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バッテリ充電制御機能の変更(BIOSデータ書き換え)

 多発しているパソコンのバッテリーの発火事故に対し、富士通はアメリカ・マイクロソフト社を通じて発火を防ぐために有効なソフトウェアを2018年11月上旬からを自動配信して、利用者に「バッテリ充電制御機能」の更新を呼びかけています。

 バッテリーの充電量を従来の85%で停止させる。

 フル充電時の電池残量表示は100%である点に変更はないものの、稼働可能時間は従来の85%程度に変更される。

バッテリー充電制御機能はBIOSの管理下

 バッテリーの充電の制御はBIOSで行われているので、今回のアップデートはBIOSデータの書き換えとなります

 BIOSデータの書き換えは、よくあるアプリの更新よりも注意して行わなければいけません。普段のアプリの更新が「髪を切る」レベルだったら、BIOSデータの書き換えは心臓手術レベルとさえ言われます。

BIOSとは

 BIOS (Basic Input Output System)とは、パソコンにとって最も基本的で重要なプログラムで、ハードウェアの管理や制御を主に行っています 。

 パソコンの電源を入れた際に最初に起動される、マザーボードのメモリに組み込まれたプログラムです。

 他にもBIOSはキーボードやマウスなどのハードウェアの管理・制御も行っています。

BIOSデータ書き換えのときの注意点

アップデートを行う前に継ぎの3つを確認します。

 アップデートを開始するとBIOSデータのダウンロードが始まり、完了するとBIOSデータの書き換えが始まります。パソコンによっては「ユーザーアカウント制御」が表示されてパソコン内のデータの変更の許可を求められます(「はい」を選ぶ)。

 書き換えが始まるとモノクロのウインドウに「BIOS update is running. Please wait.(訳:BIOSをアップデートしています。お待ちください)」と表示され、次のようなプログラミングが行われますが、全自動なので何もやることはありません。

 Please do not interrupt the application before it complete the following tasks: (訳:次のタスクが完了する前にアプリケーションを割り込ませないで下さい ※パソコンを操作しないということ)

 全タスクが完了すると自動的に再起動が始まりまり、再起動後は今まで通りの使い方ができます。

バッテリー充電制御機能がアップデートされた理由(背景)

 バッテリーが消耗・劣化すると電圧が上昇して、発火や発煙の危険があります。今回アップデートして新たに充電を制御することで電圧上昇を防ぎ、安全に使うことができるようになります(発火や発煙を未然に防ぐ)。

 充電量を従来の85%に抑えることは過充電による電圧の上昇を防ぐだけでなく、バッテリーの劣化を防ぐ効果もあります。

 2018年10月末、富士通はノートパソコンに付属するバッテリーパックが発火する恐れがあることを発表しています。発表までに全部で45件の発火が確認されました(けがなどの人的被害は出ていない)。

 発火の原因はバッテリーへの異物混入や過度な充電による電圧の上昇が原因とみられています。

発火の恐れがある機種は2010年~2016年に販売した機種のほぼ全てで約1,712万台。富士通はアメリカ・マイクロソフト社を通じて発火を防ぐソフトウェアを2018年11月上旬から自動配信して、利用者に更新を呼びかけています。

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