日本の正月は「年神様をもてなす日」なので、年内に家を掃除して穢れを払い、料理と酒を準備します。
正月の料理というと「おせち」のイメージが強いですが、近年はおせちを準備する家庭は減少傾向にあるとか。おせちを用意する派でも中身は昔ながらの品目ではなく和洋折衷、オードブルのようなおせちが好まれる傾向も強くなっているようです。
コロナ禍でおせち人気は少し浮上。
2020年、2021年は「外出を自粛しなければいけない分だけ少し豪華に」「少人数分だから少し豪華に」という傾向があったようです。
2022年‐2023年冬はコロナの規制が緩和されているので、2年ぶりに3~4人分のおせち(重箱)にニーズが高まっているとか。
年神様ってどんな神様?
年神様は毎年元旦に山から降りてきて、それぞれの家に新年の幸せを届けてくれる神様です。「正月様」や「歳徳神」とも呼ばれています。
年神様は先祖の霊ともいわれています。先祖の霊が田の神や山の神様になり、子孫の繁栄を見守っているという考えがあるからです。
年神様を拝むのが『初日の出』
日本では「初日の出」を拝む風習がありますが、これは「年神様が初日の出とともに降臨する」という考えが明治以降に広がったからです。
この風習が始まる明治より前は「四方拝」といって、東西南北の四方を拝むのが一般的だったそうです。
年神様をもてなす準備:大掃除
年神様を迎えるため、12月28日までを目安に大掃除(煤払い)をして家の中を清めます。
大掃除を終えたら家の入口である玄関に「しめ飾り」をつけます。これでしめ飾りの内側は神域、清らかな場所となり神様を招き入れる準備ができます。
価格:2,200円 |
年神様をもてなす準備:門松
玄関前に立てる門松は年神様が降りてくるときの目印になります。
残念ながら大きな飾りなので現代の一般家庭では玄関前に門松を立てている家は少数派ですが、時折松の枝を置いてある家を見かけます。
門松というと竹が目立ちますが竹は後からつけられたもの、重要なのは松です。常緑樹である松は神が宿る木とされています。常緑樹を神聖視するのはクリスマスのモミノキと似ています。ちなみに竹には長寿を招くという意味があります。
お正月飾り 2023 令和5年|おしゃれ シンプル 門松 しめ飾り しめ縄 松飾り 価格:4,180円 |
年神様をもてなす準備:鏡餅
年神様は鏡餅を依り代にして滞在するため、家の中の一番いい場所に鏡餅を飾ります。
餅は神様に供される神聖な食べ物であり、鏡餅は1月11日の「鏡開き」でお汁粉などにされ食され、私たちは神様の加護を得ると考えられています。
年神様をもてなす:おせち料理
おせち料理は年に何度かある節句の時に神様に供される料理のことを指します。節句は季節の変わり目の大切な日で、神様にお供えする料理「御節句」を略しておせち料理。
神にお供えした料理を分かち合うことで家族の結びつきを深め、共に祝って神の恩恵にあずかるという意味があります。そのため従来のお節料理は、家族の健康と幸せ、五穀豊穣、子孫繁栄の縁起物の料理が詰め込まれます。
雑煮は餅の御利益をもらう料理
「雑煮」は年神様に供えた餅のご利益をもらうための料理で、本来は元旦に初めて汲む水、若水で煮て作られました。
雑煮は地域によって作り方が異なり、全国各地で特色ある雑煮が作られています。関東風の醤油仕立て、関西風の白味噌仕立てなど。餅の形も関東は角餅、関西は丸餅などと異なります。
祝箸
正月の料理は箸にさえ意味があります。
正月に使われる箸は「祝い箸」といい、厄を払うとされる柳の木で作られおり、松の内の間は自分で洗って清めながら使い続けます。
祝い箸は両端が細くなっていて「年神様と一緒に食事をする」という意味があり、中央が太くなっている形は米俵や“孕む”を連想させることから五穀豊穣や子孫繁栄を意味します。
【 メール便対応 】お箸包み 梅水玉 小粒 / 5膳入り / お祝い箸 祝箸 お箸袋 国産柳箸 日本製 新春 迎春 お正月 おもてなし 美濃和紙 価格:1,100円 |
年神様をもてなす:酒
日本の祝い事は「神」が関わることが多いため、祝いの席に酒を、2本の日本酒を紐でくくる「一升瓶二本縛り」で送るスタイルが多いです。一升瓶は絶対ルールではなく、サイズ的にも四号瓶の方が運びやすいです。
「一升瓶二本縛り」は角樽を贈った風習の名残りです。日本酒の瓶を2本紐でくくると、そのシルエットが角樽に似ているからのようです。
四号瓶の場合は90cmほどの風呂敷で包む(二本包み)が華やかになるのでおすすめです。風呂敷はエコバッグとしても使用できるので無駄にはなりません・
価格:2,200円 |
日本酒(贈り物)の選び方
日本酒を飲む人と分かっているならば純米酒で、日本酒を飲むか分からない場合は本醸造がおすすめです。
酒呑みの場合は生酒や無濾過も良いのですが、冷蔵庫に空きがないと保管できないので常温保存できる純米酒がオススメです(燗向けも多い)。本醸造は燗が美味しいので酒呑みも満足できるし、飲まない場合は料理酒として使うこともできるので酒呑みでなくても消費することができます。
贈る日本酒にルールはないので、自分が飲んで美味しかった日本酒はもちろん、一緒に飲んだ想い出のある日本酒、地元(県内)の酒蔵の日本酒などがおすすめです。
個人的に嬉しかったのが、子ども名前やその漢字が使われている日本酒です。「香」「花」「雪」「月」とかは日本酒の名前に使われていることが多い印象があります。
お屠蘇は漢方薬を浸した薬酒だった
お屠蘇は「邪気を払い、魂を蘇らせるもの」として、本来は中国から伝わった漢方薬を浸した薬酒でした。若い人から回し飲むことで若い人のエネルギーを年長者に分け与え、長寿を願うそうです。