えた場合は(年間の医療費が10万円以上になるので)通常の医療費控除を申請できます。
メディケーション税制は医療費控除の特例なので、通常の医療費控除と併用することはできません。確定申告時にどちらの控除を適用させるか選択が必要です(確定申告後の更正の請求または修正申告で変更することはできない)。
セルフメディケーション税制対象の医薬品は、要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品(スイッチOTC医薬品)です。スイッチOTC医薬品は昨年1月時点で83種類あり、その一覧表は厚生労働省の公式サイトなどで確認できます。
対象医薬品をレシートに表示
セルフメディケーション税制については国からドラッグストアなど医薬品を扱う店舗に協力を求めています。店舗も購入した商品が対象医薬品であることが解るようなレシートを発行するなど、セルフメディケーション税制に協力しています。
セルフメディケーション税制の適用を申請する場合は薬局など販売した事業者の名称、商品名、購入に必要な代金を明記した明細書を添付しますが、根拠となるレシートなど領収書の添付は不要です。
但し、経過措置として平成31年分の確定申告までは明細書の代わりに領収書の添付でも対応してもらえます。
※内容確認のために領収書が必要になる場合もあります。領収書は確定申告日の翌日から5年間は保管するようにしましょう。
まとめ
セルフメディケーション税制は平成29年分から平成33年分の確定申告までの医療費控除の特例です。
確定申告の申請書に「明細書」と「一定の取り組みを行った証明書」を添付して申告することができます(平成31年分までは明細書の代わりにレシートなどの領収書でも可)。
但し、セルフメディケーション税制と通常の医療費控除の両方を申請することはできません。確定申告時に選択する必要があり、申告後に変更することはできません(更正の請求または修正申告でも変更不可)。
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どちらが得かは所得等により異なるため、医療費に係わる領収書は全て保管しておくと良いでしょう。