建物は新築1~2年は初期トラブルが発生しやすく、そのため建物やその施工については2年間の保証期間が一般的にあります。建物のひずみも発生するので、最初の1~2年はしっかりチェックしましょう。今回はFRP塗装されているベランダや屋上のメンテナンスについてまとめました。
新築後2年未満は屋外塗装の保証期間
新築後2年未満で屋上、ベランダ、バルコニーの塗装が剥がれていたら、どんな小さな亀裂でも建築会社に連絡して補修してもらいましょう。多くの場合は保証期間内となり無償で補修してもらえます。小さなひび割れだからと放置すると雨漏りなど建物にダメージを与えることにもなります。
今回ひび割れを発見した私は直ぐに写真を撮り、その写真データを添付したメールを建築会社の営業担当者宛てに送りました(返事待ちの間はビニールテープを貼り応急処置をしました)。2日後に建築会社の人が来て補修箇所をチェック…塗り直してもらうことになりました。
「(新築後1年未満で)なぜ剥がれたんでしょうか?」と訊く私に建築会社の担当者は「雨が長く続いた後に塗装すると塗料の中に湿気が混じり、気温が上がったことでひび割れてしまったのではないか」とのことです。
つまり、どこがひび割れてもおかしくないということです。
その点を指摘すると「全部同じ日に塗装したので業者には屋上だけでなくベランダなど同じ塗装したところは全てチェックしてもらうこと」と「新築後2年未満で見つかったひび割れは無償で補償してもらうこと」を約束してもらいました。
雨が降るなど湿度の高い期間中に家を建てた方は今すぐに屋上、ベランダ、バルコニーのFRP塗装をチェックしましょう。
新築後5~7年経ったら補修が必要
屋上・ベランダ・バルコニーはボートと同じ木材・塗装等で作られていることが多く、さらにFRPやウレタンで防水処理していることが多いです。
しかし、経年劣化や紫外線、使用方法によって時期は違えど必ず劣化してしまうので、新築後5~7年を目安に補修が必要です(雨漏りでトラブルが起きてからでは遅い)。
補修のタイミングの目安は次の通りです。
表面の荒れや色あせ
トップコートの機能が低下してきています。トップコートの機能が低下すると雨水や紫外線の影響が下地にまで響き、建物の構造がダメージを受けてしまいます。トップコートの塗り替えは業者に依頼することもできますが、ホームセンター等で必要な資材を購入すれば自分でも塗り替えることができます。
逆に過敏になってトップコートの荒れ・色褪せを防ごうと毎年塗り替えるのはムダになります。トップコートは塗ってから3~4年ほど経たないと表面が荒れず、ツルツルと滑らかだと新しい塗装面がのりにくいのです。
ひび割れや塗装のはがれ・ふくれ
ひび割れや塗装のはがれ・ふくれを見つけたときは塗装面を剥がし、表面の塗装だけの問題なのか、防水層からひび割れてしまっているかを確認しましょう。
表面だけであればトップコートの塗装をします。業者に頼むこともできますが、ホームセンター等で材料を買い自分で補修することもできます、防水層からひび割れている場合は業者に依頼し防水層の補修してもらうことが必要です。
ベランダに水がたまる
ベランダに水がたまる原因は塗装の防水機能が低下しているか、ベランダの勾配がなかったかの2つになります。塗装の防水機能が低下している場合は塗装をします。
勾配がないことは建築会社のミスである可能性が高いので建築会社に確認しましょう。
雨漏り・水漏れ
雨漏りは緊急の対応が必要な劣化です(雨漏りしている時点ですでに構造にはダメージがある)。急いで業者に連絡して、家全体をチェックしてもらいましょう。
排水は建物にとって重要なことです。目地に雑草や苔が生えないように注意し、排水口が泥や砂がつまってしまった場合は速やかに除去しましょう。
塗り替えはウレタン系のトップコートを使う
塗り替えをするトップコートにはポリエステル系とウレタン系がありますが、ポリエステル系は塗り重ねには向かないので塗り替えで使用されるのはウレタン系です(新築時にはポリエステル系のトップコートが使われることが多い)。
ウレタン系のトップコートは紫外線による劣化を防ぐ力があり、伸縮性に優れているため割れにくいです。一般的に5~10年の周期で塗り替えが必要となります。リフォーム費用の相場は1,800~2,500円/㎡です。
まとめ
今回は新築後1年未満のひび割れということで建築会社が業者の手配から費用の負担までしてくれますが、3年後からは自分たちで補修の手配をする必要があるようです。
補修せずに放置すると家の構造自体を傷めて膨大な補修費用が必要になることがあります。どんな些細なトラブルでも気がついたら建築会社や専門の業者に連絡をするようにしましょう。
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